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英国メロディック・シンフォニック・ロックの旗手 PENDRAGONの40周年記念ボックス・セットのみ収録だった旧譜REMIX & REMASTERED新ヴァージョン盤が初の単独リリース!!

英国メロディック・シンフォニック・ロックの旗手 PENDRAGONの40周年記念ボックス・セットのみ収録だった旧譜REMIX & REMASTERED新ヴァージョン盤が初の単独リリース!!_c0072376_11462759.jpgPENDRAGON 「The World 2019」'19

英国ポンプ&シンフォ系シーンを代表するバンドの一つで、結成40年とアルバムデビュー35年目を数年前に祝った Nick Barrett (Lead Vocals、Guitars)率いるベテラン・バンドが19年にリリースした、40周年記念ボックス・セット『The First 40 Years』にのみに収録されていた旧作の完全REMIX & REMASTEREDヴァージョン盤が待望の単独リリースとなったので即GET!

『The First 40 Years』はDisc1~3にイギリス、オランダ、スイスのみで18年に行われた40周年記念公演から、設立メンバー Julian Baker (Guitars、Vocals)と初期メンバー Nigel Harris (Drums)をゲストに迎えた公演の模様等を収録したLIVE盤、Disc4、5に Clive Nolan (Keyboards)とフィリピン人現ドラマー Jan Vincent Velazco (Drums、Percussion)による新録ドラム、キーボード・パートも一部追加した新規テイク差し替えの上さらにREMIX & REMASTEREDを施して新たな息吹を吹き込んだ91年の6th『The World』と14年の13th『Men Who Climb Mountains』を収録した5枚組で、最初期から現在まで販促及びプライヴェート写真等各種貴重写真を掲載した32Pカラー・ブックレットを添付したハード・カヴァー仕様冊子に収納した豪華装丁盤でありました。

今回、待望の単品発売となったのは91年作『The World』のニュー・ヴァージョン『The World 2019』で、6月末には続いて『Men Who Climb Mountains 2019』も国内盤にてリリースされるのでBOXセットを買い逃したPENDRAGONファンにとってはこの上ない朗報だろう(゚∀゚)

改めて本作を聴き返しても、その如何にも英国メロディック・ロック作というウェットな美旋律と壮大にして流麗なシンフォニック・サウンドは今も少しも色褪せる事なく素晴らしく、Nick Barrettのヘッポコなヴォーカルも気にならぬくらいアレンジが練り込まれた展開の妙が活きた楽曲とリリカルでメランコリックでありながら瑞々しいメロディが随所で甘美な輝きを放つ、以降に彼等が突き進む事になるファンタジックなだけでないしなやかでメロディアスなシンフォニック路線を確立させた記念碑的傑作だ。

さて目玉の新録パートについてだが、元々随分と前の音源なのでリマスターと新録ドラム・パートの効果は大きく、全く印象が変わるくらいリズム隊はソリッドでヘヴィなパンチあるサウンドで迫って来るように聴こえ、柔和な水彩画のようだったオリジナル・サウンドが彩度が思い切り上がって陰影が強まった今風のシンフォロック・サウンドにメリハリが強調されたお色直しがなされており、元々は裏方的で Nick Barrettの弾くギターの引き立て役のようだった Clive Nolanの操るキーボード・サウンドもかなりがクッキリと前に押し出されてシンフォニックな新録パートも合わせてググッと自己主張する風にミックスし直された本作は、オリジナル盤を聴き込んでいた人程にまるで別のアルバムを聴かされているような新鮮な驚きを覚えるに違いない。

70年代のバンド群のバックカタログやIQの旧譜リマスター・リリースの時にも起こったオリジナル音源の劣化問題がPENDRAGONにも発生した様で、今回その一番の被害を受けたのがキーボード・パートだった模様ですが、怪我の功名と言いましょうかお陰でかなりのキーボード・サウンドが新録追加されて楽曲の印象がより劇的でシンフォニックに変わっており、旧譜音源に興味なくマスター保存にも無頓着(汗)だった Nick Barrettですが流石にマズイと思ったのか、それともトータルで俯瞰的に見てちょっと鍵盤系サウンドが地味だな、と思ったのか以前の目立たなかったキーボード・パートに Clive Nolanと共にソロやバッキングを含めて細かな新録音源を追加してくれて、結果的に単なるリマスター作に収まらぬ一作に仕上がったのは幸運だったと言えるのではないでしょうか?

またジャケットの方もオリジナルと少し違う色味で今回は仕上げられており、デザインは変わらぬものの以前の彩度クッキリな濃い色味のジャケが淡い如何にもファンタジックな色味へ変更されており、この辺りの是非は好みによるだろうが個人的にはオリジナル盤の方が彼等の新時代到来を予見させる風で好みではあります。

後は裏ジャケの中華風ドラゴンが消え、如何にも西洋風な紋章チックな方位図になっているのも本作の“旅路”が裏テーマなのを表す細かい変化と言えるでしょう。

一つ残念なのは当時国内盤リリース時に追加されたボーナストラックが今回のREMIX & REMASTERED盤には収録されていないので、音源マニアな方も含めて以前の旧譜を売り飛ばしたりしないようご注意を。

40周年記念ボックス・セット『The First 40 Years』をお持ちの方には何の意味もない単品リリース・アルバムではありますが、恐らく大多数のPENDRAGONファンにとって初めて耳にする事になる最新アップグレードの施されたメロディック・シンフォニック・ロックは、PENDRAGONファンならずとも聴かずにはおれない傑作でありますのでご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい(*´∀`*)

Tracks Listing
01. Back In The Spotlight
02. The Voyager
03. Shane
04. Prayer
05. Queen Of Hearts
a) Queen Of Hearts
b) A Man Could Die Out Here
c) The Last Waltz
06. And We'll Go Hunting Deer

PENDRAGON Line-Up:
Nick Barrett       (Lead Vocals、Guitars、2019 New keyboards)
Clive Nolan      (keyboards、2019 New keyboards)
Peter Gee        (Bass)
Jan Vincent Velazco  (Drums、Percussion)





by malilion | 2022-05-31 11:46 | 音楽 | Trackback
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