人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ベルギーのハードポップ・バンドALL I KNOWのデヴュー作がボートラを大量追加でリイシュー!!

ベルギーのハードポップ・バンドALL I KNOWのデヴュー作がボートラを大量追加でリイシュー!!_c0072376_15540990.jpgALL I KNOW 「Vanity Kills +10 ~Deluxe Edition~」'22

08年にオリジナル盤を自主制作でリリースし、完売好評を受けて同年9月に500枚限定でセルフ・リイシューして再び即完売した、本国でスマッシュ・ヒットを記録したベルギー産ツインギター4人組ハードポップ・バンドのデヴュー作が2022年Delux Editionとしてボーナス・トラックを10曲も大量に追加収録して再び1000枚限定リマスター&リイシューされたのを即GET!

Melodic Rock Recordsと契約し10年に再び1000枚限定(Beau Hillの手によりリミックスを施された音源を1曲差し替えで収録)でリイシューしたが、またまた完売しこれまで廃盤扱いで入手困難であった本作が12年ぶりに再び大量の音源を追加されてリマスター&リイシュ-されるとは、正直全く予想外でありました。

オリジナルのジャケットは白っぽいボケたビジュアル・イメージでしたが、真っ赤なルージュのキスマークがトレードマークとなっている現在の彼等のイメージに合わせ、黒めなジャケットデザインに、ショッキングピンクの文字をあしらったちょっとグラム・ロックっぽいいかがわしさを漂わすデザインへアルバム・ジャケットは変更されている。

幾度もリイシューを繰り返してきた経緯を見れば予想付くと思うのですが、80年代USアリーナ・ロック風のゴージャスでキャッチーなメロディアス・ハードポップ・サウンドは現在巷を騒がしている欧米のメロハー・バンドよりヴォーカル・オリエンテッドなスタイルなものの、若いバンドだけあってモダンなタッチやデジタリーな音像手法も躊躇なく取り込んだ、煌びやかでエッジあるギターと北欧勢にも通じるキラキラしたキーボードとウェットなヴォーカルラインが冴え渡るコンパクトな楽曲は、レンジは狭いもののカッチリと造り込まれたサウンドを鳴らしており、DEF LEPPARD、BON JOVI、POISON、WARRANT、WHITE LION、TYKETTO、Bryan Adams、REO Speedwagon等の80年代のメジャー・シーンを賑わしたアーティスト達からの影響が随所で伺え、とてもデヴュー作と思えぬ完成度の高さだ♪ (*´∀`*)

勿論、まだまだデヴュー作収録時点では歌唱力や表現力の幅の少なさや、少しアッサリし過ぎに思える楽曲アレンジ、時に音の深みが薄く安っぽく聴こえたりと、欧米シーンを賑わすメロハー・バンド等と比べて満足出来ぬポイントが散見するのですが、元はインディの自主盤であった事を考えると破格の仕上がり具合と言え、それらの危うい未完成な部分も含めて彼等の魅力になっているとも言えましょう。

ともかくアルバム本編が瞬く間に終わってしまう、怒涛の勢いと爽快感だけ残して颯爽と走り去っていく様は、新人バンドならではの潔さというか歯切れ良さで、実に気持ち良いですネ。

フレッシュな感覚の歌メロと爽快なコーラス、エネルギッシュなバックの演奏、屈託なくビートに乗って疾走するグランジーなど知らぬ存ぜぬとばかりに80年代クラッシック・ロック・フォーマットに倣ったクリアーでクリスプなサウンドは、けれど新人バンドらしく華やかでヒット性の高いポテンシャルを秘めており、そしてユーロ圏バンドらしいリリカルさやメランコリックな音使い、さらにセンチメンタルでロマンチックな美旋律もしっかりと聴かせ、単なる80年代USロックの焼き直しやパロディに成り下がらない確かなオリジナリティも感じさせる、こんなに素晴らしい音楽性なのに足掛け15年以上にもなる活動で何度かシングルをリリースしたりコンピレーション盤に新曲を提供してはいるもののフル・アルバムは本作のみというのが非常に勿体ないバンドであります。

バンドはデヴュー作リリースの後にメンバーチェンジが起き、10年頃にはキーボーディストを含むトリプルギター編成の6人組バンド(オリジナルメンバーの3人以外サポート扱いだったかも)となっていたが、現在はオリジナル・ドラマー Karel De Backerが抜け新たなドラマーに Joeri Dekyvereが迎えられ、キーボード奏者 David Poltrockとトリプル・ギターの一人 Dave Martijnが抜けてオリジナル編成当時のツインギター編成4人組となっている。

今回追加収録されたコンピ盤に提供された楽曲やアウトテイク、デモ音源等を聴くに、彼等は本来もっとシンプルでパンクっぽいストレートなビートロックを身上としているように思えるが、そこに美麗なコーラスやキーボード、そして上質なプロダクションが加わる事でカドが取れてキャッチーなハードポップっぽいサウンド化する効果が生まれるのだな、というのが本作のボートラを聴いて初めて分った事実で、ひょっとしたらLIVEではもっと勢い任せで破天荒なビートロックを日夜披露しているのかもしれませんね。

因みに自主制作オリジナル盤と10年リイシューのMelodic Rock Records盤は曲順(曲数は同じ)が変わっておりますので、オリジナル盤をお持ちの方はジャケを含めて価値ある一枚となっております。

とまれ、既述したバンドやキャッチーな80年代USアリーナ・ロックがいお好きな方なら気に入る事間違いなしなリマスター&リイシュー作でありますので、もしご興味あるようでしたらお早目に入手されることをお薦めします。

Track List:
2010 Reissue Album Ver
01. All Night Long
02. Bad Boy
03. Asphyxia
04. Rain (2010 Beau Hill Remix)
05. Turn Back Time
06. I Need You
07. Into Your Heart
08. I Wanna Rock You
09. Sweet 17
10. Teenage Queen
11. All The Way
12. Hope And Dreams

2022 Delux Edition Bonus Tracks
13. Only You (Compilation Track)
14. Consume Me (Compilation Track)
15. Running Away (Compilation Track)
16. My Time (2008 Outtake)
17. All Night Long (2007 Demo)
18. I Need You (2007 Demo)
19. Sweet 17 (Summer 2007 Demo)
20. Asphyxia (Summer 2007 Demo)
21. Make Belief (June 2007 Demo)
22. And Nothing But The Truth (June 2007 Demo)
23. Rain (2008 Original Mix)

ALL I KNOW Line-up:
Ward Dufraimont   (Lead Vocals、Guitars)
Michael Neyt     (Guitars、Backing Vocals)
Amely Mondy     (Bass)
Karel De Backer   (Drums)

Mixed By Staf Verbeeck
Recorded By Michael Neyt
Remastered By Staf Verbeeck


by malilion | 2022-05-15 15:54 | 音楽 | Trackback
<< UKベテランHRバンドT... STYXファンは注目な幻の米国... >>