HIT THE GROUND RUNNIN' 「Lost In Translation」'22 米国ペンシルベニア州デラウェア郡で1985年に結成され、州最大の都市フィラデルフィアを拠点に活動したキーボード入り5人組みメロディアス・ロックバンドの4thアルバムが前作『HGR』'07 から15年ぶりに再結成第一弾作をリリースしたのを即GET! 先頃、89年リリースのデヴュー・アルバム『Sudden Impact』がドイツのAOR HEAVENよりDigitally Remastered & Bonus Tracks9曲追加での豪華二枚組仕様で500枚限定リイシューされて話題を呼んだが、あのリイシューは久しぶりとなる新譜の誘い水だったんですかね?(w 断続的な活動(3rd以降は解散状態であったが21年に再結成)な事もあってかアルバム毎のインターバルが有り過ぎる彼等、そんな状況にも関わらず主要メンツはいつも同じなものの毎度ドラマーだけが入れ替わり立ち替わりしいた訳ですが、本作はオリジナルメンツでのリユニオン作と言う事もあってオリジナル・ドラマーの Jimmy Katoneが復帰(初代と四代目ドラマー、って事になる)しており、デヴュー作のリイシューでベテラン・バンドの彼等を知ったファンには嬉しいトピックかもしれない。 さて、久しぶりに届けられた本作の収録曲の殆どは、元々は無料配信でのオリジナル・リリースの為にデモ・フォーマットで録音されたが、結局フリー・デリバリー・リリースは実現されず、タイトル『失われた大切なモノ、伝わらなかった大切なモノ』や元々デモ音源だったという事が示すように、これまで30年以上に渡って創作して来たが未発表だった楽曲の数々をリユニオンしたメンバーで新たにスタジオ録音した作品となっている。 もしもリユニオンが成されていなければ、発表する場を失ったHIT THE GROUND RUNNIN'の楽曲の数々がデモ状態でネットで公開されていたのかと思うと、そのデモ音源ヴァージョンの方も聴いてみたかった気がしますが、こうして再結成して活動を継続し、正式にアルバムをリリースしてくれた方が嬉しいので、何はともあれ良かったです(゚∀゚) 本作を聴いて思うのは、HR、AOR、プログレッシヴ・ロック、ポップス等の様々なジャンルの要素を取り入れ、折衷的に再構築し独自のスタイルへと昇華したキャッチーでポップなメロディアス・サウンドを1980年代半ばにシーンに登場した初期の頃から披露していたユニークなバンドであったのだな、と再確認させてくれました。 経年で音域の狭まったちょっと調子っパズレなリードヴォーカルや、些か纏まりの無いコーラスや、悪目立ちするエレピやキーボードサンプル等を聴くにオリジナルのデモテイクをかなり含んでいる音源のように思え、最近の造り込まれた高密度なスタジオ作業でカッチリと構築されたサウンドのアルバムと対極にある、緩くリラックスしたフリーな感覚と自然な鳴りが活かされたある意味でルーズで赤裸々な作風の本作は、デヴュー作以降のドポップでキャッチーな音を期待している向きにはちょっと違和感というか肩透かしを喰らったような感覚を覚えるかもしれませんが、なにせメンバー全員もういい歳したお爺ちゃん手前な歳(汗)な訳で、今時の新人メロハー・バンドみたいなギンギンに硬質なハードでキャッチーなサウンドを期待するのがハナから間違っていると諦めましょう、そこは(汗 逆に実にナチュラルでゆる~くリラックスした、本当に楽しそうにメンバーが演奏しているのが分る、やたらヘヴィでもスピーディでも、妙に甘ったるくもお涙頂戴でも無い、変に気負った所の無い、80年代から脈々と続く普遍的で奇をてらった所の無いストレートなUSロック・サウンドを今こうして聴かせてくれるバンドは希少な存在でしょうから、コレはコレでノスタルジックな味わいを楽しめて有りなんだと思います。 意外だったのが、経年の影響でか Blair Ramseyの歌声がデヴュー間もない頃のMOTLEY CRUEの Vince Neilっポイ歌声に聴こえる時があって驚かされました(w 所々で初期のプログレっぽい雰囲気のある華やかで派手なキーボードプレイや、対抗するようにハードでフラッシーなプレイを披露するワイルドなギターが絡んで疾走する楽曲なども飛び出してきて、初期から保ち続けているちょっとユーロ・テイストある繊細でアコースティカルなサウンドや透明感あるポップなサウンドなども楽しめる、如何にもこれまでの歴史を総括するような楽曲と幅広い作風の一枚と言え、2021年11月26日に先行リリースされたファースト・シングル『Simply Because』がちょっとダークでミッドテンポの彼等にしてはヘヴィな今までにないサウンドだったので来るべき新譜の方向性を危惧していましたが、30年の集大成とも言える本作はHIT THE GROUND RUNNIN'の過去と現在を図らずも体現している一作となった模様だ。 次があるのかどうか今の時点では定かではありませんが、マイナーな存在のまま限られた人の耳だけにしか彼等の音楽が届かないのは勿体ないので、是非活動中で注目の集まる今に2ndも3rdもリマスター&リイシューして、より多くの聴衆にその素晴らしいサウンドを認知させて欲しいものです。 Track List: 01. Hall Of Doors 02. Overnite Sensation 30. Bad Reputation 04. Simply Because 05. Second Chance 06. I'll Wake You Up 07. Baby You 08. Win Or Lose 09. Rockin' Again 10. Long And Lonely Time 11. Cry For The Children HIT THE GROUND RUNNIN' Line-up: Blair Ramsey (Lead Vocals) Alan Augunas (Guitar、Backing Vocals) Paul Piccaro (Bass、Backing Vocals) Jimmy Katone (Drums、Backing Vocals) Rob Kay (Keyboards、Backing Vocals)
by malilion
| 2022-06-13 21:12
| 音楽
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