BENNIE AND THE JETS 「Lipstick and Leather」'22 後にERIC MARTIN BAND、さらにその後にTESLAへ加入するドラマー Troy Lucckettaと、後にALDO NOVAの2nd『Subject』'83 に参加、さらにその後にUFOのアルバム『Covenant』'20 に加入する Kevin Carlson(UFOにはキーボーディストとして)が在籍していた、シンガー Benjamin LaBarge率いる米国産HRバンドが80年代初期にフルアルバムをレコーディングしていたものの約40年に渡りお蔵入りだった幻の音源を、新興マイナー・メロディアス・バンド発掘レーベル Metallic Blue Recordsがオリジナル・マスターテープから22年度DIGITAL REMASTERしてオフィシャル初CD化したのを即GET! さらに嬉しい事にデモやアルバム本編と楽曲かぶりの無いLIVE音源等のボーナストラックも多数追加されており、80年代当時に彼等のデモテープ音源等を入手していたマニアックなリスナーにとっても嬉しいリマスター音源となっております♪ (*´∀`*) 本バンド名は、1973年にリリースされた Elton Johnのアルバム収録曲で74年にシングルカットされ全米一位を記録した、女性ロック・バンドをイメージした楽曲からいただいたもので、イーストベイを中心に活動するミュージシャンの中では Benjamin LaBargeの名は知られていたが一般的には無名であったものの、有名曲と同一バンド名に恥じぬ80年代USメロディアスHRファンには堪らない、キャッチーなコーラスとフックあるメロディの数々に彩られたコンパクトでラジオフレンドリー、ポップさとハードさを共存させた魅力的なアメリカン・ハード・チューン満載な一枚となっている。 Troy LucckettaがERIC MARTIN BANDに引き抜かれたのがバンド崩壊の引き金(実際は、有能故に各方面から声をかけられ出たり入ったりを繰り返していた Larry Litzの存在がバンドメンツを常に不安定にしていた)になったらしいが、もしその脱退劇がなければきっとBENNIE AND THE JETSはメジャー・レーベルと契約して間違いなく成功を収めていただろう、そう思える溌剌とした瑞々しいエネルギー、そしてメロディーのセンスと高い作曲能力を秘めていたのは、後に彼等の楽曲『Liptick And Leather』と『Do You Know』を、Y&Tが1984年の名盤『In Rock We Trust』でリメイクして収録し、全米46位、全英33位を記録、そして45万枚を売り上げた事からも伺い知れるだろう。 面白いのは『In Rock We Trust』の作曲の際、Y&Tのオリジナル・セカンド・ギタリストの Joey Alvesがスタジオに Benjamin LaBargeが自身のバンドの為に作曲した曲の入ったカセットを持ち込んでいたら、たまたまそのカセットの楽曲がY&Tのメンバーの耳に止まり、『Liptick And Leather』と『Do You Know』の権利をY&Tが半分買取って、共同作曲家となって多少の変更を加え、自分達風なスタイルにアレンジをし、歌詞をいじり、新しいパートを追加し、仕上げた結果、アルバムはヒットし、広く Benjamin LaBargeとBENNIE AND THE JETSの存在がメロディアス愛好家の間で知られるようになったものの、その時既にBENNIE AND THE JETSは存在していなかったという、タイミングがもう少し早ければ最大級のプロモーションになってバンドがブレイクしていたかもしれない、そんな一連の流れに運命の悪戯を感じます…(T~T) しかも、ハイスクール時代にアマチュア・バンドだったY&Tと Benjamin LaBargeが当時率いていたバンドNO THANKSがコンテストで腕を競い、結局Y&Tが優勝したりと、当時から顔馴染だったY&Tが Benjamin LaBargeの楽曲を取り上げるなんて、ベイエリアで活動するミュージシャン同士お互いを認め合っていたんですね。 ボーナストラックのLIVE音源は、80年代米国クラブ・シーンの空気を封じ込めた、これから何か大きな事が起こりそうな不穏でワクワクするピリついた雰囲気(Benjamin LaBargeはVAN HALENの豪快サウンドに多大な影響を受けたらしい)や若さ故の向こう見ずで勢い任せな破天荒プレイの数々や、Troy Lucckettaの若かりし頃のタイトでパワフルなプレイ、そして聴衆との熱いやり取りを楽しめ、大変興味深く懐かしい…本当に、今から思えば、なんて楽しく恵まれた時代だったのか… Y&Tに取り上げられた楽曲だけでなく、如何にもアメリカンHRという Benjamin LaBargeのカラッとドライで少しハスキーな所もある妙な癖の無い朗らかで伸びやかな歌声がマッチする、メロディアス・ロックだけでなくロックン・ロール風の縦ノリ・サウンドやアコースティカルなテイストなど幅広い音楽性を披露しつつ、ストレートで豪快、そしてキャッチーで爽快感ある、まさに80年代初期のアメリカン・ロック・サウンドが真空パックされていたような今では聴く事が叶わぬ歯切れ良く屈託ないピュアな80年代HRチューンばかりですので、勿論A級のメジャー・クラスなサウンドとも極上のメロハー作などとは決して言えませんが、40数年前の未発音源と思えぬ多彩な音楽性とリマスターで今の耳にも耐えるレベルへブラッシュ・アップされたノスタルジックな感覚を呼び覚ます本作を是非USメロディアス愛好家な方々には一度チェックしてみて欲しいですね。 今回のリイシューで唯一残念なのは、バンドを率いていた Benjamin LaBargeが2020年3月に他界してしまっているので、彼は自身の創作した楽曲が晴れて陽の目を見て全世界へ向けて放たれたのを永遠に知る時が訪れない事くらいでしょうか…(´д⊂) Track List: 01. Lipstick And Leather 02. Say It Again (Tonight) 03. New York ? L.A. 04. Do You Know 05. Me And My Car 06. Boys With Bangs 07. Moi Emmoretta 08. Midnight Rendezvous 09. Baby's On The Run 10. Jet Aged Baby 11. The Way It Goes (Demo) 12. Reveries (Live) 13. You're So Easy (Live) 14. Give It A Try (Live) 15. Let Me Drive (Live) 16. Two To Tango (Live) 17. Get Up And Dance (Live) 18. Goodbye Goodbye (Live) BENNIE AND THE JETS Line-up: Benjamin LaBarge (Lead Vocals) Larry Litz (Lead Guitar、Backing Vocals) Kevin Carlson (Rhythm Guitar、Backing Vocals) Keith Bellino (Bass、Backing Vocals) Troy Lucketta (Drums、Backing Vocals)
by malilion
| 2022-11-12 17:26
| 音楽
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