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南米ボリビアで活動するネオクラHMバンドGLORIUSが自主制作デヴュー・アルバムをリリース!

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GLORIUS 「Same」'22

チリの右上、ブラジルの左下に位置する、中南米ボリビアで2019年に結成され、去年末にデヴュー・アルバムをリリースしたキーボード入り5人組ネオ・クラシカルHMバンドをご紹介。

紹介しておきながらなんですが、スペイン語圏バンドと言う事やまだデヴュー作リリースしたてと言う事や、明らかに今の流行りでない古式ゆかしいネオクラHM路線なマイナー・インディ・バンドだからかネットを余り活用していないからなのかイマイチ情報が少なく、彼等の詳細なバイオ等不明であります(´д⊂)

シンフォニックに盛り上げるクラシカルなキーボードサウンド、音数多目に弾きまくる速弾きギター、線が細く女性かと間違うハイトーン・ヴォイスで物悲しい哀愁漂うスペイン語の歌詞を歌い上げるヴォーカル、スピーディーにドコドコとツーバスを連打するボトム、とまるで80年代後期にここ日本のインディ・シーンで蠢いていたB級ネオクラ・バンドの作品を聴いているような錯覚に陥るそのマイナー調でウェットな美旋律と華麗で繊細なメロディ、御多分に漏れず私も大好物です(w

楽曲によってサウンドの質にバラつきがあったりノイズが聴こえたりとインディ作なのでお世辞にも高品質なプロダクションの作品と言えませんが、その目指す方向やどんな欧米のバンドに影響を受けて来たのかモロ分り(イングヴェイ大好きなんだなぁ~)なクラシカルなメロディの洪水、軽やかに乱舞するシンセ・ワークとバッキングの野郎コーラスが弥が上にもエピカルな雰囲気を盛り上げる等々、Mandrake Root Recordsから80年代末期にリリースされていたアルバムと言われても疑わない日本人受けするモロ80年代風ネオクラHMサウンドが2022年にもなって新人バンドと共に欧米シーン以外から飛び出してくるなんて本当に嬉しくて堪りません♪

オリジナリティに些か問題がある事や、まだまだパワー不足でフラつく箇所が散見されるヴォーカル、今となっては古臭い音楽性や、少々単調なきらいのあるリズム・パターン、そしてどうしてもフォロワー感が強くインギー丸パクに聴こえるネオクラシカルな速弾きギターのフレーズと音色、と問題的を指摘しだしたら止まらないんですが、それでも尚彼等の演る今や天然記念物ばりにレアなネオクラHMサウンド、借り物臭い所ばかりだけど憎めないし時代遅れと分かっていてもやっぱり嫌いになれないんだよなぁ~♪

大仰なオーケストレーションと流暢でクラシカルな速弾きギターが絡み合い、マイナー調の物悲しいダークなメロディを高速で奏でながら徐々に昇天するが如き上昇感ある疾走パートなんて、ホント堪りませんから(゚∀゚)

さらなるメジャーな展開を狙うならスペイン語歌詞を英語に変え朴訥で調子っぱずれになるヴォーカル・スキルを今以上に向上させる事や、音楽性にもっとモダンなタッチを加えるなど改善策は色々あるのだろうが、そうなってしまうと彼等の80年代北欧ネオクラ風な持ち味がスポイルされてしまう恐れがあるので、おいそれとサウンドをいじる事は出来ないんでしょうねぇ…

逆に言えば流行りに毒された欧米の音楽シーンから距離があったからこそ、彼等のようなピュアなネオクラHMサウンドを演るバンドがこうして今頃に生まれてくる土壌がボリビアには残っていたとも言えるし、メジャーな展開を目論むのはバンド的に自殺行為に等しいのかもしれません。

フォローする訳じゃありませんが、ネオクラ宗家のイングヴェイに無い要素も幾らか彼等のサウンドからは感じ取れ、土地柄故かアルバム・イントロの荘厳なオーケストレーションや悲壮なバラード曲等にそこはかと宗教色が感じられるなど、北欧HMとも典型的ラテン的なサウンドとも、欧米のサウンドとも毛色の違う、南米HMバンドならではの独特な持ち味も彼等は十分に内包している事が伺える。

後はナイーブでメロディアス、それでいて儚げな独特の節のある歌メロが特有な味わいを醸し出しており、この辺りも欧米のメジャーシーンで活躍するバンド群ではなかなか聴けないポイントなので、そういった独自性を武器に更なる活躍を目指して欲しいものです。

次作ではもう少しプロダクションの向上と音楽性の幅が多少広がる事を願って、是非このまま堅実に活動を続けて欲しいものであります。

メロディアスでテクニカルな80年代ジャパメタやイングヴェイ系のネオクラシカルHM、そして70年代から続く様式美ロックがお好きな方にお薦めな期待の新バンドだ。

Tracks Listing:
01. Preludio
02. Sueno Perdido
03. El dragon
04. Tu Adios
05. Amor Eterno
06. Ilusion
07. Recuerda
08. Glorius

GLORIUS Line-up:
Dhussan   (Bass)
Cristian    (Drums)
John Pavlo  (Guitars)
Mauricio    (Orchestrations、Piano)
Victor     (Vocals)



by malilion | 2023-01-16 15:24 | 音楽 | Trackback
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