IZZ 「I Move - 20th Anniversary 2CD Edition -」'22 Tomと JohnのGalgano兄弟を中心に1996年に結成され米国東海岸拠点に活動する、後にツイン・フィメール・ヴォーカル、ツイン・ギター、ツイン・キーボード、ツイン・ドラムスという複数の楽器を操るメンバーが活躍する特異な編成が売りの一つになる、変拍子ビシバシ系テクニカル・モダン・プログレ・バンド(この時点では5人、最新作では7人編成)の、02年発表であった2ndアルバムのリリース20周年を記念しての2022年度リマスター&22年新録アコースティック・ヴァージョンを含むLIVE、未発曲、リミックス別ヴァージョン等の今回が初出となる計18曲70分越えなボーナスディスク付き豪華二枚組盤がリリースされたので即GET! 20周年記念盤というインフォを見てビックリ! 『活きの良い米国グレ・バンドがデヴューしたなぁ♪』なんて喜んでいたのが昨日の事のように思い出されますが、もうそんなに月日は経過していたんですなぁ…(´д`) …て言うか、なんで記念すべきデヴュー作のアニヴァーサリーはスルー?? もしかしてファンクラブ限定? LIVE会場のみでリリースとかされてたん? 誰か情報求ム!(汗 本作リリース時は、後にフロントマンとなる女性シンガー2人はゲスト扱いで数曲で歌うのみで、Tomと Johnの Galgano兄弟がまだリード・ヴォーカルを担当していた、今になって聴き返すとまだまだ垢抜けぬけれど若々しく瑞々しい歌声とハーモニー・コーラスが妙にくすぐったく、留まる事を知らぬ創造性と才気走る若き感性が火花散らす良作でありました。 やはり2人のドラマーが在籍し、Greg DiMiceliが伝統的なドラムキットを演奏する傍ら、Brian Coralianも伝統的なアコースティックドラムと無数の電子パーカッション機器を組み合わせたキットを演奏しているのがユニークなバンド・サウンドの独創性を高めるのに大きく役立っているのは確かだろう。 後に Tomと JohnのGalgano兄弟のガールフレンド(後に結婚)である、Laura Meade嬢と Anmarie Byrnes嬢をツイン・ヴォーカルに迎えてバンド編成が固まってからの現在のサウンドと初期のサウンドスタイルは色々と異なってはいるし、個人的には古典的プログレなサウンドが各所で感じられる初期作の方が分かり易く好みなんですが、まぁ彼等はそのデヴュー作からして既に未来を見据えたサウンドを創作し始めていたので、そこは個人的な我儘でしかありませんね。 この後、妙にダークでヘヴィ、アンニュイでミステリアスな雰囲気を振り撒く、より内省的で音楽性も複雑に拡散したモダン・サウンドへ接近していく事になるのですが、この時点ではまだまだ70年代末期から脈々と受け継がれてきたグロプレ・サウンドをベースに、型破りな意表をつく技巧的な曲構成や、メロディアスな甘口ヴォーカルと穏やかで爽快なコーラス、繊細な音使いとワイルドでアクレッシヴなパワー押し、リズム・ループ等の新機軸も取り入れつつユーロ圏バンドを思わすウェットで叙情的なメロディや朴訥としたフォーキーなタッチ、そして優美なピアノや上品でクラシカルなストリングスも顔を出す、様々な音楽要素やハイテクを何気なく披露しながらも、妙にキャッチーでポップな心地よい美旋律がカラフルに展開する、アメリカ産バンドらしい抜けの良い爽快サウンドで煽情的にガンガン畳みかけ、一転サラリとモダンな音色も鳴り響かせていた気鋭の新USプログ・バンドだったんですよね(*´ω`*) 一聴するとUSバンドらいメロディアスなヴォーカルに耳を奪われがちなのですが、最先端のモダン・プログレの中に70年代の偉大な先達達からの影響がチラホラ伺え、YESやGENESIS等の影響が随所で垣間見える所なんかも大御所バンドの遺産を新人バンドがしっかり受け継いでいるのが分かって当時一人でニヤついて喜んでいたものです(w 4th『The Darkened Room』頃から徐々に初期作で聴けた分かり易いキャッチーさやポップさや、アコースティカルな叙情風味が美しく動と静のスリリングな対比も見事な、けれど親しみやすく爽やかでリリカルなメロディとメランコリックで洗練されたヴォーカル物のような印象は後退して音楽性の更なる高まりと難解度を増して行くのですが、この時はまだモダン・プログレのみならず、テクニカル系、メロハー系ファンな方にもお薦め出来ちゃう、現代アメリカン・プログレ・サウンドの最先端をひた走っていたクリエイティビティにあふれる快作な印象は今聴いても変わりません。 実際、本作がリスナーに好評だった事を受けてIZZはProgWest、ProgDay、CalProg、Rogue Fest、Rites Of Spring Festival(RoSfest)、そして権威あるNortheast Art Rock Festival(NEARfest)など、アメリカ国内の主要なフェスティバルにあらかた出演し尽くすアクティヴさを見せ、プログレ・メディアから彼等への注目度が俄然上がった訳ですから、20周年記念盤である本作は彼等にとって初期の活動を代表する記念すべき成功作と言っても過言ではないのでしょう。 元々、自主レーベルである Doone Recordsよりリリースされたインディ作で特に音が悪い印象を覚えるアルバムでもなかった(自主盤にしては良い音な方だが結局は自主盤レベルであった)のですが、流石に20年のテクノロジーの進化の恩恵を本リマスター作はバッチリ受けており、高音域のクリアーさが増し、各楽器のサウンドが明瞭に分離され、ボトム・サウンドに芯の強さと太さが与えられていて今の耳で聴いても全く見劣りしない、ダイナミックレンジが広く、より透明感が増し、雰囲気があって生々しい躍動感とエネルギーが伝わってくるように仕上がっておりますので、リマスター版、リミックス版との差異をオリジナル盤をお持ちの方も是非チェックしてみて欲しいですね。 さて、今回のリマスター盤リイシューで一番の目玉がボーナスディスク収録の未発音源の数々なのですが、今となっては珍しい初期の女性シンガーを含まない編成でのLIVE音源や、フィメール・ヴォーカルをフューチャーした新曲(次作用の曲?)、エモーショナルなヴォーカルと美しく叙情的なピアノだけで浪々と歌い上げられる本収録曲の22年新録アコースティック・ヴァージョン、Tom Galganoの奏でる美しくもアバンギャルドな展開も聴かせるピアノ独創曲、JAZZっぽい展開も楽しめるジャム音源、スタジオLIVE、NEARfestでのLIVE音源、メチャクチャにポップなコーラスが複雑に乱舞する未発表曲などなど、LIVE収録の詳しいクレジットが無いのでいつどこで収録された音源かは判然としませんが、分厚く華やかなコーラスもバッチリ再現しているLIVE音源はファンならば見逃せぬ音源を多数収録した本記念盤はファンは確実に入手せねばなりませんし、ファンでない方でモダンでテクニカル、そしてキャッチーなUSプログレ作がお好みな方なら是非一度チェックしても決して損はしない大ヴォリュームな一作に仕上がっておりますヨ♪ ('(゚∀゚∩ Disc 1 Remastered Original Album 01. Spinnin’Round 02. I Move 03. Weak Little Lad 04. I Already Know 05. I Wanna Win 06. All The New 07. Star Evil Gnoma Su 08. Another Door 09. Something True 10. Believe 11. Knight Of Nights 12. The Mists of Dalriada 13. Oh, How It's Great! 14. Coming Like Light 15. Light From Your Eyes Disc 2 Bonus Tracks 01. I Move (Live) 02. From Here I Can See the Horizon (Alternate Version) 03. Weak Little Lad (2022 Acoustic Version) 04. I Already Know (2022 Acoustic Version) 05. I Wanna Win (2022 Acoustic Version) 06. Piano Themes (2022) 07. Confusion Jam (Live) 08. Spinnin’Round (Live in Studio) 09. SEGS (OG Intro) 10. Star Evil Gnoma Su (Live At NEARfest Early Mix) 11. Another Door ? 12. With The World Away (Previously Unreleased) 13. Lifecycle (Previously Unreleased) 14. I'll Never Finish Loving You (Previously Unreleased) 15. Oh How It's Great (Alternate Mix) 16. Coming Like Light (Live) 17. What Are We Playing ? 18. Oh, That One / Mists Of Dalriada (Live) IZZ Line-up: Paul Bremner (Electric & Acoustic Guitars) Tom Galgano (Keyboards、Lead & Backing Vocals、Producer) John Galgano (Bass、Electric & Acoustic Guitars、Lead & Backing Vocals) Brian Coralian (Drum Programming、Electric & Acoustic Percussion) Greg DiMiceli (Acoustic Percussion) With: Anmarie Byrnes (Vocals Track on 9) Laura Meade (Vocals Track on 10) Paige Rigilano (Spoken Word Track on 5) Abigail Lombino (Spoken Word Track on 14) Aaron Lofaro (Strings Cnductor Track on 11)
by malilion
| 2022-11-29 14:10
| 音楽
|
Trackback
|
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 more... お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||