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L.A産ハードポップ・バンドFIRE TIGERが2年ぶりに4thアルバムをリリース!


L.A産ハードポップ・バンドFIRE TIGERが2年ぶりに4thアルバムをリリース!_c0072376_11460860.jpgFIRE TIGER 「Covers」'22

ロサンゼルスを拠点とする紅一点フロントウーマンの美女 Tiffany Alkouri嬢率いるキーボード入り5人組ハードポップ・バンドによる4thアルバムが前作から2年ぶりに毎度恒例の自主盤でリリースされたのでご紹介。

14年にデヴュー作『Energy』をリリースした当時から80年代指向のキャッチーなハードポップ・サウンドに乗せ Tiffany Alkouri嬢の滑らかで艶やか、そして如何にも80年代風のキュートで派手なルックスに似合わぬパワフルな歌声を主軸に据えた楽曲が詰まった秀作を自主盤でコツコツとリリースし続けて来た彼等ですが、デヴュー時からリズム隊がイマイチ安定しなかったもののここ数作でやっとメンツが安定しさらなる飛躍が期待出来るかと思いきや再びベーシストがチェンジしており、常にメロディアスでキャッチーなそのサウンドはマイナーなメロハー作も追いかけるマニアックなリスナーのみならずメジャー志向なロック・ファンにも十分訴求するレベルながら、どうにも今一つメジャーに成り切れぬのはその辺りのメンバーが不安定な状況も関係しているのかもしれませんね。

Tiffany Alkouri嬢の声質や歌唱スタイルから、Pat Benatar、Patty Smyth、Laura Branigan、Cher、Cyndi Lauper、Bonnie Tylerといった偉大な女性シンガー達やSTARSHIP、QUARTERFLASH等のフィメール・シンガーがフロントマンなバンドの影響が伺え、80年代を賑わした歌姫のキャッチーでメロディアスなアルバムが好みな方ならきっと気に入るのが本バンドと言えましょう。

さて、2年振りとなる本作はタイトル通りのカヴァー・アルバムで、これまで彼等が披露してきた80年代指向な楽曲の元ネタ的な80年代にヒットチャートを賑わした有名曲の数々を取り上げており、基本的に原曲に忠実なアレンジのカヴァー集となっておりますが、それぞれの楽曲にFIRE TIGERならではのテイストやタッチが付け加えられているのは言うまでもありません。

最初に飛び出して来るのは80年代ヘア・メタルの代名詞的楽曲のみならず、北欧スウェーデンのHMバンド EUROPEを一躍メインストリームに押し上げた超有名曲『The Final Countdown』で、Tiffany Alkouri嬢の相棒でありバンドの頭脳的存在でもあるキーボーディスト James Ramseyが高らかに“アノ”有名キーボード・フレーズを奏でているのが微笑ましい(w

オリジナルに比べるとより柔和でポップス風の伸びやかな歌唱を Tiff Alkouri嬢が披露し、ワミーバーやキーボードの新たなエフェクトがいくつか加えられ微アレンジが成されたハードポップ風に仕上げられている。

続いては、現在続編が公開中で80年代ハリウッド映画の代表作『TOP GUN』の挿入歌で Kenny Logginsが歌う『Danger Zone』。

オリジナルよりエッジの増したワイルドなギターが目立つミックスと、オリジナルに無いグリッターなキーボード・フレーズが付け加えられた興味深いアレンジが成されていて、なんともグッドタイミングなチョイス(映画公開の話題にあやかろうと画策した?)であります。

次も80年代映画挿入歌で『FLASHDANCE』のサウンドトラック収録の Michael Sembelloが歌う『Maniac』で、オリジナルをかなりリスペクトしながらも独自のアレンジを加え、よりギターサウンドが前に出たミックスと如何にも80年代風のフラッシーなギターソロが楽しめるが、ちょっとリズムパターンが打ち込み風で安っポイのが頂けない。

続いても80年代を代表する映画曲で『NEVER ENDING STORY』の主題歌でLimahlが歌った『Never Ending Story』を取り上げており、逆に本曲は打ち込み風なデジタリーでリズミックなエレクトロニック・ベースにクリーンでダンサブルなギターが乗っているのが楽曲にマッチしているだけでなくTiff Alkouri嬢の甘く力強い歌声を際立たせる効果を生み出しており、カヴァー・アレンジが上手くいった好例だろう。

次はちょっと毛色を変え、イタリアを拠点として活動したBALTIMORAが84年のデヴュー・シングル『Tarzan Boy』で、単調なリズムパターンやサビの余りにも安っぽいシンガロングに苦笑させられるが、93年に『Teenage Mutant Ninja Turtles III』のサウンドトラックに用いられて再び注目され、以降は様々なアーティスト達によってカヴァーされている有名曲という事から映画挿入歌と捉えて彼等も取り上げたものと思われる。

80年代の陽気で楽しいアメリカを象徴するようなお馴染みの米国TVドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』のテーマソング『Theme From Beverly Hills 90210』が続いて登場し、デジタリーなリズムとリリカルなピアノの響きの対比が美しいインスト曲に仕上げられており、箸休め的な小曲だ。

続いても本アルバムの指向から言うと少々毛色が違うUSパンク・バンドTHE RAMONESが76年にリリースした『Blitzkrieg Pop』で、一連の80年代楽曲のチョイスともズレてはいるが、83年の米国ロード・コメディ映画『National Lampoons Vacation』のサウンドトラックに使用された事からFIRE TIGER的には80年代映画の挿入歌と捉えて取り上げたものと思われる。

オリジナルがパンク曲なので彼等からすると少々異質なチョイスではあるが、頑張ってオリジナルの持つシンセポップ風のパンクっポイ感覚やエッジをサウンドで表現しようと挑んでいるのが分る、が余り良い仕上がりにはならなかったように思え…まぁ、こればっかりはミス・チョイスとしか言えませんね。

次もパンク繋がりでか“NYのSEX PISTOLS”の異名を取りカルト的な人気を誇ったが77年に解散したTHE DEAD BOYSの『Ain't It Fun』を取り上げている。

90年代はじめにGUNS N' ROSESがTHE DEAD BOYSの楽曲をカヴァーして再び注目を集めた事はあったが、どうして彼等が80年代曲でもないこの楽曲を選んだのかちょっと理由が分からない(汗

FIRE TIGERのヴァージョンではオリジナルの雰囲気を残しつつ、よりポジティブな活気と独特の雰囲気あるサウンドに仕上げているように思う…が、彼等の良さをスポイルしているように思えるのが残念だ。

続いては元ティーンアイドルにして女優、SSW、現在はカントリー系シンガーとなっている超メジャー・アーティスト Miley Cyrusの『Slide Away』を取り上げており、パンクよりもさすがにカントリー系の方がまだバンド的にこなせる音楽だったのだろう、オリジナルより幾分カントリーに近いアプローチで歌われ、伸びやかで繊細な Tiffany Alkouri嬢の歌声が見事に映えるアレンジが成されている。

アルバムの最後を飾るのは、言わずとしれた英国メジャー・ロックバンド COLDPLAYの『Yellow』を取り上げており、90年代末期の楽曲を一連の流れを無視してどうして最後にチョイスしたのかは謎だが、まぁ超有名曲だから、という理由でかもしれないし、良いアレンジが浮かんだので試してみたかった、という事かもしれない。

FIRE TIGERはオリジナルのお涙頂戴な楽曲を80年代風の雰囲気にリアレンシし、よりポップでエネルギッシュイな作風に仕上げている。

FIRE TIGERのアルバムを聴くといつも80年代を思い起こさせられるのだが、今回のカヴァー・アルバムは特にノスタルジックな想いが強くなる作品で、FIRE TIGERファンは勿論、黄金の80年代を懐かしみたい方や80年代のビルボード・チャートを賑わした珠玉の名曲を楽しみたい方、そして勿論オリジナル曲のアーティストのファンな方にもお薦めな一作なのは間違いありませんのでご興味あるようでしたら一度チェックしてみてください。

Tracklist:
01. The Final Countdown (EUROPE)
02. Danger Zone (Kenny Loggins)
03. Maniac (Michael Sembello)
04. Never Ending Story (Limahl)
05. Tarzan Boy (BALTIMORA)
06. Theme From Beverly Hills 90210
07. Blitzkrieg Bop (THE RAMONES)
08. Ain't It Fun (THE DEAD BOYS)
09. Slide Away (Miley Cyrus)
10. Yellow (COLDPLAY)

FIRE TIGER
Tiffany Alkouri    (Lead Vocals、Tambourine)
James Ramsey   (keyboards、Guitars)
Jordan Lucas    (Lead Guitars)
Tyler Renga     (Bass)
Lorenzo Meynardi  (Drums)



by malilion | 2022-06-06 11:51 | 音楽 | Trackback
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