STREETLORE 「Same」'22 これまでに北イタリアのローカル・バンドで活動をして来た無名のイタリア人キーボーディスト Lorenzo "Lorerock" Navaを中心に結成されたAOR&メロディアス・ロック・プロジェクトによるデヴュー・アルバムがArt Of Melody Music & Burning Minds Music Groupよりリリースされたので即GET! 無名のイタリア人鍵盤奏者のメロディアス・ロック・ソロ作、というインフォだけなら特に興味も持たなかったのですが、彼の長年の友人で Burning Minds Music GroupのA&R兼プロデューサー Pierpaolo 'Zorro' Monti (RAINTIMES、SHINING LINE、ROOM EXPERIENCE、I.F.O.R.、CHARMING GRACE、etc...)に、長年書き貯めていた楽曲を聴かせた所その内容に興奮しソロ・アルバムの制作を提案、さらにArt Of Melody Musicの Alessandro Broggi (AIRBOUND)が共同プロデューサーとして名乗りを上げ、 Lorenzo "Lorerock" Navaを鍵盤奏者兼プロジェクト・リーダーとしてメロディック・ロック・アルバム制作が進行、とトントン拍子に事が進み、インディとは言え2つのイタリアン・レーベルを巻き込んでのメロハー・プロジェクトな上に豪華なゲスト・プレイヤーが多数参加、というリリース情報を目にしては無視出来る訳もなく、しかも関わっている人脈がモロにイタリアン・メロハー好きなら必ず一度は耳にした事のあるアーティスト達ばかりの名が連なっていると来ては俄然期待も高まると言うものです。 パンデミックの蔓延が全世界に影響を及ぼした為にアルバム制作は2021年後半まで延期され、さらに残念な事にプライベートな理由で Alessandro Broggiは本プロジェクトから手を引く事になってしまったのだが、代役でキーボーディスト、ギタリスト、ソングライターである Andrew Trabelsi (ALCHEMY)が共同プロデューサー兼プレイヤーとして参加しアルバムのクオリティ向上に一役買っている事もあって、イタリアン・メロディアスHRバンドALCHEMYファンな方にとっても本作は無視出来ない一枚だろう。 まずプロジェクトバンドのコア・メンバーだが、キーボードは当然リーダーの Lorenzo "Lorerock" Nava、ギタリストに Matteo Serra (ROOM EXPERIENCE、CHARMING GRACE、SOVVERSIVO)、ベーシストに Angelo Sasso (AIRBOUND)、ドラムスに Luca Ferraresi (ex:PERFECT VIEW、BULLRING)がそれぞれレーベル絡みでか起用され、さらに数曲で Andrew Trabelsiもギターを弾く(本職のキーボードでないのは Lorenzoのリーダー作なのを考慮して?)など Lorenzoに次いで本アルバムの制作に貢献している。 そして、注目のゲスト・シンガー達だが、Terry Brock (STRANGEWAYS、ex:GIANT、SLAMER、THE SIGN、etc...)、Sue Willets (DANTE FOX)、Davide“Dave Rox”Barbieri(WHEELS OF FIRE、ROOM EXPERIENCE、CHARMING GRACE、RAINTIMES、etc...)、Stefano Lionetti (LIONVILLE)、Dion Bayman(USソロ・シンガー)、Jesus Espin (91 SUITE、SECRET)、Eric Concas (SOUL SELLER)、Mario Percudani & Josh Zighetti (HUNGRYHEART)、Davide Gilardino (MINDFEELS、Michael Kratz)、Satin & Marcello Spera (ALCHEMY)等々と欧米のみならずイタリア・シーンで活躍するミュージシャン達が多数迎えられて全編に亘ってその伸びやかな美声を披露しており、Lorenzoの操る煌びやかな鍵盤サウンドを主軸に展開する如何にもユーロ圏ミュージシャン作と言うウェットな叙情香る甘いメロディとキャッチーな美旋律で埋め尽くされたマイナー・メロハー&AORの極上作だ。 しかし、WHEELS OF FIREのシンガー Davide“Dave Rox”Barbieri絡みで妙に各プレイヤーやプロデューサーが繋がってるのが如何にも狭いイタリアン・マイナーシーンのプロジェクト作って感じですなぁ~(w また、Ulrick Lonnqvist (CODE RED)、Hal Marabel (BAD HABIT)、Dion Bayman、Dave Zublena (SOUL SELLER、I.F.O.R.)、Alessandro Broggi (AIRBOUND) 、そして英国の小説家 Peter Darley (ALCHEMYのアルバム制作に歌詞で参加)等が作詞で参加し、サウンドだけでなく歌詞の面でもゲスト陣が十分なバックアップを行っており、メロハー・ファンにはそちらの方面からも注目作なのは間違いない。 同じ様な嗜好作で、英国メロハー専レーベル Escape Musicのオーナーの一人である Khalil Turkが主導するメロハー・プロジェクトの第一弾作TURKISH DELIGHTを最近ここでもご紹介しましたが、明らかにゲスト陣の豪華さやサウンドのヘヴィさ、モダンでシャープなプロダクション具合、そして総合的なサウンド・クオリティや楽曲の完成度はバジェットの関係もあってかTURKISH DELIGHTの方が上ながら、マイナー作にはマイナー作故の味わいやメジャーに成り切れぬ垢抜けないけれどもだからこそ魅力的に思えるB級サウンドを鳴らしている訳で、イタリア人ミュージシャン達を中心に編成され制作された本アルバムは、イタリアン・メロハーやイタリアン・AORファンである好事家な方々には堪らぬ一枚となる事は請け合いであります。 無名の鍵盤奏者 Lorenzo "Lorerock" Nava主導なソロ・プロジェクトバンド作だからかもしれないが、各パートを受け持つプレイヤーが楽し気にノンプレッシャーで自分達の得意な技やプレイを余裕を持って披露し快くアンサンブルしているし、80年代回帰のブライトでキャッチーなメロディアス・サウンドな事もあってシリアスな感触はサウンドから殆ど感じられないのも本作を聴いていて心地よいポイントの一つですね。 無論、明らかな問題点もない訳ではなく、多数のシンガーがその喉を披露し、演奏陣にもゲストを複数招くソロ・プロジェクト作につきものの、楽曲のイメージのバラつきや、ゲストプレイヤーの披露するスキルの差故か完成度や音楽性、サウンドの仕上がり具合に差異が感じられたりするが、違和感少なく本作をまとめあげているのは助っ人で急遽呼ばれた Andrew TrabelsiがALCHEMYではシンガーとギタリストが主導なバンドなので影に隠れがちだったが本作では意外な才能を発揮したからに他ならないでしょう。 意外に Andrew Trabelsiはバンド活動より裏方のプロデュース業とかの方が自身の才能をフルで活かせるのかもしれませんね。 イタリアン・メロハー・レーベルの旗手 Frontiers Recordsで八面六臂の活躍を見せる Alessandro Del Vecchioみたいに今後の活躍を期待したいものです(*´∀`*) TURKISH DELIGHTよりソフトで軽め、そして煌びやかなバランスに傾いている本作の方がAORに近いコンパクトなメロディアス・サウンドを展開しているので、高密度なハードエッヂ・サウンドが詰め込まれたスピーディでギンギンなメロハー作は少し耳に辛い、という方にこそ是非チェックしてみて欲しい、味わい深いメロディとクリアーなギター・サウンド、 そして瑞々しい美旋律が息づくクラッシックな80年代王道メロディアス・ロックに倣ったB級マイナー・AOR&メロハー作なのは間違いなく、メロディの美しさやキャッチーさでは決してメジャー作にも引けを取っていないのでプロジェクト作も見逃さないダイバードなメロハー・マニアな方に本作はお薦めです。 尚、CDのみにオフィシャル・ボーナス・トラックで11曲目『Gone』が収録されているので、音源マニアな方はDL購入だけでなく現物収集の方にも気を使わねばなりませんのでご注意を。 Track List: 01. Brothers 02. Friends In Time 03. Crossroad 04. The Storm 05. Aeglos 06. Only Wounds Remain 07. Say Farewell 08. Shelter From The Rain 09. Weaker Than Before 10. Shadows And Lies 11. Gone (CD Version Exclusive Track - Dion Bayman Cover) STREETLORE Line-Up: Lorenzo Nava (Keyboards) Andrew Trabelsi (Guitars on Tracks 2、4、5、6、11、Orchestra Arrangements、Outro Keyboards Solo on Track 7 & Additional Keyboards) Matteo Serra (Guitars on Tracks 1、3、7、8、9、10) Angelo Sasso (Bass) Luca Ferraresi (Drums) With Special Guests: Davide ”Dave Rox”Barbieri: Vocals on Track 1、Backing Vocals on Track 3 Satin: Vocals on Track 2 Terry Brock: Vocals on Track3 Davide Gilardino: Vocals on Track 4 Jesus Espin: Vocals on Track 5 Stefano Lionetti: Vocals on Track 6 Marcello Spera: Vocals on Track7、Backing Vocals on Track 3 Eric Concas: Vocals on Track 8 Josh Zighetti & Mario Percudani: Vocals on Track 9 Sue Willetts: Vocals on Track 10 Dion Bayman: Vocals on Track 11 With: Alessandro Broggi: Additional Keyboards Tim Manford: Guitar solo on Track 2 Luca Carlomagno: Guitar solo on Track 5 Roberto Barazzotto: Bass on Track 8
by malilion
| 2022-12-07 15:44
| 音楽
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