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東欧ポーランドのシンフォ・バンドQUIDAMの98年リリース2ndアルバムが22年度最新リマスターでリイシュー!!

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QUIDAM 「Sny Aniolow 2022 Remaster Version」'23

近年96年リリースのデヴュー作『Quidam』が21年度リマスター&ボーナストラック追加盤でリイシューされファンを歓喜させたが、COLLAGEと並び90年代ポーランド産プログレッシヴ&シンフォ系ロックを代表するバンドである彼等の98年リリース2ndアルバムがこの度リマスター&ボーナストラック追加でリイシューされたので即GET!

同じく98年に英語詞で歌っている『Angels' Dreams』もリリースされていましたが、本作はプレス数の少なかったポーランド語詞で歌われているオリジナル・ヴァージョン(ジャケットデザインに差異あり、また英語詞版と一部収録曲が違う)のリマスター盤という事になります。

2006年に英語詞版『Angels' Dreams』とポーランド語詞版『Sny Aniolow』が同梱された二枚組仕様盤もリリースされておりましたがその限定盤(ジャケは英語詞版を流用)にはボーナストラックの類いは収録されていませんでしたから、ポーランド語詞で歌われているレアなオリジナル・ヴァージョンをお持ちの方、また英語詞版のみお持ちの方どちらにとっても今回の22年度リマスター&リイシュー盤(ジャケットはオリジナル・ポーランド語詞ヴァージョンを微調整)は見逃せない一枚でありましょう。

既に脱退してかなりの年数が経つが未だに本バンドに置いて人気ナンバーワンな初代シンガ-で、抜群のルックスを誇った歌姫 Emila Derkowska嬢の艶やかでチャーミングな美声が楽しめる魅力的な良作が、元々音の悪いアルバムではなかったが流石に24年前の音源なのでリマスター効果で音の輪郭がシャープでクリア、クッキリとボトムが持ち上げられてソリッドなパワフルさが増した仕上がりとなっており、今の耳で聴いても少しも見劣りせぬ艶やかで深みの際立つサウンドへブラッシュアップされている。

改めて本作に耳を傾けると、長らく90年代東欧シンフォを代表するバンドとして称されて来たのも頷ける東欧系ならではの冷ややかな透明感と憂い漂う寂寞感を備えた味わい深く壊れ物の様に繊細なそのサウンドは、ゆったりと美しい華やかなシンセとCAMELやMARILLIONを想わすロングトーンのデリケートでエモーショナルなギターワーク、どこかコケティッシュで無邪気、それでいて少し芝居がかった優し気な美声のポーランド語で歌われ、Steve Hackett在籍時代のGENESISを彷彿とさせる幻想的で優美な雰囲気と物悲しく淡い繊細なメロディを弾くキーボードワーク、叙情的で切ない美旋律の数々が楽曲の随所でまるで風に揺れる木漏れ日の如く優しく瞬いているようなイメージは前作通りなれど、デヴュー作よりポップさやポピュラリティが増したのと本作から新加入し以降バンド・サウンドのキーマンともなるフルート奏者 Jacek Zasadaの奏でるメロゥで軽やかな音色を筆頭に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーボエも加えて透明感と清涼感ある前作以上にブライトでファンタジックな美しいサウンドを聴かせる変化を見せていたのが分かります。

恐らくデヴュー作が好評を得たのでより大衆にアピールする方向性へプログレッシヴ&シンフォ系ロックなスタンスを保ったままサウンドを幾らか修正した結果だとは思うが、彼等の魅力である Emila Derkowska嬢の伸びやかな優しい美声と、随所でフィーチャーされる甘いストリングスや、主役級の大活躍を見せる清らかなフルート、そしてセンチメンタルな音色を終始紡ぎ続けるギターとキーボード、その全てが叙情的で素朴な美しい世界を構築しているQUIDAMをQUIDAMたらしめている要素は何一つ欠けていない。

やはり Emila Derkowska嬢の優し気だけれど、時にパワフル、時にチャーミング、時に芝居がかった密やかな、そしてカラフルで可憐な美声と、東欧ポーランド産バンドらしいアンビエントで物憂げな淡い叙情を香らせるセンチメンタルで冷ややかな美旋律、だけでなくポップスのようなキャッチーで軽快な歌メロや弾むブライト・サウンドが隠し味的にアルバム全体にまぶされる事によって凡百の東欧シンフォ・バンド作に無い多様性や多彩な音色で聴く者を楽しませてくれる点が大きかったのだと今更ながらに再確認(*´∀`*)

以降、どんどんパワフルなサウンドへ軸足を傾け、初期作で聴けたセンチメンタルで繊細な美旋律やファンタジックで涼やかな煌めくようなメロディが弱まっていき、バンドの顔でもあった Emila Derkowska嬢までも失い、大きくバンドサウンドが様変わりしてモダン・ダークネス路線へ接近して別バンド化してしまうのが少々残念ではありますケド…(´д⊂)

さて、本作の目玉であるボーナストラックですが、21年度リマスター&ボーナストラック追加盤『Quidam』と同様に初代シンガー Emila Derkowska (結婚したので今は Nazaruk姓)嬢を再びフィーチャーして本作収録の13分越えの軽やかなフルートが舞い踊る大曲『Pod Powiekq』を新録した2022年拡張ヴァージョンと言える仕上がり具合で、シンセ類の音数とサウンド・スケールが大きく上がり、合わせてギターのエモーショナルなタッチと鋭さも増し、少しだけスピーディでパワフルさがアップしたイメージへと再解釈されたサウンドへ生まれ変わっており、Emila Derkowska嬢のヴォーカルは以前の可憐さや朗らかさは薄れ、より大人の女性としての深みと成熟さを増した伸びやかな歌唱を情感タップリに聴かせる風へ様変わりしていて、長い年月を経てスケール感とパワフルさを増したバックのサウンドに少しも引けを取らぬ堂々としたその歌いっぷりは見事の一言に尽きるだろう。

オリジナルの可憐でチャーミングな瑞々しく若々しいヴォーカルも良かったが、今の時代と進化したバンドサウンドに合わせた芯が太く説得力の増した、それでいて力みのようなものが抜けた自然体の伸びやかな今の歌声も実に素晴らしく、どちらが気に入るかはお好み次第だろうが『どうせならリイシュー盤のオマケだけと言わず Emila Derkowska嬢はQUIDAMへ本格復帰して歌ってくれればいいのにぃ』と思ったファンは私だけでないだろう(w

基本的にフィメール・ヴォーカルが苦手な自分ではありますが本作が素晴らしい一枚なのを微塵も否定などしません、もし本作を耳にした事が無い方で東欧産女性ヴォーカル・シンフォ・ファンな方がいるならば是非に一度本作をチェックして購入を検討してみて下さい、きっと後悔しないと思いますよ?

Tracks Listing:
01. Przebudzenie
02. Moje Anioly
03. Morelowy Sen
04. Wesola
05. Beznogi Maly Ptak
06. Tza
07. Pod Powiekq
08. Przebudzenie
09. Jest Taki Samotny Dom
10. Pod Powiekq AD 2022

QUIDAM 1998 Line-up:
Emila Derkowska   (Lead & Backing Vocals、Cello)
Maciek Meller      (Guitars)
Zbyszek Florek    (Keyboards)
Jacek Zasada      (Flute)
Radek Scholl     (Bass Guitar)
RafaL Jermakow    (Drums、Percussion)




by malilion | 2023-06-01 09:01 | 音楽 | Trackback
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