FIRSTBORNE 「Pick Up The Torch」'19 米国マサチューセッツ州ボストンを拠点に活動する4人組USパワー・メタル・バンドの最新シングル『Prisoners Of The Present』が今年初めの1月にリリースされ、その音楽性の大幅な変化に今頃驚かされたので慌てて彼等の4年前の2ndをご紹介(汗 Mike Kerr BANDでリーダーの Mike Kerr と活動を共にしていたベーシスト Ven Thangarajにシンガー兼キーボーディストの Adrienne Cowan嬢が15年に合流しFIRSTBORNEが誕生し、バンドメンツを補充して16年にツインギター編成5人組バンドとして正式にFIRSTBORNEが始動する。 因みに、元 LAMB Of GODのドラマー Chris Adlerと現MEGADETHのベーシスト James LoMenzoをメンバーに持つ同名のスーパー・グループ的HMバンドFIRSTBORNEの方が知名度的にもメジャーでしょうけど、彼等はライオンがバンドイメージなインディUSバンドなのでお間違いないように。 デヴュー・アルバム『Riot』'16 では米国バンドらしからぬダークでウェットなメロディが聴けるユーロ圏メロディアスHMの影響大なサウンドで、Mike Kerrのテクニカルなギター・プレイにモロに初期Yngwie Malmsteen風なギター・フレーズが垣間見えたり、Adrienne Cowan嬢の女性にしてはパワフルでダーティな歌声や伸びやかな歌唱も明らかにユーロ圏HM風だったりと、USバンドとしてはかなり珍しく面白い作風(リーダー Mike Kerrの目指す方向性がユーロHMだったと思われる)でありました。 続く2nd『Pick Up The Torch』'19 制作前の18年にフロントマンが Ian Raposaへとチェンジしたが、アルバム冒頭の荘厳なシンセ・オーケストレーションとピロピロ奔放に弾きまくる官能的な速弾きギターが飛び出してくるイントロを聴けば即分る(w)、2ndの方向性も前作と同じく Mike Kerrのフラッシーなギター・プレイには相変わらずYngwie風なテイストが色濃く、全体的にはまだユーロ圏的なウェットなメロディとダークでミステリアスな印象が強く感じられる米国産バンドとしてはかなり毛色の違うキャッチーさとまとまりがイマイチなB級メロディアスHMサウンドとなっており、間違いなく米国クラブ・シーンで考えるとアンダーグラウンドでニッチな存在であっただろう。 Adrienne Cowan嬢を失いフィメールヴォーカル特有な滑らかさは失せたが、前任者以上に幅広い音域をカヴァーする Ian Raposaのヴォーカルは実にパワフルでハイトーンのシャウトからヘヴィなダミ声まで多彩な歌声を使い分ける器用さを魅せ、間違いなくバンドサウンドを一段上のレベルへ引き上げる起爆剤となっており、フィメールヴォーカル・ファンな方には申し訳ないが彼等の選択したヴォーカル・チェンジは大成功であったと言わざるを得ないのではないでしょうか? そんな彼等が最新シングル『Prisoners Of The Present』では一気にモダンさが増し、所謂メロハー的な伸びやかでブライトなハイトーン・ヴォーカルを Ian Raposaが聴かせ、バンドサウンドもアメリカ的なストレートでドライな爽快サウンドへ劇的な変化をしており、コンパクトな楽曲とクリスプなプレイ、そしてキャッチーな歌メロがフィーチャーされたフックあるメロディアスなサウンドは、最新作だけを聴けば全く別バンドのメロハー作と言ってもおかしくない仕上がりになっていて、ここまで一気に突き抜けてキャッチーなメロハー・サウンドへ進化するとは完全に予想外でありました。 やはり特筆すべきは楽曲のユーロ・テイストが一気に薄まったのとヴォーカル・アプローチが90度変化して滅茶苦茶キャッチーになったのが大きく、相変わらず Mike Kerrはピロピロと音数の多いギターをプレイするギター・オリエンテッドな作風に変りないものの、音楽性の変化に合わせてヘヴィさは幾分控え目な軽やかでメロディアスなフレーズを連発し、まるで最初からこの方向性だったかと思う程に、仄かにユーロテイスト香るメロディアスでフックある爽快サウンドの中で水を得た魚のように伸びやかで華麗な、けれど楽曲に即したコンパクトな速弾きプレイを披露しサウンドをカラフルに彩っていて、彼等をデヴューからフォローしていた熱心なメタルヘッドなファン程に度肝を抜かれる事でしょう(汗 ただ、デヴュー作『Riot』'16 リリース後にドラマーが David Oliveiraから Chris Dovas (ex:UNFLESH、WINDOWS RITE、SEVEN SPIRES、DOVAS、FIREWINGS、REDREIGNER)へチェンジしており、さらにバンド結成の動機でもあったフロントマン Adrienne Cowan嬢 (LIGHT AND SHADE、SEVEN SPIRES、SASCHA PAETH、MASTERS OF CEREMONY、HEART HEALER、WINDS OF PLAGUE)も抜けて米国人シンガー Ian Raposa (TWIST OF FATE、VEGAS AUTOMATIC、WITHOUT WARNING)へチェンジし、ツイン・ギターの片割れ Jimmy Oliveiraが脱退しシングル・ギターの4人編成へと変り、さらにさらに2nd『Pick Up The Torch』前にはドラマーが再び Chris Dovasからブラジル人ドラマー Joe Bertolaへチェンジと、ブラジル出身の米国在住ギタリストでリーダーの Mike Kerrとインド人ベーシストで今もインドのプログHMバンドHOSTILIANと掛け持ちしている Ven Thangarajの2人の中心メンバーは変化しないものの、その他のメンバーが流動的で他バンドと掛け持ちで複数バンドに参加するスタンスなのが如何にも今風ではありますが、それに加えて本バンドは多国籍なメンバー(フロントマン以外、全員米国在住の外国人)が在籍している事もあって音楽的なバックグラウンドも実に幅広く複雑ですから、今後もどのようなサウンドの進化や変化が起こるのか全く予想出来ません。 近い将来リリースされるであろう突き抜ける爽快さとドライなアメリカン・サウンドの、魅力的なフックと本当は技巧派ながら派手なテクは控えめな、今風なモダン・テイストやトレンドを織り交ぜつつギター・オリエンテッドでキャッチーなメメロディアス・サウンドが詰まったメロハー作となるであろう期待の3rdアルバムを心待ちにしつつ、彼等の活動が滞りなく続くのを願ってアルバム・リリースのインフォを待ちましょう。 Track List: 01. Intro 02. Home 03. Truth Of The Lion 04. Control 05. New Tomorrow 06. When Morning Breaks 07. My Choices 08. Breaking Chains 09. Riot 10. Firstbourne Heart 11. Pretend 12. For Now 13. Pick Up The Torch 14. Spinning Out 15. Symphony Of Subconscious 16. Rising Force (Yngwie J. Malmsteen Cover) FIRSTBORNE Line-up: Mike Kerr (Guitars) Ven Thangaraj (Bass) Joe Bertola (Drums) Ian Raposa (Vocals)
by malilion
| 2023-02-27 22:01
| 音楽
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