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LAの一流セッション・ギタリスト Michael Thompson率いるバンドが久しぶりにオリジナル・シンガーを復帰させ新作をリリース!

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MICHAEL THOMPSON BAND feat. MOON CALHOUN 「The Love Goes On」'23

70年代末期から活動を開始し、2010年代初頭まで David Fosterのお抱えギタリストを務め、今やLAの一流セッション・ギタリストとしての名声を揺るぎ無いものとしている実力派アメリカ人ギタリスト Michael Thompsonがリーダー・バンドの4thアルバムが、前作『Love & Beyond』'19 から約4年ぶりにリリースされたのを少々遅れてGET!

1989年デヴュー作『How Long』リリース以降、長い長い空白期間を経て2012年に復活してからはイタリアのメロハー・レーベル Frontierの元でメロハー・サイドへ傾いたAOR&メロディアス・ロック作をリリースして来たが、今回はなんとそのデヴュー作で歌声を披露して以降バンドと疎遠になっていたオリジナル・シンガー Moon Calhoun (ex:THE STRAND)を再びフロントマンへ迎えての新作となっている。

これまで Michael Thompson Bandがリリースしてきたアルバムは、USポピュラー・ミュージックシーンの大物達だけでなく、日本の歌謡歌手のレコーディングにも参加と、有名無名問わずセッションやレコーディングに膨大な数参加してきたベテランだけあって、そのエモーショナルでフレキシビリティが高くドラマチックなギター・プレイは無論の事、サウンドの質や幅広い嗜好な楽曲の出来栄え、そしてプロダクション等に問題など欠片も見当たらぬ Michael Thompsonの癖がなく、それでいて抑揚の効いたスムースなギター・プレイが実に魅力的な良く造り込まれた高品質作だった訳だが、今回は Moon Calhounを再びバンドへ迎えた影響でか幾分か80年代を思わすオールドスクールでいつも以上にAOR&ウェストコースト風の落ち着いたサウンドを聴かせており、ロック的な刺激やメタリックなサウンド、そしてスピード感やフックといった即効性は弱いものの繰り返し聴き込む程に心地よい音色と抜群のバランス感覚が活かされた味わい深い美旋律がこれまで以上にグッと大人びたリードシンガーの円熟味ある歌声もあって心癒される良作となっている。

前作でリードヴォーカルを執ったのはUSメロハーバンドUNRULY CHILDのベーシストでもある Larry Antoninoだったが、今回はオリジナル・シンガー Moon Calhounの復帰もあり再びメンツが一新された新編成になっているけれど、継続的に活動しているバンドでもないし“ソロ作には向かない Michael Thompsonが伸び伸びとギターを弾きまくる、お仕事のセッションでは抑えているギタープレイ欲を満たすロック寄りなサウンドを出すバンド作”というコンセプトだけ固持されていればいい、というようなスタンスでメイン活動とするバンド作でも無いだろうから、毎回メンツが入れ替わるのはデヴュー作からの恒例なのでコレは驚くに値しないだろう。

前作はフロントマンがUNRULY CHILDのベーシスト Larry AntoninoでキーボードにもUNRULY CHILDの Guy Allisonが全面的に参加し、作詞作曲面でインプットしていたり、HEART、CHEAP TRICK、REO SPEEDWAGON、BAD ENGLISH、John Waite、GIANT 、MR.BIG等に楽曲提供をしている他、プロデューサーとしても活動をするアメリカ人SSWの Mark Spiroがその伸びやかな歌声を披露し、それ故かメロハー・テイストが強めであったが、本作は Michael Thompson、Moon Calhoun、そしてベーシストの Tom Croucier (RATTの Juan Croucierの実弟、ex:LIFE BY NIGHT)が優れたプロダクションと洗練されたソングライティングを披露し全曲を書き下ろしている為か、昔からの Michael Thompsonファン程に歓喜するだろうクラシック・テイストでハイクオリティなAOR曲を届けてくれている。

Michael Thompsonの巧みでセンス良いギタープレイをタップリとフィーチャーしたUS・ロックをベースにしつつ、80年代風のAORだったり、キャッチーな歌メロが際立ったアリーナ・ロック風だったり、泣きのギターが心に迫るブルージーな作風や、ちょっとフュージョンぽい小洒落たギターがモダンな美旋律を奏でたりと、実に幅広い音楽性の楽曲を取り揃えた大人なアルバムですので、AORファンは無論の事、メロディアスでムーディなAORテイストあるポピュラリティ高いロックが好きな方なんかにお薦めな一作となっております。

Tracklisting:
01. The Love Goes On
02. Whispers And Dreams
03. War Of The Hearts
04. In Your Arms
05. All Of It
06. Just What It Takes
07. Forever June
08. Higher
09. Out Of Nowhere
10. What Keeps You Alive
11. A Picture Of You
12. Wheelchair (Bonus Track)

MICHAEL THOMPSON BAND Line-Up:
Michael Thompson   (Guitars)
Moon Calhoun      (Vocals)
Tom Croucier       (Bass、Backing Vocals)
Michael Heart      (Keyboards、Backing Vocals)
Annas Aliaf        (Drums)

Produced by Michael Thompson、Tom Croucier、Michael Heart
Mixed & Mastered by Michael Heart






by malilion | 2023-07-04 16:42 | 音楽 | Trackback
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