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華麗なるヴァイオリン・シンフォサウンド再び!('(゚∀゚∩ SOLSTICEが新生第二弾をリリース!

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SOLSTICE 「Light Up」'23

80年代当時から高い評価を得て活動するベテランで、2020年に結成40周年を迎えた英国ネオ・プログレ&シンフォ・バンドSOLSTICEが、新編成となって初リリース作となる『Sia』'20 に続く第二弾作で7枚目のスタジオ・アルバムを3年ぶりにをリリースしたのをちょい遅れてGETしたのでご紹介。

このバンドはアルバム毎のインターバルが長く常にメンバーが流動的で、97年の3rdアルバム『Circles』から長らくフロントを務めて来た Emma Brown嬢に代わって新たに4代目フロントマンに Jess Holland嬢が前作から迎えられており、本作は珍しく(汗)前作と変わりないリーダーでギタリストの Andy Glassを筆頭にヴァイオリニスト、キーボーディストを含むいつもの6人編成な同一メンツでの制作となった模様だ。

ネオ・プログレ&シンフォ系バンドに一応カテゴライズされている本バンドなれど、エモーショナルなギターを主軸に据えたエレクトリック編成のバンドが奏でるサウンドに加え、フィドルやヴィオラが奏でる優雅で甘美なストリングスの音色をフィーチャーしつつ、メランコリックな英国フォーク&ドラッド色もブレンドした軽快でアコースティカルな味わいが定番のネオオ・プログレ・スタイルからは外れた、YES+RENAISSANCE風な華麗にしてドラマティックなケルティック・シンフォ・ロックサウンドをアルバム毎に赴きを変えつつ響かせるスタイルをデヴュー以来堅持してきており、本作でもソレは変っていない。

結成から40年以上経過したベテラン・バンドの鳴らすサウンドとは思えぬ程に爽快な感触と瑞々しさに輝いており、英国バンドらしい幻想的なメロディとタイトなリズム・セクションが構築する妙なテクニカルさは控えめでシンプルなバンド・アンサンブルの上を、北欧ポップスを思わせる朗らかさと透明感、そしてちょっと甘ったるい口調と朴訥でピュアな印象を感じさせる Jess Holland嬢の艶やかで清涼感ある美声が、舞い踊るように軽やかに、華やかに、伸び伸びと印象的なメロディを歌い上げ、英国バンド特有な気品ある繊細な叙情を帯びたモダンでスタイリッシュなサウンドを、その他のシンフォニック系バンドやフォーク&ドラッド系バンドと一味も二味も違う、親しみやすい雰囲気とオリジナリティ溢れる別格なレベルへと導いていて、Jess Holland嬢の歌声がバンドの新たな黄金期への扉を押し開いたのは間違いないだろう(*´ω`*)

トラッドやアコースティカルに成り過ぎる事なく、プログレらしいアグレッシブな楽曲展開やジャージィなテイストも織り込みつつ、シンプルなアレンジと静謐で美しいコーラスが描き出す美旋律の数々は正に言葉に成らぬ荘厳な美しさに溢れており、パッと聴き特に難しい事も斬新な事もしている様に聴こえぬのにも関わらず、新鮮な印象と眩い輝きを感じさせるそのセンチメンタルでエモーショナルな息吹に満ちたサウンドは、さすがかはベテランバンドの風格と英国人らしいプライドかヒシヒシと感じられ、伊達に40年以上もバンド活動を続けていないと納得させられる事しきりだ。

シンプルでメロディを第一に考えた演奏アプローチを保ちつつ、ケルティック・トラッド、ニューエイジ、フォーク、JAZZ、ポンプ、ブルーズ、カンタベリー、民族音楽、シンフォ要素等を内包した穏やかなアコースティック・サウンドと可憐なフィメール・ヴォーカル、そして控えめなキーボードが非常にメロウなサウンドを紡ぎ、艶やかなヴァイオリンの音色が絶妙な味わいと色合いを楽曲に加え、アルバム全体に引きの叙情感と仄かな寂寞感、そして木漏れ日が波打つ水面に跳ねるかの如き煌めきと瑞々しい感性、さらに絶妙なハーモニーが散りばめられ、それら全てが見事に溶け合って極上の美旋律を奏でている様は本当に優美で華麗で筆舌に尽くし難く、何故彼等が長きに渡って活動してこれたのかを雄弁に語っていると言えよう。

数多の音楽要素を意図的に奇妙に複雑に組み合わせて個性を生もうとしたり、最新のテクノロジーを活用してモダン・サウンドを構築しなくとも、特に技巧的でも真新しい楽器を導入したり聴き慣れぬ古楽器を鳴らさずとも、ミュージシャンのセンスと鍛え抜かれたアンサンブルのみで、シンプルでストレートなプレイでもここまで独創的で他で聴けぬ美旋律を奏でる事が可能なのだと彼等が証明してみせているのは本当に素晴らしいの一言だ(*´∀`*)

上品で静かな美しさを感じさせるジャケット・デザインも彼等のサウンドを上手く伝えていて実にナイスです♪ やっぱりジャケにはこだわって欲しいもんねぇ~

前作以上の美旋律の数々と Jess Holland嬢の瑞々しい軽やかな美声に本当にメロメロ(汗)でベタ褒めな始末ですが、英国的リリシズムと艶やかなヴァイオリンの音色がお好きな英国トラッド・ファンの方や、幻想的でメロディアスな英国シンフォ・サウンドがお好きな方に文句なくお薦めしたい一作であります。

Tracks Listing:
01. Light Up
02. Wongle No.9
03. Mount Ephraim
04. Run
05. Home
06. Bulbul Tarang

SOLSTICE Line-up:
Andy Glass     (Guitars、Vocals)
Jess Holland     (Vocals)
Steven McDaniel  (Keyboards)
Jenny Newman   (Fiddle、Viola)
Robin Phillips     (Bass)
Pete Hemsley   (Drums)



by malilion | 2023-02-03 16:18 | 音楽 | Trackback
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