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70年代アメリカン・プログレを代表するバンドETHOSのデヴュー作が最新リマスターのドイツ盤でリイシュー!!

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ETHOS 「Ardour」'75

前身バンドTHE HERD~ATLANTISを経て1973年にインディアナ州で結成された、KANSAS、STYX、STARCASTLE等と並び70年代USプログレの代表格と称えられるのも納得な完成度の高いシンフォニック・サウンドを披露し、今尚プログレ・マニアの間で名作と語り継がれている彼等のデヴュー作が、好事家ですらその存在を殆ど認識していない欧米各国のマニアックでドマイナーなプログレ作を発掘しては全世界のプログレ・マニア諸兄大歓喜なリイシューを続ける、2015年に運営を開始したドイツのリイシュー・レーベル PAISLEY PRESSから2023年最新リマスターを施されオリジナル通りの曲数でリイシューされたので即GET!

YESやGENESISにも匹敵するウェットな抒情性と物語性を感じさせるイマジネーション豊かな描写が秀逸で、70年代英国プログレ・バンド群からの影響も露わな幽玄なメロトロンや繊細なアコギを巧みにアレンジに組み込んだ欧州の薫り漂う幻想的な美旋律と放牧さが織り成す楽曲が素晴らしく、さらに単なるフォロワーではないアメリカ産らしいテクニカルなインタープレイとスケール感の大きさ、ファンタジック且つ攻撃的に使用されるメロトロンやシンセが特に印象的で、全体にとてもメロディアスなのに加え後に発掘される好事家向けのプログレ・バンド群の作品に比べて分かり易いポピュラリティーも高く、当時メジャー・レーベル Capitol Recordsからのリリースであった事からプロダクションも上々でそのサウンドは今でも実に新鮮であり、首尾一貫して只ならぬ集中力を必要とする緻密な楽曲構成力が一体となった音像は、まさしく英国プログレと米国プログレのいいトコ取の英米折衷作な、どこをとっても全く隙無いオリジナリティに富んだ名作の名に恥じぬ一枚と言えましょう。

既に何度か国内盤でもリイシューされているし、海外でもリイシューが繰り返され(アナログLP BOXセットも出てる!)ている、つまりそれだけプログレ・ファンに長年に渡って愛され続けている名盤な訳で、今さら私が内容どうこう事細かに解説や紹介する必要も無い有名なツイン・キーボード5人組米国バンドのデヴュー作ですが、国内盤の2009年度リマスターを施されたリイシュー盤サウンドと今回のドイツ PAISLEY PRESS盤リマスター・サウンドを聴き比べてみると、2009年リマスター盤より若干音の奥行が増して、ボトムサウンドも少し強めなアタック感になっているリマスターが施されており、元々音の悪かった作品ではありませんし僅かな差を気にしないのであれば以前の2009年リマスター盤の方が解説や紙ジャケ装丁が豪華(今回のリマスター盤はジャケはペラ一枚)ですし、今回のリイシュー盤はお値段も廉価版と言う訳でもないので無理して手を出す必要はないかと思います。

只、CD盤面のカラー・プリントがジャケットの美しい地球の一部を再現したデザインとなっており、そこは国内2009年度リマスター盤より秀逸な仕上がりになっているのは確かなので、最新リマスターのクリアーさとパワフルさが増したサウンドを楽しみたいと思われるプログレ・マニアな諸兄なら今回のリマスター盤を入手しても決して後悔はしないだろう。

やっぱり何度聴いても、軽やかなギターと幽玄なタウラス・ベースの重低音に絡みながら雨音の様な奇妙でトライバルなパーカッションに導かれ、怒涛の如く雪崩れ込んで来るミステリアスなムーグ・サウンドが乱舞し、ソリッドなリズム隊のテクニカル・プレイが炸裂するイントロパートが、もうホントにゾクゾクするくらい格好良くて堪りません♪ ('(゚∀゚∩

重層的なシンセとメロトロン、12弦ギターが奏でる繊細でメロディアスな旋律、Rickenbackerが唸りを上げるソリッドなリズム・セクションで満たされるパワフルさは如何にも米国産バンドの叩き出すサウンドなれど、GENESISやYESを彷彿とさせつつも直接的な模倣では無い独創性が素晴らしく、惜しくもプログレの黄昏期にリリースされ僅かな後に消えうせてしまう刹那の美しさをも感じさせる本作は、切れ味鋭いプログレッシヴな芸術性と素朴で幻想的なコンセプトが奇跡的に融合して抗い難い魅力を伴って眩く輝き続けている、唯一無二のアーティスティックな感性がまだ重要視されていた頃の掛け替えのないロック・レガシーな一枚だと言えましょう。

70年代米国プログレにご興味ある方でまだ彼等のアルバムを聴いた事のない方に是非お薦めしたい、大ヒットした事は今まで一度も無いけれど長く語り継いで行きたい名作アルバムであります。

Tracks Listing:
01. Intrepid Traveller
02. Space Brothers
03. Everyman
04. Atlanteans
05. The Spirit Of Music
06. Long Dancer
07. The Dimension Man
08. E'Mocean

ETHOS Line-Up:
L.Duncan Hammond  (Organ、Moog、Piano、Mellotron、Clavinet、Vocals)
Michael Ponczek    (Organ、Moog、Chamberlin、Effects)
Wils Sharpe      (Guitars、Mandolin、Vocals)
Brad Stephenson    (Bass、Bass Pedals、Lead Vocals)
Mark Richards     (Drums、Percussion、Effects)

with:
Greg Riker      Mixing、Sounds Design




by malilion | 2023-07-27 20:22 | 音楽 | Trackback
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