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YES+ASIA×UKポップスなDOWNES BRAIDE ASSOCIATIONの待望5thアルバムがリリース!!

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DOWNES BRAIDE ASSOCIATION 「Celestial Songs」'23

元々はMTVで派手なデヴューを飾ったUKポップ・デュオBUGGLESのオリジナルメンバーで、惜しくも先頃解散したASIAのキーボーディストでもあり、近年はYESにも在籍する、プログレ系ミュージシャンとしてだけでなくポップ・ヒットメイカーとして80年代初期から第一線で活動を続ける Geoff Downesが、Christina Aguilera、David Guetta、Lana Del Reyといったアーティスト達の楽曲を手がけるトップ・プロデューサー、ソングライターとして活躍する英国人シンガー Chris Braideと組んだUKポップ・ユニットが前作より2年ぶりにCherry Red Recordsから3面デジパック仕様で5thアルバムをリリースしたのをちょい遅れてGET!

デヴューした当時は、プログレ、ポップ、ニューウェーブをベテランの風格たっぷりにMIXしたアダルト&モダンでシャレオツなメジャー路線の80年代への憧憬も露わなUKポップ・ロックを披露していたが、Geoff Downesのバックグラウンド的にプログレ&シンフォ的なアプローチのサウンドが徐々に色濃くなりつつあった流れが本作で加速し、メロウなヴォーカル・オリエンテッド路線を基軸にしつつも淡く英国叙情漂うウェットなモダン・サウンドが壮大なスケールで響き渡る、どこかノスタルジックで仄かにセンチメンタルな雰囲気漂うデジタリーなサウンドプロダクションが完全に叙情的で瑞々しい生音の数々に溶け込んでナチュラルでアコースティカルな感触の強い、プロフェッショナルな妙技の数々が活かされた軽快なシンフォ・ポップを披露してくれている♪ (*´ω`*)

意図的に音数を抑え、ゆったり柔らかな陽光が差し込むようなイメージのレトロで穏やかな感触に包まれる、まるで往年の名曲を耳にしているかの様な心の琴線を刺激しまくるポップでキャッチーな良曲が詰め込まれ隙無くコンポーズされたアルバムで、端々にモダンなタッチやアレンジが顔を出すものの総じて80年代回帰を思わすアナログ・サウンドの雰囲気と高揚感を漂わせているのが本当に素晴らしい。

巷に溢れる単なる80年代サウンドを表面的になぞった劣化コピー・サウンドまみれなシンセウェイヴ作等とは一線を画す、プロフェッショナルらしいハイレベルなスタジオ・ワーク、スタイリッシュで洒落たアレンジ、ハイクオリティで鮮やかなプロダクション、完全にシンフォ・ロックを一要素として楽曲に過不足無く落とし込みコンポーズしたサウンド、細部にまで気を払った出しゃばり過ぎぬ英国人ミュージシャンらしい気品とエレガント漂うプロデュ-スと、本当に文句の付けようがありません (゚∀゚)

単なるスムースなUKエレ・ポップ作として聞き流しても少しも雰囲気を壊す事が無いし、注意深く細部まで聴き込む程に新しい驚きや発見が隠されているシンフォ風味の隠されたスケール感の大きいヴォーカル・オリエンテッド作としても楽しめる、流石はキャリアもスキルも一級品な名うてのミュージシャン2人が揃ったコンビ作と納得しきりであります。

しっかりと前作同様にナレーションも導入してプログレ&シンフォっぽい物語性を高めつつも歌モノな印象の方が強い、けれど甘いストリングスに柔らかく包まれたノスタルジックなアルバムを聴き進めて行くとトータルで関連性あるコンセプトアルバムを聴き終えたかの様な満足感もある、単なる歌モノ・アルバムでは味わえない巧妙な仕掛けも施されている流石な仕上がり具合だ。

お馴染みの英国ミュージシャン達が前作同様に脇を支えておりますが、今回は新たに元IT BITESの英国人ヴォーカリスト兼ギタリストの Francis Dunneryがギターで客演するだけでなく楽曲創作にも一曲だけ関わっており、彼のファンだけでなく各ミュージシャンのファンな方々も見逃せぬ一作となっている。

やはり特筆すべきは前作から参加し、今回も随所で泣きまくりのエモーショナルなソロ・プレイやセンチメンタルでフックあるメロゥなフレーズ、絶妙なトーンコントロールの数々で楽曲に素晴らしい彩りと英国作らしい叙情香る陰影を生み出しているUKシンフォ&トラッド・バンドIONAのリーダーであり、CELESTIAL FIRE、THE STRAWBSにも在籍していた Dave Bainbridgeの変幻自在なギター・プレイで、もう準メンバーと言って良いくらい本ユニットのサウンドに多大な貢献を果たしているように思えます。

プログレ、ポップ、ニューウェーブ風味だけでなく、マッタリとマイルドなAORアルバム的なタッチやレトロで枯れた味わいも楽しめる、80年代風サウンドに包まれたエモーショナルなフックと陰影が随所に刻まれた深みあるUKポップ・サウンドはなんとも言えぬ独特の魅力を放っており、分かり易いスピードやヘヴィさに刺激を求める若いロック・ファンには些か大人しく穏やか過ぎるアルバムに思えるかもしれませんが、ある程度年齢を重ねた80年代を知るロック・ファンな方ならば本作の堪らなく刺激的で心地よい完成度高いハイクオリティ・サウンドの虜になる事請け合いでありますので、ポップスやAORファン、メロディアス・ロック・ファンだけでなく穏やかなシンフォ系を好む方なんかにも是非聴いて欲しい、一線級のミュージシャンのプロの素晴らしい仕事ぶりで構築された本作は私の詰まらん御託なんぞ一ミリも必要ない、文句の無い傑作だ!

Tracks Listing:
01. Look What You Do
02. Clear Light
03. Keep On Moving
04. Darker Side Of Fame
05. Hey Kid
06. Will To Power
07. Heart Shaped Hole
08. Dear Petra
09. On The Run
10. Goodbye To You (Sister Shame)
11. Beyond The Stars

MUSICIANS:
Geoff Downes (Piano、Keyboards、Programming)
Chris Braide (Vocal、Piano、Keyboards、Programming)

With:
Andy Hodge       (Fretted & Fretless Bass)
Ash Soan        (Drums)
Dave Bainbridge     (Electric & Acoustic Guitars、Bouzouki、Mandolin、Keyboard Solo on Track 3)
Marc Almond      (Vocals、Duet Vocals on Track 4)
Tim Willer        (Additional Drums on Track 1、9、10)
Barney Ashton-Bullock  (Narration)
Francis Dunnery     (Arpeggio Guitar on Track 3)


by malilion | 2023-09-02 02:03 | 音楽 | Trackback
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