JETT BLACK 「Night Flight」'85 カナダのオンタリオ州、州都トロントで1983年に結成され拠点として活動していた知る人ぞ知るマイナー・メロディアスHRバンドJETT BLACKの唯一作が、フランス BAD REPUTATIONレーベルから2022年度リマスター&初CD化リイシューされたのを、少々遅れてGETしたのでご紹介。 メンバー・クレジットを見れば分かる通り Joe Atkins (Lead Vocals、Guitars)、Mark Alex Atkins (Lead Guitars、Vocals)、Gary Atkins (Drums) のAtkins三兄弟を中心とするバンドで、1985年に地元のインディ・レーベル D.B.M. RecordsからリリースされたアナログLPは現在コレクターズ・アイテムとして高額取引されているレア盤扱いな一枚で、マニアにはその名が知られていたものの一般的な知名度は殆ど無いキーボード入り4人組メロディアスHRバンドであります。 オリジナル・メンバーはAtkins三兄弟の他、ベーシストに Mike Greger、キーボーディストに John Rymanの5人で、1984年にデモテープ『Night』を一本制作した後、Mike Gregerが抜け、D.B.M. Recordsと契約を結ぶとスタジオへベーシスト不在のまま入り、ベースパートはカナダのメロディアスHRバンドとして既に名を成しているRED RIDERの Jeff Jonesを招いてプレイ(マニアックなプリ・プロダクション段階のカセット・テープ音源『Night Visions』'84 もリリース済み)してもらい、彼等の唯一作『Night Flight」』が1985年に完成しリリースされる。 バッキング・ヴォーカルに同郷バンド STEEL RIVERの John Dudgeonも参加したりと名の知られたカナダ・ミュージシャン達のバックアップもあった彼等のデヴュー作は、80年代らしい煌びやかで華やかなシンセ・ワークとHR的なダイナミックでドライウ感あるギターとドラム・プレイの対比が印象的な、カナダらしい爽快感と透明感あるフックに富んだキャッチーな歌メロと仄かなハーモニー・コーラスが心地よい、インディ・バンドの処女作と思えぬ素晴らしい楽曲が散りばめられたメロディアスHR作に仕上がっていたのだが、そんな出来栄えとは裏腹に本作は全く話題にならず、アルバム完成後に Sandyなるベーシストを迎え入れ活動を継続するもカンダ・シーンでのみ知られる存在から脱却する事が叶わず、恐らくバブリーで華やかな空前の盛り上がりを見せる米国メジャー・シーンを隣国カナダから睨んでいただろうバンドだが、いつしかその姿を消してしまう… MAMA'S BOYSやUNCLE SAM、LITTERER、VICTORY GROUP、PRISM WRABIT、SIMON CHASE、そしてHYBRID ICEやRATHSKELLERといったバンドが思い浮かぶ、カナダらしいユーロ圏ロックの影響が伺える叙情味とキャッチーさのあるコンパクトでアレンジも練られた楽曲満載な、AORとポップ・ロックをMIXしてほんのりハード・タッチなメロディアス・サウンドへ仕上げた80年代らしいラジオフレンドリーな本作が何故か当時市場に受け入れられず話題にならなかったのか理解に苦しむが、LOVERBOYやHONEY MOON SUITEといった同時期の同郷バンド達と比較しても少しも遜色のないキーボードをを多用したフックあるメロディアスHRサウンドを聴かせるバンドであっただけに本作のみ残し呆気なく消滅してしまったのが惜しまれるバンドなのは間違いないだろう。 本作は新規リマスター音源と言う事なのですがオリジナル・テープの保存状態が宜しくなかったのか所々で処理しきれなかったノイズが聴き取れ、またオリジナル通りの10曲でボーナス・トラックの類いが追加収録されていないのも少々寂しくはありますが、まぁ幻のレア音源がオフィシャル・リイシューされただけでも喜ばしいのに違いないのでそこは我慢ですね。 美しくメロディアスな楽曲の殆どがアップテンポで若々しい勢いと瑞々しい感性に煌めき、華やかで軽やかな如何にも80年代作というデジタリー感丸出しのシンセがバッチリとフィーチャーされ、キャッチーなリフレインと爽快なコーラスは実に耳に馴染良く、そして軟弱になりそうなポップ寄りサウンドにちょっと荒っぽい感じのリード・ヴォーカルがワイルドさを付け足していて、上手い具合に各要素が相互に影響し合って本作を素晴らしいメロディアスHR作へと輝かせており、80年代メロディアス作のファンやメロハー・ファンな方は本作をチェックしても絶対に損はしないだろう、そんな隠れた名盤の一枚であります。 Tracklist: 01. Night Flight 02. Hold On 03. Bad News 04. Don't Knock The Kids 05. Stranger (In You) 06. Big City Lights 07. Chase The Dream 08. Don't Walk Away 09. Make Your Move 10. Breaking Away JETT BLACK Line-up: Joe Atkins (Lead Vocals、Guitars) Mark Alex Atkins (Guitars、Vocals) Gary Atkins (Drums、Percussion) John Rhyman (Keyboards) Guest Performers: Jeff Jones (Bass:RED RIDER) Don Dudgeon (Backup Vocals:STEEL RIVER) Norm Brown (Synthesizer Programming) Produced By Peter Akerboom & Joe Atkins Engineered by Peter Akerboom Recorded & mixed at Perceptions Recording Studio Executive Producer: Henry Akerboom
by malilion
| 2023-04-28 10:51
| 音楽
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