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北欧メロディアスHRの新星、REMEDYがデヴュー作を自主制作盤でリリース!!

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REMEDY 「Something That Your Eyes Won't See」'22

同名バンドが英米問わずここ日本にさえ(!?)数多く存在する世界中で大人気なバンド名なので“どのREMEDYだよ!?”と少々混乱される方も居るかもしれませんが、既に去年12月にリリースされ話題になっていた北欧スウェーデン産キーボード入り5人組メロディアスHRバンドの自主デヴュー盤を少々遅れて入手出来たのでご紹介。

2022年に北欧スウェーデンのストックホルムで、それまで主にセッションやツアー・メンバーとして活動していたギタリスト Roland "Rolli" Forsmanが中心となり、同郷スウェーデンのAORバンドWORK OF ARTのアルバム等に参加した事もあるキーボーディスト Jonas Oijvall等が結成したばかりの期待の新星で、本人達はソフィスティケイテッド&モダン・メロディック・ロック・バンドと自称しているが、80年代リスペクトな北欧メロディアス・ロックと聴いて連想する“まんま”なリリカルでウェットなメロディとキャッチーでフックあるコンパクトな楽曲が目白押しな爽快ロック・サウンドで、AOR HEAVEN亡き今、Frontiers RecordsかEscape Music辺りと契約を交わしそうな北欧バンドと言えばメロハー・ファンの諸兄なら即ご理解戴ける事と思う、そんな80年代リスペクトな北欧メロディアスHRサウンドを鳴らす新人バンドであります♪(*´∀`*)

既に各方面から本作を絶賛する声が相次いでおりますが、ズバリ言って80年代に活躍し近年再結成し今も活動中な同郷スウェーデンの大先輩HMバンドTREATのサウンドに洗練された現代風のモダン感覚を足して、TREATがデヴュー以降どんどんアメリカナイズされヘア・メタル路線へ進んだのに対して『もしあのままウェットで叙情香るマイナー調でダークなメロディとフックあるキャッチーな北欧メロハー路線を突き進んでいたならば?』というIF風サウンドで、エネルギッシュでハードエッヂなギターとミドルレンジ主体で伸びやかにフックあるメロディを歌い上げるキャッチーなヴーカルを主軸に据え、北欧お約束のキラキラしたキーボード・アレンジがまぶされた80年代を思わすレトロ風味と現代的モダン風味をブレンドした心に残るセンチメンタルなメロディが心地よい北欧メロディアスHRロックを演っていて、メロハーと言うには幾分かメタリック成分が控え目ながらソコがよりレトロタッチを際立たせており、巷にギンギンにキャッチーでポップなサウンドを響かせる北欧メロハー新人バンドが溢れる今現在に置いて逆に新鮮に聴こえるメロディアス・サウンドと言えましょう。

無論、彼等はTREATフォロワーではないので定番の分厚いハーモニー・ヴォーカルや派手なバッキング・コーラスは控え目だし、ガッチリと造り込まれた高密度メロハー・サウンドではない事もあって各楽器の鳴りに隙間がある、80年代北欧ハードポップな感触もありつつ現代メロハーなタッチもそこかしこで感じられ、TREATでは余り聴けぬ甘いストリングスがさり気なく活かされたアレンジや意外な宗教音楽風味もチラリと顔を出したりする、シンプルに聴こえてその実、欧米ポピュラー・ミュージック、メジャー・ロック、北欧HM等の要素を巧妙にブレンドした複雑な味わいの隠された、歌、演奏、楽曲、と良質なHRバンドに必要なモノを何一つ欠いていない、古くて新しい新世代北欧メロディアスHR作だ。

ヴォーカルをあくまで聴かせる事に注力している演奏スタイルなので特別テクニカルなパートやアグレッシヴなプレイが耳につくわけでもなく、どちらかと言えばミッドテンポ中心のオーソドックスな演奏スタイルなれど、過度にドラマチックになる訳でもなく、けれどメッセージはしっかりと伝わってくる、堅実にボトムを支えるリズム隊の仕事の上で軽やかに涼やかに北欧メロディアス・サウンドが紡がれ、楽曲第一で弾かれるソツなくエッジある活きの良いギター・プレイと絶妙なキーボードのアレンジ具合が思いの他に楽曲に深みと美しさを与えていて、無名の新人バンドの自主デヴュー作と思えぬ堂々とした王道メロディアス・サウンドと落ち着きっぷりに驚かされます。

ベテラン顔負けなバランス感覚の活かされた高いコンポーズ能力が示されたコンパクトな楽曲ばかりな事と、リードヴォーカルの Robert Van der Zwanは北欧お約束の線の細いハイトーンでない太くエモーショナルで甘い歌声な事や、80年代お約束の分厚くブライトなハーモニー・コーラスを多用しない事でTREAT路線サウンドを演ってもそう聴こえないのが大きなポイントで、聴き込む程にディープな北欧メロハー・ファンや80年代北欧メロディアスHMをこよなく愛する古参ファンは、彼等が真摯に情熱を込めて奏でる心の琴線を震わすリリカルでウェットな美旋律の数々に聴き惚れる事請け合いだ(*´ω`*)

その辺りが同業ミュージシャン達の心を掴んだのか、まだインディ・レーベルと契約もしていない新人バンドの自主デヴュー作にも関わらずミックス&マスターは同郷スウェーデンのメロハー・バンドECLIPSEを率いる Erik Martenssonが手掛け、CRY OF DAWN、FIND ME、ISSA等々の北欧アーティストのみならず多岐に渡るミュージシャンに楽曲を提供する Soren Kronqvistも本作の楽曲制作に絡んでいて、それだけを見ても彼等に対する周囲の注目度の高さが伺えます。

H.E.A.TやECLIPSE等の北欧メロハー・ファンなら迷わずお薦めなのは間違いなく、TREAT等の80年代北欧メロディアスHM好きな方にも是非チェックして欲しい、まだまだ粗削りな所もあるのが逆に未完の大器を思わせる、そんな注目度大な活きの良い期待の新人メロディアスHRバンドが北欧から登場だ!(゚∀゚)

Track listing:
01. Living On The Edge
02. I Wanna Have It All
03. Marilyn
04. Scream In Silence
05. Sunday At Nine
06. Stranger
07. Thunder In The Dark
08. My Devil Within
09. Sinners And Saints
10. Lifeline

REMEDY Line-up:
Robert Van der Zwan   (Lead Vocals、Guitars)
Roland "Rolli" Forsman   (Lead Guitars、Backing Vocals)
Jonas Oijvall        (Keyboards)
Andreas Passmark     (Bass)
Georg harnsten Egg     (Drums)

with:
Additional Keybords  Soren Kronqvist on tracks 01、02、04、06、08、09、10
Additional Keybords  Roland Forsman on tracks 03、05、07
Additional Keybords  Sven Wannas on track 04

P.S.
アルバムのメンバーフォトに4人しか映っていない事やヘルプでキーボーディストを複数招いて本作の演奏を任せている所を見るにアルバム制作時には4人組で、周囲の助言か本人達も必要性を強く感じたのか、アルバム完成後に鍵盤奏者が必須なバンドサウンドである事からキーボーディスト Jonas Oijvallが加入した、という流れではないかと予想します。

またヘルプでキーボードを弾いた3名は複数の楽曲のプロデュースも担っている事を見ると、楽曲制作にも協力する Soren Kronqvistも含めてハウスエンジニアかスタジオ専属のセッション・ミュージシャン達がバンドの自主制作デヴュー作録音時に色々と協力した、という事なのでしょう。

by malilion | 2023-02-06 16:20 | 音楽 | Trackback
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