RETURN 「To The Top」'87 1980年にカヴァー・バンド JOM JOM & THE CANNIBALSとして結成され、1985年にバンド名をRETURNへ改め活動していた北欧ノルウェー産4人組ハードポップ・バンドが1987年にリリースしたデヴュー作が2023年度リマスターを施されオフィシャル初リイシューされたのをちょい遅れてGET! 1993年リリースのメロハーの名盤5thアルバム『V』の国内盤がゼロコーからリリースされていたので彼等のキャッチーな北欧メロディアス・サウンドを耳にした方も多いと思う、あのRETURNのデヴュー作が地元ノルウェーのレーベルNORSKE ALBUMKLASSIKERE企画の80年代バンド群のカタログ一斉再販シリーズにてオリジナル・アートワーク&ペーパースリーブ仕様(紙ジャケ)でリイシューであります。 少し残念なのはオリジナル通りの曲数が収録されたリイシューとなっており、未発音源等のボートラは追加収録されておりません…アルバム未収録シングルB面曲とかあったのになぁ… 数十年前から出回っていた怪しいデヴュー作のCDは海賊盤(Arco RecordsからリリースのオリジナルCDのコピーと思われる)なのでファンには嬉しいリイシューであります♪ まぁ、その海賊盤も意外と音は悪くない上々な仕上がりだったんですけどね…(汗 デヴュー作から継続的にキャッチーで如何にも北欧バンドという透明感と哀愁あるウェットな美旋律を奏で、STAGE DOLLSやDA VINCIと並んで北欧メロディアス愛好家を魅了し続けていた彼等、しかし折り悪くメジャー・シーンがグランジーの闇に塗り潰されていた為に、世界中のメロディアス系バンド達と同じように不遇なまま正当に評価されず消えていった北欧ハードポップの有望株バンドの一つでありました…(´д⊂) 『V』の後、今は亡きMTMレーベルから2005年に『Return』をリリースした後は音沙汰無く、残念ながらその他大勢の80年代メインストリームの系統を受け継ぐメロディアス・ロックバンド達と同じく解散の運命を辿る訳ですね…アルバムリリースを重ねる毎によりメロディアスでキャッチーに、よりハードで切れ味鋭いギターと哀愁の美旋律が鳴り響く素晴らしい成長を見せていただけに悔やまれます。 流石に古い音源でしたので今回のリマスター効果でサウンドはシャープな輪郭になり、ボトムも持ち上げられて今の時代に即したサウンドに磨き直されております、がちょっとボリューム低くない? 音圧もっと上げても良いと思うんですが…良く言えばアナログの感触を残したノスタルジックなタッチのリマスターとも言えますけど…ウーン… 別段目新しくも無い、非常にオーセンティックな80年代メロディアス・ロックの流れを汲む北欧ハードポップ・サウンドが身上の彼等ですが、やはり彼等のアルバムをその他の同年代バンド達の作品と一味違う秀でた印象にしているのはシンガー Kunt Erik Ostgardの抜群にキャッチーで冴え渡るヴォーカル・メロディ作りに長けた非凡な才故なのは間違いありません。 ウェットでリリカル、哀愁あるセンチメンタルな美旋律の原動力は間違いなくギタリストの Steinar Hagenの弾くギターなのですが、別段特にテクニカルだとか絶品のエモーショナルな泣きまくりフレージングを聴かせるとか言う訳でもなく、程良くアコースティカルな爽快なタッチも加えつつ北欧ハードポップらしいツボを心得た弾きすぎない楽曲第一なプレイとコンパクトなソロに終始しており、バックのサウンドも独創性あるサウンドと言う訳でもないのですが、ザラついて荒れた印象の声質で歌える音域もそう広く無いものの抜群に耳を惹くフックある歌メロと分厚く爽快なバッキングコーラスを創作する能力が高く、バンドの奏でるキャッチーでストレートな80年代風北欧ハードポップ・サウンドに非常に良くマッチ(例えるならUFOの Phil Moggみたいな、と言えば通じますでしょうか?)しており、彼等の至ってシンプルでベーシックな楽曲を何倍にも魅力的に輝かせていたのは特筆すべきポイントだろう。 無論、気の利いたアレンジやゲスト奏者の操る小洒落たシンセ、彼等の持ち味を際立たせるプロデューサーの手腕もサウンドを魅力的にしている重要な要素ではありますが、やはり第一はシンガー Kunt Erik Ostgardのそう良い声でもなく限定的な歌唱力なのに驚くくらい耳を惹くとびっきりキャッチーでポップなフックある歌メロを歌い上げる素晴らしい能力故にRETURNは未だに80年代北欧ハードポップの雄、と言われ続けているのだと思っております。 出来る事ならその他のアルバムもこれを契機に全作品リマスター&リイシューして欲しい所ですが、彼等はアルバム毎に契約していたレコード会社が違っていたりしていて契約関係が複雑なのが玉に瑕で…現在リリース権をどこのレコード会社が持っているのか不明ですが、叶うなら他の素晴らしいアルバムもリイシューして欲しいなぁ~♪ とまれ80年代メジャーの流れを汲む北欧ハードポップがお好みの方は迷わず買い、な一枚ですので北欧リイシューものは数に限りがありますからお求めの方は早々に入手しておきましょう! Track Listing: 01. To The Top 02. I Should Have Known Better (Sheila) 03. Take Care Of Your Woman 04. So Many Times 05. Caught In The Middle 06. Be Good 07. Angel Of Delight 08. Half A Man 09. How Can You Tell 10. Sing Me A Song RETURN Line-Up: Knut Erik Ostgard (Lead Vocals & Keyboards) Steinar Hagen (Guitars & Backing Vocals) Tore Larsen (Bass & Backing Vocals) Oyvind Hakonsen (Drums)
by malilion
| 2023-07-06 20:04
| 音楽
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