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英国フォーク&シンフォ・バンドKARNATAKAの元シンガー Hayley Griffithsのソロ・バンドのデヴュー作を遅れてご紹介。

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THE HAYLEY GRIFFITHS BAND 「Melanie」'23

KARNATAKAの3代目フィメール・ヴォーカリストだった Hayley Griffiths嬢が率いるソロ・バンドのデヴュー・アルバムをかなーり遅れてご紹介。

KARNATAKAの『Secrets Of Angels』'15 や『New Light Live In Concer』'12、『Secrets Of Angels - Live In Concert』'18 で、その美声を残している Hayley Griffiths嬢が、2019年にリリースされたソロ活動のLIVE盤『Live At ’Blok』やKARNATAKAでも活動を共にした Jimmy Pallagrosi (Drums)、Cagri Tozluoglu (Keyboards)やフランス人キーボーディスト Pat Sanders率いる多国籍ユーロ・シンフォ・バンドDRIFTING SUNでも活躍中の Mathieu Spaeter (Guitars)等のミュージシャン及びシーン関連人脈をバックに迎えた編成による彼女初となるリーダー・バンド作で、ゲストに元SPOCK'S BEARD、現BIG BIG TRAINの Nick D'Virgilioが招かれ7曲目『Dust To Gold』で何時もの様に抜群の歌唱力を披露している。

フィメール・ヴォーカルものが苦手な自分ではありますが、バックアップメンツがモロに自分が好む英国シンフォ系ミュージシャンばかりなのと、DRIFTING SUNのギタリスト Mathieu Spaeterが参加していたり、Nick D'Virgilioもゲストで招かれているとあっては無視出来ず、今頃に購入した次第であります。

間もなく新作をリリースするKARNATAKAは再びメンツを一新し、さらに新女性ヴォーカリストをフロントマンに迎えており、ここでも予想した通り Hayley Griffiths嬢は既にKARNATAKAを脱退済みながら、RIVERDANCEやLord Of The Danceなどで活躍しバンド加入前からソロ活動でも注目されソロ・アルバムも数枚リリースしている英国美声ヴォーカリストがいつまでもマイナー・バンドのKARNATAKAに留まるハズはないと思っていた割りに、意外に近年までバンドに留まりその歌声を聴かせLIVE盤を二枚も残してくれたのはファンにとっては嬉しい誤算ではあった事でしょう。

さて、注目の本作ですが、ソロ作やRIVERDANCEでも披露しているケルト風味も少し感じさせつつ、KARNATAKAを思わすシンフォ風なシンセも活躍する楽曲や、英国ゴシック風のダークなテイスト、そして彼女の伸びやかで華やかな歌声を主軸に据えたポップでキャッチーな歌い回しが楽しめる、総じて憂いある英国調の艶やかなメロディがフィーチャーされたヴォーカル・オリエンテッドな作風のロック作で、歌姫がリーダーのバンドにしてはキーボード・オーケストレーションと切れ味鋭いギターが織り成すバンドアンサンブルが際立った、主役の美声フィメール・ヴォーカリルと脇役のバックバンド的な関係ではなく、意外な程にしっかりとバンド作らしい一体感のある本格的なアルバムで驚かされます。

なんといっても注目は主役の Hayley Griffiths嬢のヴォーカルで、女性らしい艶やかさや繊細さ、そして可愛い歌声や一転深みあるスケール感と重厚感を感じさせる歌声などキャリアに裏打ちされた見事な歌いっぷりは流石の一言に尽き、本作の幅広い音楽性と伸び伸びとしたヴォーカル・アプローチを聴くに、Ian Jones率いるKARNATAKAでは彼女の実力の半分も発揮出来ていなかったのではないのでしょうか?

個人的にはシンフォ要素が少なくなった所謂定番のフィメール・ヴォーカルものらしい要素が大きくクローズアップされて聴こえるサウンドで苦痛に思える瞬間も少なくなかったのですが、これは個人的な趣味でしかないので彼女自身のヴォーカル・スキルに問題がある訳でもないし、単なる好みの問題であります。ハイ。

本作には彼女のデヴュー・ソロ作『Silver Screen』'10 収録曲『Separated By Glass』『Haunted』の再録ヴァージョンや先行シングルとしてデジタルリリースされた楽曲も含んでおり、KARNATAKA脱退後の彼女を追っていたファンにとってはやっとリリースされたか、という感が強いかもしれません。

又、同時期に Hayley Griffiths名義のソロ作『Far From Here』もリリースされており、そちらは元PALLASのキーボーディスト Mike Stobbieが全面的にバックアップしている美しいケルト・シンフォ作となっていて、かつてRIVERDANCEでもリード・ヴォーカルをとっていた彼女のルーツ的な作品と言えるので、神秘的でドリーミィー、そして艶やかな美声を堪能したい彼女のファンなら見逃せないだけでなくPALLASファンにとっても要チェックな一枚となっておりますのでご興味ある方は一度チェックしてみて下さい。

既に彼女のデヴュー・ソロ作『Silver Screen』は売り切れ状態で入手困難な事を見ても分かるように、本作も『Far From Here』もプレス数の少ない自主制作盤ですのでお求めの際はお早目にネ。

Track listing:
01.Broken Lullaby
02.Last Goodbye
03.Melanie
04.Perfect Lie
05.Made My Bed
06.Little Star
07.Dust To Gold

[Bonus Track]
08.Separated By Glass
09.Aurora
10.Haunted

THE HAYLEY GRIFFITHS BAND Line-up:
Hayley Griffiths      (Vocals)
Jimmy Pallagrosi      (Drums)、
Cagri Tozluoglu      (Keyboards & Orchestration)
Mathieu Spaeter      (Electric & Acoustic Guitars)
Jordan Brown        (Bass)

with:
Nick D'Virgilio      (Vocals)
Enrico Pinna        (Guitar)
Jim Clark         (Guitar)
Josh Bergson       (Bass)
Jean Prat         (Piano)


by malilion | 2023-04-25 18:59 | 音楽 | Trackback
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