ART NATION 「Inception」'23 シンガー Alexander Strandell率いる北欧スウェーデン産メロハー・バンドが4年ぶりに新譜をリリースしたので即GET! 2013年にデヴューアルバムをリリースした北欧メロハー・バンドDIAMOND DAWNの元フロントマンが立ち上げた新バンドとして鳴り物入りでデヴューし、そのTNTを彷彿とさせるキャッチー且つ哀愁を感じる叙情的メロディが光る躍動感あふれるサウンドから洗練されたAOR風味までカヴァーする煌びやかでハイクオリティな楽曲や Alexander Strandellの上から下まで伸びやかに歌い上げる強靱なハイトーン・ヴォイスと抜群のエモーショナルな歌唱力でメロディアス愛好家を一発で魅了した彼等が『Revolution(革命、大変革)』'15 『Revelation(天啓、啓示)』'17 、『Transition(変化、過度)』'19 なるアルバムをリリースして来た訳だが、久しぶりの新譜は『Inception(開始、発端)』というアルバムタイトルが示す通り、新たな旅立ちを示すかのように遂に原点回帰的な音楽性の強力メロハー作を届けてくれた。 これまで本バンドはやたらメンバーチェンジが起きてきた経緯があって正直3rdの時点で Alexander Strandellのソロ・プロジェクト化し、余りに音楽性が拡散した為に遂にコンテンポラリー・ロックへ片足突っ込んだ普遍的な北欧ポップロックにまでに様変わりしてしまったのだが、Alexander Strandellの体調不良からのバンド活動休止~パンデミックを経て、それまでの芯がブレまくった音楽性を反省したのか袂を分かったはずのオリジナル・ギタリストで元々TASTEなるバンドで活動していた Christoffer Borg (Guitars、Backing Vocal)を本作から復帰させ、デヴュー作を彷彿とさせるキャッチーでスリリングな如何にも北欧メロハー・サウンドという煌びやかで透明感ある叙情派HMサウンドを再び提示してくれ彼等のファンは大歓喜間違いなしだろう♪ 現在のバンド構成は、フロントマンでバンマスの Alexander Strandell、復帰したオリジナル・ギタリスト Christoffer Borg、そして前作レコーディング前にバンドに加わったDEATHRIDERSにも籍を置く Richard Svarsd (Bass)、前作レコーディング後にバンドに加わった元DEVILICIOUSの Alexander Lundgren (Drums)の4名となっている。 初期のもう一人の作曲中心人物 Theodor Hedstrom (Keyboards)の復帰は叶わなかったが、3rdでの煌びやかでデジタリーなキーボード・サウンドをフィーチャーし過ぎたモダンでコンテンポラリーなサウンドから距離を取る為に今回敢えて専任の鍵盤奏者を加入させていないのかもしれないし、4人構成で初期風の無駄の無いソリッドでスリリングなキレ味鋭いスピーディーでキャッチーな叙情派北欧メロハー・サウンドをしっかりと再現する事に注力した為なのかもしれず、今後再び音楽性の幅が広がったりサウンドが変化した時にまた鍵盤奏者がバンドへ迎え入れられるかもしれませんね。 まぁ、今は初期作で聴けた Christoffer Borgの弾くテクニカルでスリリング、流麗でメロディアスなフックあるギター・サウンドが所狭しと随所で鳴り響いているだけでもう感無量であります♪ 特に斬新な事をしていない典型的な叙情香る美旋律満載の北欧メロハー・サウンドではあるが、これは恐らく意図的に焦点を絞っての再始動作に相応しい、ファンが待ち望んでいた初期風サウンドを分かって再現しているのだろうから何も問題ではありませんね。 無論、原点回帰的な作品ではありますが当然これまで紆余曲折の中で身に着けて来たサウンドや大幅に広げて来た音楽性を全て捨て去った訳ではなく、随所でモダンなタッチのキーボードや小洒落たアレンジ等、デヴュー当時の勢い任せなだけでない、バンド活動休止中に Alexander Strandellが課外活動で学んできた数多くの音楽要素が本作で活かされており、加えてサウンドの深みやコンポーズ能力の向上、何よりシンガーとしての表現力の凄みと説得力を増した事が唸りを上げる強靭な喉の轟きからハッキリと感じとれる待望の新作なのは間違いない。 バンドを背負うリーダーとしてのプレッシャーもハンパ無かったのだろうが、こうして初期の盟友と再び新たな一歩を踏み出せる喜びが解き放たれたように伸びやかに歌い上げる Alexander Strandellの楽しげな熱唱から伝わってきてファンとしては嬉しい限りだ。 Alexander Strandell曰く、本作はART NATIONの新章第一作との事で、願わくば今後は新章に相応しくコロコロとメンツを変えず安定した活動をして欲しい、そんな期待の北欧メロハー・バンドなのであります。 初期ART NATIONが気に入っていた方や典型的な80年代リスペクトな北欧メロハー作がお好みな方に是非お薦めしたい一作だ(*´ω`*) Track listing: 01. Brutal & Beautiful 02. Last Of The Burned 03. 1001 04. Fight Fire With Fire 05. Echo 06. Break Up 07. Light The Fire 08. The Legend Reborn 09. Somewhere I Know I Belong 10. Superman 11. Powerless 12. Powerless (Acoustic Version) ART NATION Line-up: Alexander Strandell (Lead Vocals) Christoffer Borg (Guitars、Backing Vocals) Richard Svard (Bass) Alexander Lundgren (Drums)
by malilion
| 2023-06-10 14:20
| 音楽
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