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北欧クリスチャンHMバンド NARNIAが二枚組BEST盤に続いて待望の9thアルバムをリリース!!

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NARNIA 「Ghost Town」'23

MODEST ATTRACTION、DIVINE FIRE、GOLDEN RESURRECTION等でも活躍する人気フロントマン Christian Liljegrenを擁する北欧スウェーデン産キーボード入り5人組クリスチャンHMバンドが約4年ぶりとなる9枚目のオリジナル・スタジオアルバムをリリースしたのをちょい遅れてGETしたのでご紹介。

以前からメンバーチェンジが耐えない彼等だが、今回は前作制作メンツと変化はなくリーダーの Carl Johan Grimmark (Guitars、Backing Vocals)とデビュー作から相棒の Christian Liljegren (Lead Vocals)に加え、2nd『Long Live The King』'98以来参加し現在はROYAL HUNTでも叩いているドラマー Andreas " Habo" Johanssonに加え、オリジナル・キーボーディストの Martin Harenstam、そして前作から参加のベーシスト Jonatan "Jono" Samuelsson (Bass、Backing Vocals)という2017年以来の安定したラインナップで本作は制作されている。

1998年デヴュー当時は Carl Johan Grimmarkの Yngwieモロパクの早弾きギターと派手なキーボードのインタープレイが飛び交う北欧様式美HMサウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の成熟度と幅を押し拡げ、一度目の解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨てて00年代型モダン・ヘヴィネス・サウンドまで貪欲に取り込んだが看板フロントマンの脱退と音楽性の激変は忠実なファンでさえ戸惑わせてしまい結局解散するハメに……

暫しの後に初期メンバーを中心に再結成を図るも音楽性は当初のフォロワー臭さい派手なサウンドを捨て、渋く骨太な上に Christian Liljegrenの身上であるクリスチャン要素を色濃くしたモダン・メロディアスHMサウンドを提示して初期からのファンを驚かせたのも記憶に新しい、そんな紆余曲折を経た彼等がBEST盤を挟んで待望の9thアルバムをリリースした、までは良いのだが遂に国内製デュプリ盤でなくなり輸入盤に日本製帯を追加しただけの仕様となってしまった…円安の影響で輸入盤も高値になっていたので国内盤仕様の方がお安く購入出来るので文句は無いが恒例だったボートラの類いが無くなってしまったのは少し悲しい…orz

さて、これまでの歴史を総括するBEST盤を挟んで放たれた本作は、初期のネオクラHMやソリッドなパワー・メタル、クラシックなメロディアスHM、無理矢理感があったプログレッシヴHMや一気にダークに染まった00年代モダン・ヘヴィネスな風味等々、良い意味でこれまでに音楽性の幅を押し広げがむしゃらに獲得して来た様々な要素を上手く組み合わせて巧くまとめた、彼等のカタログで今まで有りそうで無かったバラエティ豊かでベテランらしくバランス重視のコンパクトな楽曲と、隙無いツボを心得た手堅いプレイとメッセージ性の強い歌詞世界を繰り広げるエピックな風味漂わす叙情派ユーロピアンHM的なモダン・クリスチャンHMサウンドを構築しており、これまでの紆余曲折に渡る長き活動が決して無駄で無かった事を証明してみせている。

薄っすらと終始後ろに聴こえるヴォーカル・ハーモニーが如何にも80年代から脈々と受け継がれる北欧HMっぽくて、エピカルだったりネオクラだったり鈍色モダン・ヘヴィネスだったりと様々な幅広い音楽性の影響を取り込んだサウンドを聴かせるにも関わらずソコだけは変っていないっていうのが実になんとも北欧バンドらしいというかなんというか、やっぱり北欧ミュージシャンだもんなぁ、と納得しきり(笑)

バンドの音楽レベルが一段上がった大きな要因は、やはりスタンドプレイに走りがちだった Carl Johan Grimmarkがギタリストというよりプロデューサーの立場でアルバムを俯瞰してバランスやアレンジ、楽曲の完成度に重きを置くようになったのは間違いなく、前作まではDREAM THEATERやSPOCK'S BEARD等の影響が透け見えるプログHM風楽曲や、IRON MAIDENっぽさを臭わす楽曲もあったが、本作に至っては完全にそういった影響を自身の血肉としてオリジナリティへ完全に昇華し、独創的な北欧メロディックHMサウンドへと進化させており、安っぽい借り物臭さが消え失せた事が間違いなく大きな成長と言えるだろう。

前作でもグルーヴとテクノ風味をMIXした独特の雰囲気を持つパワー・メタルサウンドや、グルーヴィでありつつブルーズフィールあるサウンドなど新たな試みにも果敢に挑んでいたが、本作でもデジタリーなアレンジが活かされたリズミックなパートがモダンHMサウンドに組み込まれた楽曲や、フュージョン風のアーバンな香りが漂うアダルドな味わいを演出したユニークな楽曲など、単なるセルフ・エミュレート作でない進化を続ける貪欲な姿勢を今も決して忘れておらず、絶えず音楽性を変化させる進歩的なNARNIAの姿を楽しんで来たファンは安心したのではないだろうか?

やはり本バンドで特筆すべきはフロントマン Christian Liljegrenの表現力豊かで伸びやか、そしてパワフルで真摯な祈りに満ちた感動的な歌声と神学的な思想が記された歌詞で、翳りを帯びた憂いある歌唱から野獣のような荒々しい雄叫びまで実に幅広い感情を自信タップリに表現して見せ、本作の楽曲を陳腐なクリスチャン・ロックに貶めていないのは流石の一言だ。

アナログからデジタルまで様々な鍵盤サウンドを操って楽曲を彩り、素晴らしいサウンドスケープとリリカルなピアノ・アレンジを施してサウンドのキーマンのように終始耳を捉える Martin Harenstamの巧みなキーボード・プレイだが、かなりの音数やフレーズ、耳を惹くコンパクトなソロを弾いてはいるが決っして出しゃばらずに要所要所でツボを心得たエモーショナルなプレイを聴かせる事に終始して以前の様に悪目立ちしないが、間違いなく Carl Johan Grimmarkのソリッドでコンパクトなギター・サウンドが本バンド・サウンドを決定づける鍵を握っており、しっかりと幅広い音楽性を響かせる楽曲をNARNIAカラーに染め上げている点も見逃せないポイントだろう。

また、USクリスチャン・ゴシックHMバンドSAVIOUR MACHINEのフロントマン Eric Claytonがゲストに招かれ、一曲でバリトン・オペラで朗読し、その魅惑的なディープ・ヴォイスを披露しているので彼のファンやSAVIOUR MACHINEのファンは要チェックだ。

初期作を思うと少々渋めでもう少し分かり易い派手なサウンドやプレイがあると嬉しいのだが、完成度優先故にそういった軽薄に思える要素を封じ込め、クリスチャン・ロックらしいポジティヴなメッセージと素晴らしいミュージシャンシップ、幅広い多彩な音楽要素を含んだベテランらしく良く練られた楽曲、耳を惹く叙情感ある美旋律と抜群のヴォーカル・メロディ、そして優れたプロダクションバリューを備えたエピカルな風格さえ漂うユーロピアン・メロディアスHMアルバムは、活動歴27年を迎えた現時点で望みうる彼等の最高傑作と言ってしまっても差し支えないだろう。

クリスチャン・ロックと言うだけで色眼鏡で見られがちな彼等だが、その素晴らしい北欧メロディアスHMサウンドは欧米のHMバンド達に少しも引けを取らぬ完成度で勇壮に鳴り響いているので、もしご興味あるようなら一度ご自身の耳でチェックしてみて欲しいバンドであります。

国内流通仕様なだけで本作は自主制作盤なのでフィジカルの日本盤仕様が欲しい方はお早目に! 早々に輸入盤のみ、自主盤なのでそれさえも出回らなくなる危険アリです!

Track list:
01. Rebel
02. Thief
03. Hold On
04. Glory Daze
05. Descension
06. Ghost Town
07. Alive
08. Modern Day Pharisees
09. Out Of The Silence
10. Wake Up Call

NARNIA Line-up:
Christian Liljegren       (Lead Vocals)
Carl Johan Grimmark     (Guitars、Backing Vocals)
Jonatan "Jono" Samuelsson  (Bass、Backing Vocals)
Martin Harenstam        (Keyboards)
Andreas " Habo" Johansson  (Drums)

Produced by CJ Grimmark







by malilion | 2023-06-17 18:51 | 音楽 | Trackback
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