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南米アルゼンチン産AOR&ポップ・バンドPERTICONEが早くも2ndアルバムをリリース!!

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PERTICONE 「Stuff In The Basement」'22

南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身で25年以上のキャリアを誇るシンガー兼ギタリスト Martin Perticoneが率いるAOR&ポップ・バンドPERTICONEが前作から1年ぶりに2ndアルバムをリリースしたのを少々遅れてGETしたのでご紹介。

南米エリアのツアー・マネージャーだった縁からかMr.BIGのシンガー Eric Martinをゲストに迎えた彼等の記念すべきデヴュー作はAOR Heavenからリリースされていたのですが、残念ながら最近AOR Heavenがレーベル閉鎖してしまったので本作はデンマークに拠点を置くメロディックHRレーベル Lions Pride Musicへ移籍してのリリースとなっております。

また前作でも Martin Perticoneの担当するヴォーカルとギター以外のパートの殆どを受け持っていた Edu Giardinaとデュオ体制ながら若干のゲスト・プレイヤー達も招くなんちゃってバンド状態でアルバムを制作していましたが、本作ではほぼ2人だけで制作する体制が強化されており、PERTICONEはバンドと言うより Martin Perticoneと Edu Giardinaのデュオ・ユニットと考えた方が適切なのが現状のようだ。

デヴュー作は、ちょっと Eric Martinッポイ雰囲気もある中音域メインのマイルドで甘い声質の Martin Perticoneの伸びやかな歌声を中心に据えたメロディアスでキャッチーな聴き易いクラシック・ロック風なAOR作品と言え、長いキャリアを誇るアーティストだけあって様々な音楽的影響が窺える、特にクラシック・ロックにAORを加えた作風や、南米の伝統を反映したワールド・ミュージック要素も薄目だがしっかりとフィーチャーされ、他にもサザンロック、ブルーズ、カントリーがミックスされているだけでなく、CHICAGOを始めとする80年代風の産業ロック・スタイルなサウンドも聴き取れるのが欧米バンド作と一味違って面白かった訳だが、本作ではよりキャッチーでメロディアスな要素とコンテンポラリー寄りなアプローチを強めた作風へサウンドの焦点がより搾られており、幅広い層に訴求する如何にもコンポーズの行き届いたプロフェッショナルな仕上がりとツボを心得たアレンジの活かされた心地よく親しみ易い雰囲気のメロディアス・ポップロック作となっている。

前作以上にハードエッジな感触はサウンドに殆ど無く、コンテンポラリー・ミュージックやポップス要素が強めな、しっかり創り込まれたコンパクトな楽曲とタイトで爽快な演奏も相まってアコースティカルなサウンドが終始心地よく響いており、溌剌さは無いが代わりに男の色気と哀愁が漂う Martin Perticoneのエモーショナルで味わい深いヴォーカルとキャッチーなコーラス、そしてとてもインディ・デュオ・ユニットのアルバムと思えぬ高レベルで魅力的な楽曲とクリアーなメロディが隙無く詰め込まれた上品なAOR風サウンドが、一陣の風のように軽やかに駆け抜けていくのが堪らない♪(*´ω`*)

かなり軽めなポップ・ロックサウンドだし、Martin Perticoneの爽快な歌声にも強烈な個性がある訳では無いですし、ギンギンに造り込まれたヒットチューンを目指したメロハー・サウンドでもないのは確かですから、パッと聴きインパクトが弱く、スピードやテク、ハードなサウンドに惹かれる若いリスナーには訴求力が弱いかもしれないが、軽くメジャー級の完成度を誇る楽曲とシンプルながら心を惹きつける美旋律の数々は、ポッと出の勢い任せな新人バンドには到底鳴らせぬナチュラルなサウンドと深い味わいなので『軟弱なAORやポップ・ロックなんて要らないな』と聴かずに居ると後々後悔をする事必至ですから、是非一度落ち着いて本作のサウンドに耳を傾けて欲しい、そんなメジャーからリリースされても少しもおかしくない素晴らしいプロデュース具合なアルバムであります。

ウーン、所々でフィーチャーされるサキスフォンのムーディーでアダルトな艶やかな響きが、前作以上にAOR的で落ち着いて洒落た大人の雰囲気を演出していてイイですねぇ~♪(´ヮ`)

隠し味にワールドミュージック的なテイストなんかもしっかりフィーチャーして、その他大勢の欧米のポップ・バンドと一味違うトコをさり気なくアピールしてたりしているなんかも嫌味無く心憎いですな。

幾分 Lions Pride Musicのカタログの中では浮いて聴こえる軽めなサウンドなアルバムではありますが、メロディアスでキャッチーなサウンドに目が無い美旋律愛好家な方や、アコースティカルで爽やかな、うっすらとカントリー風味もあるシンプルな鳴りのポップロックが好きな方なら文句無しにお薦めですし、勿論穏やかなサウンドを好むAORファンやアーバンなテイスト香る洗練されたTOTOやCHICAGO等のAORバンド・ファンにもお薦めな一枚ですので、ご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい。

Track List:
01.Blame It On Me
02.End Of The Line
03.Name Without A Face
04.Save Me Tonight
05.Game For Fools
06.Waiting
07.Let's Get Lost Tonight
08.What Went Wrong (I Wonder)
09.When It Rains
10.Falling (feat. Eduardo Giardina Giardina)

PERTICONE Line-up:
Martin Perticone   (Lead & Backing Vocals、Acoustic Guitars)
Edu Giardina    (Bass、Drums、Keyboards、Lead & Rhythm Guitars、Banjo、Programming、Backing Vocals)

with:
Ezequias Aquino   Saxophone
Guillermo Porro   Guitar Solo on Track 03、Mixed、Mastered
Emmanuel Lopez   Guitar Solo on Track 07
Will Wilde      Harmonica
Brad Harper     Pedal Steel Guitar
Lara Goi       Backing Vocals on Track 08


by malilion | 2023-01-31 17:40 | 音楽 | Trackback
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