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爽やか北欧スウェーデン・メロハー・バンド Hank Erix率いるHOUSTONがカヴァー・アルバム第三弾をリリース!('(゚∀゚∩

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HOUSTON 「Relaunch III」'23

2014年リリースのカヴァ-アルバム『Relaunch II』に続くカヴァーアルバム第三弾が2017年リリースのオリジナル・アルバム『III』に続いて Hank Erix率いるスウェーデン産メロディアスHRバンドHOUSTONがリリースしたので即GET!

80年代から90年代初頭にかけて欧米問わず様々なAORアーティストやバンドがリリースしてきたが一般的には知名度が低いものの素晴らしい楽曲にHOUSTONが光を当てる、というカヴァー・コンセプトにのっとって収録曲が厳選されているので楽曲の質に問題がある訳もなく、Hank Erixの歌の上手さやHOUSTONのプレイスキルが優れているのも周知の事実なので、後はどのバンドやアーティストの曲がチョイスされたのか、どういった風に既存曲が料理され、原曲に忠実なプレイなのか、はたまた大胆にアレンジされたのか等々の程が本カヴァー・アルバムの注目点になると思うが、基本原曲を大事にしたプレイが中心で楽曲によってテンポを変えたり細かなアレンジを加えたりとHOUSTONカラーに見事に染まったノスタルジックでセンチメンタルなその細部まで手が行き届いた80年代リスペクトなメロディアス・サウンドは、オリジナル曲を知っている方でもそうない方にも十分楽しめる暑い夏に耳を傾けるのにピッタリ爽快なAORアルバムとなっている。

また本作はカヴァーされた素晴らしい楽曲の数々に勝るとも劣らずなHOUSTONオリジナルの新曲2曲、さらに新曲の80年代風リミックス・ヴァージョンも収録しており『なんだぁ、単なるカヴァー・アルバムか』とHOUSTONファンならずとも簡単に見過ごせぬセールスポイントもしっかり用意されているのでご注意されたい。

デヴュー以来、常にバンドメンツが変動しているHOUSTONだが本作でも残念ながらメンツ変動が起きた模様で、前作まで珍しくメンツが固定してバンドの一体感も増して来たと感じていたのだが、ドラマーの Oscar Lundstromが抜け、本作はゲスト・ドラマーとしてWILDNESSの Erik Modinが叩いている、だけでなく多彩な楽器をプレイして本作のクオリティアップに尽力している。

未確認だがアルバムリリース後に Erik Modinが正式ドラマーとしてメンバーに迎え入れられた模様で、次なるオリジナル・アルバムへの期待が俄然高まってしまいます♪ (゚∀゚)

さらにもう一人メロハー・バンドPALACEで活動するスウェーデン人ヴォーカリスト兼マルチ・インストゥルメンタリスト Michael Palaceが楽曲創作のみならず演奏面で大きく力を貸しており、彼自身の作品では最近は聴く事のめっきり減った80年代リスペクトな楽曲とキャッチーでポップなレトロ調サウンドを楽しませてくれているので彼のファンも本作は見逃せないだろう。

個人的に嬉しかったのはUSニュージャージー州のメロディアス・プログHMバンド PROPHETの楽曲がチョイスされた事でしょうか。

KANSASやBOSTONなどにも通じる分厚いコーラスをフィーチャーしたプログレッシヴで産業ロック風味の強いデヴュー・アルバムが大好きで、一般的には後にDANGER DANGERのヴォーカリストとして活躍する Ted Poleがまだドラマーとしてバンドに参加していたのと、リード・ヴォーカルの Dean FasanoはBON JOVI参加前の Richie Sambora、Alec John Suchと共にMESSAGEで活躍していたシンガーで、そんな後に有名になるメンバーが参加していたバンド作として知られるB級USバンドでして、本作で取り上げているより洗練さを増したサウンドが楽しめた2nd『Cycle Of The Moon』収録曲の時はメンバーチェンジしてリードシンガーを後にUSメロハー・バンド ARCARAを率いる Russell Arcaraへチェンジしており、メロディアスHMファンにとって著名ミュージシャンが多数関わっている見逃せぬバンド PROPHETなのでした。

Michael、Don、SteveのKehr三兄弟を中心に米ニューヨークを拠点に活動したB級ハードポップ・バンド URGENTをチョイスしたり、後にBON JOVIのドラマーになる Tico Torresが在籍したニュージャージーのB級ハードポップ・バンド FRANKE & THE KNOCKOUTSをチョイスしたりと、総じてメロディアスでキャッチーなメロディアス愛好家なら『分かってるぅ~』と思わず破顔してしまう通好みなバンドやアーティストを選んでいる辺りが Hank Erixのマニアックさの程を良く伝えてくれますね(w

ボーナストラックはちゃっかり80年代風リミックスなんてクレジットしているけれど、今で言うリズミックでムーディなシンセウェヴ風に仕上げた新曲のアレンジも実に素晴らしく、単なる懐古主義ではない古くて新しいサウンドも提示しているのが今を生きるバンドHOUSTONとしての矜持を示しているようにも思えます。

欧米問わずメロディアスなロックを好む方なら一度は目にした事のあるだろうアーティストやバンドの名がクレジットに並んでいるので、各アーティストやバンドのファンの方も是非チェックしてみて欲しい。

相変わらずAOR寄りのキラキラした北欧特有の華やかなキーボード・サウンドが耳に心地よいハードポップ&HRサウンドで、SURVIVORの二代目リードシンガーであった今は亡き Jimi Jamisonを彷彿とさせる伸びやかで情感ある歌声を聴かせる Hank Erixが、正に水を得た魚の如く珠玉のAOR楽曲を得て抜群の歌唱力を縦横無尽に披露しており、北欧AOR&メロハー・ファンやHOUSTONファンだけでなく80年代AORファンな方にもお薦めしたい一枚だ。

Tracklisting:
01. Live Forever [* New Song]
02. Slipping Away [Marc Jordan]
03. Power Over Me [ATLANTIC]
04. Heart Of Stone [BLACKJACK]
05. She Don't (Come Around Anymore) [David Pack]
06. Do You Believe [* New Song]
07. She's Out With A Gun [VAN ZANT]
08. Modern Day Delilah [Van Stephenson]
09. Sound Of A Breaking Heart [PROPHET]
10. Outrageous [FRANKE & THE KNOCKOUTS]
11. Running Back [URGENT]
12. Live Forever (80'S Remix) [* New Song]
13. Do You Believe (80'S Remix) [* New Song]
14. Power Over Me (Acoustic Version)

HOUSTON Line-Up:
Hank Erix     (Lead & Background Vocals)
Carl Hammar    (Lead & Rhythm Guitars)
Richard Hamilton  (Keyboards、Piano)
Niels Walter    (Bass Guitar)

Additional Musicians:
Erik Modin   (Drums、Percussion、Keyboards、Backing Vocals、Rhythm & Acoustic Guitars)
Michael Palace (Backing Vocals & Rhythm Guitars on “Live Forever” & “Do You Believe”)


by malilion | 2023-07-29 20:02 | 音楽 | Trackback
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