RAVE IN FIRE 「Sons Of A Lie」'22 HMマニアの間で噂のスパニッシュ・メタル・バンドKRAMPの元ギタリスト Jonjo Negreteが2015年にドラマー Jaime "Jimi" Susannaと共に結成した4人組スペイン産正統派HMバンドによるデヴューEP『Chronicle Of A Timeless End』'18 に続く待望の1stフルレンス・アルバムを、去年の春頃にリリースされていたのに今頃ご紹介(汗 うっかり購入チャンスを逃して後手後手に回り、結局今頃にバンドから直接購入するハメ(汗)になってしまったのですが、意外にマーチャンダイズ担当なのか美貌のベーシスト Sara Carretero嬢と丁寧なメールで何度かやり取り出来たのが嬉しい誤算でした(*´ω`*) さて、インディ・レーベル The Fish FactoryからリリースのCD-R製デヴュ-EP『Chronicle Of A Timeless End』では男性ヴォーカリストを擁するツインギター5人編成バンドでしたが、このデヴュー・アルバム作制作前にメンバーチェンジが勃発した模様で、声質も歌い方もモロにJUDAS PRIESTの Rob Halfordフォロワーな Guillermo Alonso (ex:NEMESIS)に代わって同郷のゴシック・フォーク・メタルバンドDUENDELIRIUMで現在も男女ツイン・フロントマンを務めている強面な姐御シンガー Selene Perdiguero嬢が迎え入れられ、さらに相方ギタリストが抜けてシングルギター編成になり、ベーシストも Alejandro RamosからKRAMPにまだ在籍中の女性ベーシスト Sara Carretero嬢へチェンジと大幅なバンド編成改革が行われた様だ。 まぁ、元々ツインギター編成時代から相方ギタリストが安定しなかったりと Jonjo Negreteと Jaime "Jimi" Susannaの中心二人さえ居ればOKな状況だった模様なので別段メンバーチェンジに今さら驚く事もないのだろうが、モロにJUDAS PRIESTの影響を感じさせるオールドスクールでストレートな80年代正統派HMサウンドを演っていただけに Rob Halfordフォロワーな Guillermo Alonsoの離脱は痛手かと思ったら、後任の Selene Perdiguero嬢はフィメール・ヴォーカルと思えぬ堂々とした迫力ある歌いっぷりで、JUDAS PRIESTからWARLOCKへサウンド・イメージが変化したものの同じくブリティッシュHMの影響を感じさせるストレートな正統派HMサウンド(アルバム・イントロ聴けばJUDASの影響大とモロ分かり)を演っているので、デヴュー作で彼等の80年代ブリティッシュHMバンド群を思わせるいぶし銀サウンドが大好きだったメタルヘッドな諸兄も一安心な事だろう。 ちょっと掠れたハスキーでパワフルな歌声を聴かせる Selene Perdiguero嬢の、ガチムチの大柄な体躯の圧巻の佇まい(汗)と正統派HMバンドのフロントマンに相応しい伸びやかでストロング・スタイルなヴォーカルに加え、髭面の野郎ばかりでムサ苦しくイマイチ垢抜けなかったバンドのルックスを、新ベーシストの Sara Carretero嬢の美貌と共に華やかにする効果をもたらしていて、サウンド以上にバンドにメジャー感を与える大きな貢献しているように思えます。 DUENDELIRIUMでは仮装や仮面や中世風ドレスを身につけた芝居がかったステージングや大仰なサウンド、そして朗読するかの如きヴォーカルやオペラチックな歌唱スタイルなどを聴かせ、こんなにバリバリにパワフルでストロングなHMヴォーカルを Selene Perdiguero姐御が歌えるとは思えぬイメージだったのですが、ちょっと面倒臭いアプローチな歌唱をメインにしてるDUENDELIRIUMと違って思うがままにガナリ立てられる(汗)RAVE IN FIREでのヴォーカル・パフォーマンスの方が、心なしか活き活きして聴こえるのは私の気のせいですかね?(w ミッドテンポでどっしりヘヴィに攻めるJUDAS PRIESTスタイルのEPからスピーディーでよりメロディアスな要素とモダンなタッチが加味された本作、フィメール・ヴォーカルをフロントマンにした事でEPに無かったしなやかでクリーンな歌声が加わり、さらに Sara Carretero嬢のテクニカルでブイブイ唸りを上げるメロディアスなベースが大幅に楽曲の質を向上させ、些かマイナーでアンダーグラウンンドな臭いを漂わせていたEPのサウンドより一気にメジャー指向とブライトな感覚がサウンドに増しており、EPが好きだった方は70年代~80年代初期のJUDAS PRIESTのサウンドが好きだった方向けだが、本作は80年代中期以降から90年代に入る前のJUDAS PRIESTサウンドや80年代WARLOCKがお好きな方に嬉しいサウンドと言えるだろう。 やはりツイン・リードに拘っていたEPのギター・サウンドより、シングル・ギターになって自由奔放に弾きまくれる事が功を奏したのか、本作での Jonjo Negreteのギター・プレイの方が勢いを感じ、スピードとテクニックを兼ね備えた変幻自在な切れ味鋭いリフやアグレッシヴなバッキング、そして耳を惹きつけるグルーヴィーでメロディアスな叙情感あるフレーズ、さらにキメキメなギター・ソロパートの格好良さとスリリングさは格段に上がっており、その意味でも80年代中期以降のメジャー・シーンを席捲した派手なギター・ヒーロー的アプローチも楽しめる、80年代黄金期HMを愛するメタル・ファンなら誰でも破顔するだろう素晴らしい演奏を披露してくれている。 無論、RAVE IN FIREはJUDAS PRIESTとWARLOCKのコピー・フォロワー・バンドではないので、NWOBHMのバンド達やDOKKEN、DIO等の80年代メジャー・シーンを湧かしたオールドスクールな米国HMバンド群からも影響を受けたメタル・サウンドなのが垣間見えるだけでなく、やはり大きいのは Selene Perdiguero嬢が持ち込んでいるだろう朗らかでメジャー指向なキャッチーでフックある英詞のエモーショナルな歌メロで、バックの正統派80年代ブリティッシュHMサウンド要素と上手い具合にMIXされ、さらに現代風なモダンなタッチも随所で隠し味的に顔を出す事でRAVE IN FIREならではの2020年代に相応しいユーロ圏バンドらしいウェットな叙情が漂うダークでヘヴィな正統派HMサウンドを構築する事に成功しているように思えます。 強面だけど意外にセンチメンタルで穏やかな歌声も聴かせる Selene Perdiguero姐御のヴォーカルが思いの他にマイルドな感触や繊細なタッチ、そして引きの優美な叙情感を楽曲に生んで押し一辺倒でない様々な表情を楽曲に与えているのは、髭面な野郎だけのバンドには無いフィメール・ヴォーカルならではの強みでもあるだろう。 唯一苦言を呈するとしたら、サウンドは格好良いんだけどアルバム・ジャケのチープなセンスだけはいただけませんなぁ…もうちょいジャケット・デザインにも気を使って欲しいなぁ~(´д⊂) 残念な事に本作はポーランドのSkol Recordsのサブ・レーベルIron Oxide Recordsより500枚限定リリースとなっておりますので、DL嫌いの現物主義な方は早々に購入せねば入手不可能なレア・アイテムと化してしまう、インディ・バンド故のバジェット問題とは言え素晴らしい出来栄えのアルバムが多くの人々の手に行き渡らぬ状況は悲しい事ですネ… 音だけ聴くとスペイン産バンドとは思えぬブリティッシュ・テイストや80年代正統派欧米HMバンドを思わす英詞ヴォーカルやメロディアス・サウンドを鳴らすバンドなので、マニア受けで終らすには惜しいメジャー指向な格好良い彼等のHMサウンドを是非一度チェックしてみて下さい。 Tracks Listing: 01. Shout 02. Sons Of A Lie 03. Bite The Fire 04. The Healer 05. Never Forget 06. Set Me Free 07. Memories 08. The Last Night RAVE IN FIRE Line-up: Jonjo Negrete (Guitars) Jaime "Jimi" Susanna (Drums & Backing Vocals) Sara Carretero (Bass) Selene Perdiguero (Lead Vocals)
by malilion
| 2023-01-21 15:30
| 音楽
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