DAVID FORBES 「Tales Of The Past」'23 てっきり過去の名作リイシュー専門レーベルだとばかり思っていたAOR Blvd Recordsから、まさかのサックスプレイヤーを含む6人組カナディアンAOR&メロディアスHRバンドBOULEVARDのシンガー David Forbesの新作ソロアルバムがリリースされたので即GET! BOULEVARDと言えば1988年『BLVD.』と1990年『Into The Street』にM.C.A. Recordsからリリースした2枚のアルバムがメロディアス愛好家に知られるカナダのバンドで、2017年に27年ぶりとなる再結成第一弾、1992年解散以来となる通算3枚目のアルバム『Boulevard IV ~ Luminescence』をリリースした事で彼等の事を覚えている方も多いでしょう、そのBOULEVARDフロントマン David Forbesが英国ワンマン・メロハー・バンドNEWMAN率いる Steve Newmanと同じくNEWMAN唯一のパーマネントメンバーでドラマーの Rob McEwenの全面サポートの元でソロアルバムを制作し極上のメロディアス・ロック&AOR作を届けてくれた! プロデュース、演奏、アレンジだけでなく収録曲の殆ども Steve Newmanが手掛けており、その点から言うと『まるでNEWMANに David Forbesが加入したみたい』とも捉える事も出来ますが、David Forbesと Steve Newmanの共作曲や David Forbesと外部ソングライターとの共作曲等も収められている上に、未だインディ・ベースな活動なれど耳を惹くキャッチーな美旋律を奏でる事にかけてはピカイチな周知のメロディ・メイカー Steve Newmanがかなり David Forbesのソロ作としての差異を意識したのか普段NEWMANでは余り聴けぬ音使いやフレーズ等も楽しめ、マイルドで甘い声質な David Forbesの爽快感ある抜群の歌唱力もあってカナタディアン・ミュージシャンらしい哀愁を湛えたウェットな美旋律が満載な珠玉のメロディアス・チューンが眩いばかりに輝いている♪ ('(゚∀゚∩ まぁ、さすがに差異を意識しているとは言っても Steve Newmanのハードエッヂ立つギターが多分に強く鳴っているAOR Blvdレコード主導なプロフェッショナル・チーム作な為か、所々で David Forbesが〝歌わされている”感がある歌メロや歌唱スタイルな瞬間、そしてギターが煩く感じるのは否めないが、そもそもBOULEVARD以外で彼のヴォーカルを耳にした事がない違和感が大きい為とも言えるので、聴きなれぬ歌メロを歌い上げる David Forbesの一風変わった素晴らしい美声を楽しめるのもBOULEVARDファン的には面白いポイントではあるでしょう。 NEWMANファン的に言えば、やっぱり特別上手いシンガーを迎え入れられれば最近マンネリ化しつつあるNEWMANのメロハー・サウンドや Steve Newmanの定番作曲でも確実にレベルアップ出来るし、さらなるメジャー展開も望めるだろうに、という想いに捉われてしまうのが痛し痒しな本作であるとも言えますね… 既に述べたように Steve Newmanが本作の作詞作曲の殆どを占めてはいるものの彼以外のライターのペンによって書かれた楽曲も数多く収録されており、Steve Newmanに次いで David Forbesと楽曲を共作している Pete Alpenborgは、James Christianの4thソロ『Craving』、REVOLUTION SAINTSのデヴュー作、GIANTの5thアルバム『Shifting Time』、ここでも以前に紹介した August Zadraの初のリーダー・バンド作『Guiding Star』、Rick Altziの初ソロ作『All Eyes On Me』、Rob Morattiの5thソロ作『Epical』、北欧メロハーARCTIC RAINのデヴュー作『The One』等々への楽曲提供とカナダのみならず欧米や北欧のアーティストやバンドの多数のアルバム制作に関わっていてメロハー系ファンな方ならよくその名を目にするライターでその実力の程は皆さん良くご存じかと思いますし、さらに本作の目玉 はKenny Gや Steve Perryに楽曲を提供するだけでなくロックやポップス以外の幅広いジャンルのアーティスト達に楽曲を提供してシングルヒットを量産している米国人マルチ・インストゥルメンタリストで数多くのソロ作もリリースしてきた Jeff ParisとTHE GUN、THREE MAN ARMY、BAKER GURVITZ ARMYでの活動のみならず欧米ジャンル問わず数多くのアーティスト達に楽曲を提供しヒットシングルを量産してきた英国人SSW&でギタリスト、そして名うてのヒットメイカー Adrian Gurvitzの共作曲に David Forbesが作詞で参加した楽曲が収録されており、本作のクレジットに惹かれて手を出してみても決して損はしない、そんな一流ライター作も収録された David Forbesの新たな魅力を知る事が出来るメロディアスでキャッチーな良作であります。 個人的にはもう少し Steve Newmanが自身のカラーを控え目にしてバックミュージシャンな立場に落ち着いて洗練度とバランスを上げた完成度高いヴォーカリスト・アルバムな方が主役の David Forbesが引き立つし歌声の素晴らしさも際立つと思うのですが、まぁその辺りは好みでもありますので… しかし、BOULEVARDの再結成作といい、本ソロ作のリリースといい、1992年のBOULEVARD解散後にグランジー旋風吹き荒れるメジャー・シーンに背を向けるように音楽業界から完全に足を洗い、消防士(!?)となって地元で27年間も激務をこなし先頃消防士を引退した人物と思えぬ、長い空白期間が嘘のような未だ衰えぬ素晴らしい David Forbesの歌唱力と伸びやかな美声には驚かされるばかりだ。 Steve NewmanのみならずAOR Blvdレコードのプロフェッショナル・チームが細部まで気を使い隅々までコンポーズの行き届いたコンパクトでキャッチーな一枚でありますので、David Forbesについて事細かに知らなくても、アルバムに名を連ねる錚々たるクレジットに気が付かなくとも全く問題ない、メロディアスなAOR寄りポップロックやどこか透明感と爽快感あるカナダ&ユーロ圏歌モノ・アルバムがお好きな方なんかに是非お薦めしたい、しっとり味わい深くググッと大人びて洒落たサウンドも楽しめる本作にご興味あるようでしたら一度ご自身の耳でチェックしてみて下さい。 Tracklisting: 01. Girl Tell Me Why 02. Face Another Heartache 03. Tales Of The Past 04. Fall For Love 05. Endless Nights 06. Have We Learned Nothing? 07. Sins Of The Father 08. Hold Her Tonight 09. Here Comes The Rain 10. Flesh And Bone 11. Right Next Time 12. Freedom MUSICIANS: David Forbes (Lead Vocals、Backing Vocals) Steve Newman (Guitars、Keyboards、Backing Vocals) Rob McEwen (Drums & Percussion) Produced by Steve Newman & David Forbes
by malilion
| 2023-09-08 10:17
| 音楽
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