FEMME FATALE 「Femme Fatale +4」'22 現在は80年代ガールズHMバンドの代名詞 VIXENの三代目リードシンガーとしての活動を終えて鋭意ソロ活動中な、金髪で細身の巨乳と来て外人好みの真っ赤な厚い唇と、完全にターゲットが誰なのか良く分かる(笑)PV映えするそのゴージャスな美貌と凹凸激しいグラマラスなボディが男性諸氏の視線を釘付けにした、正にMTVにピッタリの艶やかなフロントマン Lorraine Lewis嬢を擁する米国ニューメキシコ州アルバカーキで結成されロサンゼルスを拠点に活動したツインギター5人組ヘア・メタル・バンドが88年に残したデヴュー作にボーナストラック4曲を追加収録し、マニア御用達レーベル 英国ROCK CANDY RECORDSよりSpecial Deluxe Collector's EditionのREMASTERED & RELOADEDシリーズとして24Bit DIGITAL REMASTERでリイシューされたので即GET! 今年、廉価版で既に本作は国内盤リイシューが成されおりますが当時の古いマスターを使用した残念盤(涙)ですし、元々メジャー・リリース音源ですので音は良かったのですが、今回のリマスター効果によってボトムが強化され、全体にシャープな今の耳で聴いても少しも見劣りする事無いサウンドに仕上がっていますので、やはり22年度最新リマスターが施された上にボートラまで追加されているとあってはオリジナル盤をお持ちの方でも本作を購入せざるを得ないでしょう。 同名のアイドル・グループ(!?)が国内で現在活動中で『意味分かっててそのユニット名なの!?』と少々困惑させられますが、本バンドは“姐御”という呼ばれ方がピッタリなルックスの紅一点 Lorraine Lewis嬢がバンドイメージそのものといった、彼女の派手な出で立ちや Pat Benatarを彷彿させるハスキーで艶っぽくドスの効いたパワフルなヴォーカルばかりが注目されがちなものの、コンパクトでキャッチー、程良くメロディアスでシャープなその楽曲にはWINGERに近いモダンな感触が有り、バックを固めるメンバーもイケメン揃いな上、プロデュースもPOISONやL.A. GUNSを手掛けてきた Jim Faraciと、メジャーのMCA Records から発売された(かなりバンドに期待して複数のプロデューサーやヒットメイカーの作曲家を招いた)のも頷けるゴージャスなヴィジュアルと手堅いサウンド・プロダクションからなるバブリーで華やかな80年代末期に相応しいポップで洗練されたメロディアス・サウンドを鳴らすアメリカンHMバンドでありました。 フィメール・ヴォーカルが苦手な私でも Lorraine Lewis嬢のハスキーなのにパワフルで伸びやかなその個性的なヴォーカルは大変に魅力的で、さらに端正なルックスのフロントマンが所狭しとステージで派手なアクションで聴衆の視線を集める訳ですし、当時リードトラックがMTVでバンバン流れていたのを目にしていた事もあってか如何にもガールズHMバンド(厳密にはフロントだけだけど)と言ったイメージな本バンドの事は良く覚えており、その艶やかなイメージとは裏腹にかなり堅実な作りでメロディアス・ハードの隠れた名盤と当時からメロディアス・ロック愛好家の間では囁かれ続けていたのですが、90年代グランジー・ブームの煽りを喰らって短命だったのとメジャーからのリリースだった為か今までリイシューされずメロハー・マニア泣かせな一枚だったんですよね (´∀`) まぁ、どうしても Lorraine嬢の華やかでグラマラスなイメージが先行(メディアの露出もシングルのジャケも彼女のセクシー・ショットばかりではなぁ…)してしまい、短命だったバンド解散後も残されたアルバムの内容について余り語られない、グラム・メタル的イメージと鳴らすサウンドがズレていたのが不運であったと今なら言える彼等、いっその事もっとエロティックなヴィジュアル・イメージ通り、LAメタルっぽくダーティでナスティでストレートなチープサウンド(汗)だったらまんまで分かり易かったのかもしれません、が出て来たのは程々にメタリックなエッジも有りキャッチーなハードポップ一歩手前の意外に本格的ハード・サウンドがガッツリ造り込まれていて…ウーン… ブックレットで語られている回想では、メジャー・レーベルと契約したが故のレコード会社からのプレッシャーやシングルヒットを求める独善的な行為、果てはイメージ戦略として Lorraine Lewis嬢と Lita Fordをライバル関係に勝手にして売り出そうとしたりと、アルバム内容だけでなく色々な所でチグハグなボタンの掛け違いが蓄積していったのも少なからず活動に陰を落としたのと無関係ではなかった模様ですね。 苦労せずヒットしようという魂胆で有名曲のカヴァー(一曲だけ昔からカヴァーしていた曲を収録しているが)や80年代HMバンド定番のありがちなアコースティック・バラード、そして安直に Lorraine嬢のお色気に頼ったB級ガールズ・バンドお得意の猥雑で能天気なSEX&BITCH的歌詞など見当たらない、意外にも本格志向なメタル・サウンドの楽曲の数々は今聴いても80年代ヘア・メタルの一角としてしっかり楽しめる一定水準以上の佳作を残した惜しいバンドだったと改めて気づかされます。 惜しむらくは時代の巡りが悪かったのと、チャートアクションを狙って最大公約数を狙ったヘア・メタルな内容のアルバムに個性が些か足りなかったのが彼等が今一つパッとせず短命に消えた最大の理由だったのでは、と今ならば冷静に分析出来ますね。 因みに本作リリース以降、残念ながらメジャー契約を失いバンドは消滅、2013年に突如として Lorraine嬢を中心に全メンバーを有名バンドにも参加する女性メンバー達に入れ替えて復活し活動を続けたものの目立った続報は無く、2016年に1989年から1990年の間に録音されお蔵入りとなっていたセカンド・アルバム用未発音源『One More For The Road』をリリースし、Lorraine嬢のVIXEN加入をもって19年に再結成FEMME FATALEは再び消滅してしまった模様だ… 今回追加されたボ-ナストラックの一部は2nd用音源集の方にも収録されていますが、インディ・リリースだった『One More For The Road』より本作の方が音は当然良いですし、初お目見えの音源はオルガンも活かされたヘヴィでダークな風味もありつつ、Lorraine嬢の歌の上手さが引き立つジャージーで黒っぽいフィーリングとコーラスが効いたサウンドやワイルドなギターが鳴り響くデモ音源と思しき音源など、2ndに向け試行錯誤していたのが伺えるなかなかの聴きモノですのでオリジナル盤をお持ちの方も是非今回追加されたボートラをチェックしてみて下さい。 Lorraine Lewis嬢は、最初のFEMME FATALE消滅後、ソロ・アルバムを数枚リリースしそこそこ好評を博していたが13年にFEMME FATALEを再結成するもメジャーでの活動は叶わず、初めにも述べましたが三度目の復活を果たしたVIXENの三代目リードシンガーとして2019年からステージでそのパフォーマンスとパワフルな歌声を聴衆の前で披露して、既にオリジナル・メンバーがドラマーの Roxy Dora Petruccのみとなってしまったバンドの新たな個性としてその存在感を増していたのだが、ソロ活動での成功の夢は捨て難く、現在はVIXENを脱退しソロ活動を再び始めている模様だ。 Track List: 01. Waiting For The Big One 02. Falling In And Out Of Love 03. My Baby's Gun 04. Back in Your Arms Again 05. Rebel 06. Fortune And Fame 07. Touch And Go 08. If 09. Heat The Fire 10. Cradle's Rockin' Bonus Tracks 11. It's A Long Way To The Top (If You Wanna Rock And Roll) 12. Chains 13. Lady In Waiting 14. Till It's Shot FEMME FATALE Line-up: Lorraine Lewis (Lead & Backing Vocals) Mazzi Rawd (Guitars、Keyboards、Backing Vocals) Bill D'Angelo (Lead Guitars) Rick Rael (Bass、Backing Vocals) Bobby Murray (Drums、Backing Vocals)
by malilion
| 2022-10-13 20:38
| 音楽
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