![]() 元KANSASの二代目ヴォーカリスト John Elefanteが9年振り5枚目となるソロアルバムをリリースしたのをご紹介。 1981年に Steve Walshの後任シンガーとしてUSプログレ・ハードの雄 KANSASに加入し『Vinyl Confessions』'82『Drastic Neasures』'83 の2枚のアルバムに参加した後、バンド解散後はCCM系アーティストとしてのソロ活動と平行して兄 Dino Elefanteとタッグを組んだクリスチャン・メロハー・スタジオプロジェクトMASTEDONでアルバムを発表する傍ら、数多くのクリスチャン系アーティストの作品やCCM系プロジェクトに参加したりCCM系新人バンドの発掘やサントラ作品への参加、作詞作曲及びプロデュース等を手掛けたりと、KANSAS以降は主に兄弟でCCM系の裏方メインに多面的な活動をしていた彼ですが、David Ragsdaleと Rich WilliamsのKANSASメンバーやCCM系アーティストを多数ゲストに迎えた前作『On My Way To The Sun』'13 以来となる本作でも、引き続き Dino Elefanteと組まず(もう高齢だしネ)にアルバムを制作している。 本作のジャケット・デザインを見てまず驚かされたのが、まるで今流行りのシンセウェイブ・アーティストの一連のアルバムのように80年代を強く意識したレトロなデジタル風デザインだったので『まさか John Elefanteがシンセウェイブ作を!? いやいや、CCM系ミュージシャンは売れてるジャンルのサウンドならなんでも取り込むから、もしかして…』と、一抹の不安と期待を胸に新譜のサウンドに耳を傾けましたが、蓋を開けてみればなんの事は無いこれまでと同じく彼の素晴らしいヴォーカルをメインに据えた楽曲が堪能出来るアルバムで一安心だ(゚∀゚) 常に爽快で甘く伸びやかな歌声と美麗なハーモニー・コーラスを披露して来た John Elefante、意図的にそれまで封じていた自身が在籍していた頃の80年代KANSAS風サウンドを要所で聴かせて往年のファンを前作で歓喜させた訳だが、久しぶりとなる本作でも従来通りたヴォーカル・オリエンテッドな作風を基軸にしつつ80年代フレーバー香るAOR&USメロディアスHRサウンドっぽさも匂わせながら、期待通りに本作でもウェットなリリシズムが融合したロマンティックなKANSASを彷彿とさせるメロディや音使いを随所に散りばめ、且つキャッチーで華やかなこれまでのCCM系スタイルも踏襲した、その長く確かなキャリアに相応しい幅広く深い音楽的要素を感じさせる穏やかでメロディアスな美旋律の数々に彩られた楽曲が最初っから最後までタップリと堪能出来る素晴らしい一作であります。 ヴァイオリンをフィーチャーした楽曲は完全に“狙ってる”KANSASサウンドなので、80年代KANSASファンなら間違いなく本作を入手しておきましょう、ホントにこっちが聴かせて欲しいと思う往年のKANSASサウンドをそのまま届けてくれて、感謝感激雨アラレなんですわぁ♪ 彼のヴォーカル・スキルが如何に優れているのか、卓越した多彩な表現力を今更語る必要もあるまいが、KANSASやMASTEDON、そして一連のCCM系での仕事やソロ活動で培った豊かな音楽性が、高品質なプロダクションと気の利いたアレンジメント、そして歌詞と表現力によって綴られ、前作同様に初期のソロ作よりもAORやクリスチャン・ロック色を幾らか控え目にした楽曲は、コンパクトでキャッチーなUSメロディアス・ロックや80年代KANSASを感じさせるメランコリックでリリカルな美旋律を交えて構成されており、この手のジャンルでよく聴けるありふれたソングライティングや陳腐なAOR作のような定型化した楽曲は見当たらぬ、John Elefanteのミュージシャンとしての揺るがぬ信念と素晴らしい才能がハッキリと示されている作品と言えましょう。 英国メロハー・レーベルとして有名なESCAPE MUSIC移籍第1弾となる本作は、MASTEDONのメンバーでもある元WHITE HEATの Anthony Sallee(Bass)の他、テネシー州ナッシュビルを中心に活動するクリスチャン・セッション・ミュージシャンでカントリー、ポップ、ロックと幅広い作品にその名を見る事が出来るベテラン・ギタリストでギター・クリニックも手掛ける Dave Cleveland(Guitars)、Michael McDonald、Kenny Loggins、Amy Grant、The Neville Brothers、Nick Jonas等々の有名アーティスト作のレコーディングに参加している凄腕セッション・ドラマー Dan Needham(Drums)、そして無名ながら John Elefanteと本作で数多くの楽曲を共作しているギタリストの Frank Boxberger(Guitars)の4人を基本として楽曲により関連人脈ゲストを迎え制作されており、CCM系レーベルからのリリースではない事からも察せられるように『ジーザス、ジーザス』一辺倒な典型的なCCM系ソングが詰まったアルバムではないのでその手が苦手な方にも訴求するだろう所謂普通のポップでキャッチーなメロディアス・ロック作でありますから、歌の上手くしっかりとしたプロダクションの施されたヴォーカル・オリエンテッドなアルバムがお好みな方は是非一度本作をチェックしてみて下さい。 まぁ、確かに他の一般作と比べれば宗教臭いしジーザスと直接表現してないだけで、CCM系な表現はかなり目につくけど普段と比べて幾らか表現が弱まっていて一般作に近づいてる、って意味で一辺倒じゃないから…(汗 因みにアメリカ・オリジナル盤は手書きナンバリングのポストカード付き、1000枚限定のLimited Editionが存在しますので、彼のダイハードなファンの方はそちらの方のチェックもお忘れなく。 Track List: 01. City Of Grace 02. Stronger Now 03. The Amazing Grace 04. Time Machine 05. Won't Fade Away 06. Not alone 07. Falling Into Place 08. We will Be Fine 09. Little Brown Book 10. And When I'm Gone 11. City Of Grace (Long Version) 12. Not Alone (Acoustic Version) Musiciens: John Elefante (Lead & Background Vocals、Guitars、Keyboards) Dave Cleveland (Guitars、Acoustic Guitars) Anthony Sallee (Bass) Dan Needham (Drums) Frank Boxberger (Guitars、Executive Producer) Guest Musiciens: Jimmy Nichols (Piano) Chris Carmichael (Strings & String Arrangements) Produced & Engineered By John Elefante
by malilion
| 2022-05-13 18:10
| 音楽
|
Trackback
|
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 more... お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||