FIREPHOENIX 「Same」'22 南ドイツのGoppingenを拠点に活動する、19年結成とまだまだ若いツイン・ギター編成4人組パワー・メタル・バンドが22年11月に記念すべきデヴュー・アルバムをリリースしたのでご紹介。 ツインリードの甘美な絡みと官能的なハーモニーにJUDAS PRIESTの影響が色濃く伺え、トラディショナル・メタルを思わせるようなオールドスクールな雰囲気も持っているが、勿論ドイツ産バンドなのでジャーマンHMらしいハードエッヂやダークでヘヴィな鈍色の高速リフ押しな所や、疾走するタイトでアグレッシヴなリズム隊の上で華麗に舞い踊る流麗な速弾きソロ等、パワー・メタルらしいスピード要素やユーロ圏バンドらしい叙情感ある音使いも絡めたマッチョなサウンドで妙な小細工無しに真向勝負している点に好感が持てる、アンダーグラウンドで活躍するB級メタル好きな諸兄にはちょっとポップに感じるメロディアスな楽曲が多いかもしれないけど、恐らくメタル・ヘッドな兄貴達に好意的に受け入れられる作風ではないだろうか? JUDASと聞いて80年代系HM好きな方々は期待するかもしれないが、全体的にパワメタ・サウンドが支配的なアルバムなものの、所々でアグレッシヴなスラッシュ・メタルじみた高速シュレッドが聴けたり、グラム・ロックを思わせるレイドバックしたポップな歌メロや分厚く野太い野郎のシンガロングも飛び出してくる、80年代や90年代の売れ線に完全に背を向けたアンダーグラウンド・シーンで蠢いていたマイナーB級HMバンドに共通な甘味の無いメロディや歌メロで全く無い点や、所々でモダンなタッチが隠しきれていない(笑)、若いバンドらしく多くの要素を巧みに貪欲に組み込んだ新世代HMサウンドを鳴らしているので、ゴリゴリの80年代懐古路線なピュア正統派HMという捉え方をすると逆にガッカリするだろう。 パワフルでソリッドなドラミング、存在を主張するメロディアスでブイブイ唸りを上げるベース・サウンド、そしてそれら疾走する轟音に負けず劣らず幅広い音域でパワフルな熱唱を繰り広げるフロントマン Andre Grabnerがややもすると単調で代わり映えしなくなりがちな鈍色パワメタ・サウンドに多彩な表現力とフックある歌メロで様々な表情と雰囲気をもたらしており、Nick Bergerと Andre Grabnerが奏でる流麗な速弾きソロやエッヂあるヘヴィなバッキング、クールでクリスプなリフ、争うように絡み合うツイン・リードの調べ等々の素晴らしい仕事ぶりには目を見張るものがあって、まだまだA級とはとても呼べないし特別独創的なサウンドとも言えないけれども、このグラムとパワメタをMIXしてオールドスクールな雰囲気をまぶした様なストレートなユーロ・スピードHMサウンドをなかなか気に入っております(*´ω`*) 実際、パワメタのカテゴリーに入るサウンドではあるものの、かなりサウンドやリズム・アプローチは幅広く様々な要素が感じられ、ミドルレンジ主体でハイトーンも無理なく出せる Andre Grabnerの粗削りながら歌心あるヴォーカル・パフォーマンスのお陰で最後まで飽きることなく一気にアルバムを聴き通せるなど、新人バンドのデヴュー作にしてはなかなかの仕上がり具合だと思いますから。 バンドを結成したもののパンデミックの関係もあって自由に活動出来なかったり、アルバムに先駆けシングルをリリースしたけれども十分なフォローアップが叶わずと、まだまだ小規模会場でオープニングアクトとしてしか演奏を披露出来ぬ新人バンドではありますが、堅実なバックの演奏陣の努力と、フロントマン Andre Grabnerがもたらすポップなフィーリングある歌メロやシンガロング、分厚いコーラスは必ずLIVE映えすると思いますので、シングル・ヒットが飛び出してチャートを駆け上がるタイプのバンドではありませんが、このまま地道にインディ・ベースで活動を続けて欲しいですね。 しかし、HAMMERFALLのフロントマン Joacim Cansにちょっと似た風貌の Andre Grabnerが如何にもメタル・ミュージシャンという出で立ちと長い髪を振り乱す格好良い仕草で頑張ってアピールしてる後ろで、サラリーマンみたいな髪型とブッ太い縁の眼鏡をかけた小太りの Kevin Beiswengerがのっそのっそとベースを刻んでるプロモPVの絵面はいただけませんなぁ…(汗 もうちょっとどうにかならんかったんか…芋臭過ぎるだろ…この辺りが如何にもB級HMバンドなんだよなぁ~…orz Tracklist: 01. Firephoenix 02. Children Of Utopia 03. Pissing Against The Wind 04. Nobody's Puppet 05. Dirtbag Discoteque 06. Living The Dream 07. 7 Deadly Sins 08. Devil's Darling 09. Lost In Life 10. Boys Will Be Boys FIREPHOENIX Line-up: Andre Grabner (Lead Vocals、Lead & Rhythm Guitar) Nick Berger (Lead Guitars ex:STORMWITCH、ex:PALACE) Kevin Beiswenger (Bass) Luca Kubis (Drums)
by malilion
| 2022-11-21 11:25
| 音楽
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