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スウェーデン屈指のHMシンガー Rick Altziの自主制作ファースト・ソロアルバムがリリース!

スウェーデン屈指のHMシンガー Rick Altziの自主制作ファースト・ソロアルバムがリリース!_c0072376_18385796.jpgRICK ALTZI 「All Eyes On Me」'22

欧米問わず数多くのHMバンドやプロジェクトに参加して来たメタルシーン屈指のスウェーデン人シンガー Rick Altziが自主制作ファースト・ソロアルバムをリリースしたのをGET!

欧州を中心とするHMファンにそのパワフルで適度に荒れた渋みある歌声を知られる Rick Altziは、80年代ジャーマン・メタルの雄 HELLOWEENの元ギタリスト Roland Grapow率いるMASTERPLANのヴォーカルや、ドイツのネオクラ・メタルAT VANCEのフロントマン Oliver hartmannに代わって二代目フロントマンを務め、フィンランドのパワメタ・バンドTHUNDERSTONEの初代シンガー Pasi Rantanenに代わって二代目フロントマンを務めるも13年に Pasi Rantanenが復帰して脱退する他、スウェーデンのプログHMバンドTREASURE LANDにもごく短期間在籍したりドイツ人ギタリスト Herman Frankのアルバムやスウェーデンのメタル・プロジェクトGATHERING OF KINGSへの参加など、数多くのアルバムにその見事な歌声を残しているのだが、常に誰かの後任だったり参加したバンド自体の知名度がイマイチだったり、はたまた活動を休止していたりと何かと彼個人の歌唱力や資質とは無関係な要因で未だその実力に相応しい知名度を得られていない不遇なシンガーに思える。

そんな彼がこれまでの活動で培ってきた人脈を活かし、Peter Alpenborg(Guitars、Keyboards:マルチ・インストゥルメンタリスト)、Nalle Pahlsson(Bass:TREAT)、Kevin Kott(Drums:セッションドラマー)をバックに従え、スペシャル・ゲストに数多くのサントラの仕事で知られるスウェーデン人ベテラン・ギタリスト Morgan Jensen、キーボーディスト Pete Alpenborg率いるスウェディッシュ・メロディアス・ロックバンドARCTIC RAINに参加する若きギタリスト Magnus Berglund、北欧らしからぬスリージーなサウンドが特徴のSWEDISH EROTICA、ドゥーム・メタルのTRANSPORT LEAGUEにかって在籍し、現在はジャンル問わず幅広いセッション活動で多忙なスウェーデン人ベーシスト Ken Sandinを迎える他にもフィメール・シンガー等やギタリスト達をバッキング・ヴォーカルに加えて、北欧らしい叙情と哀愁が香る美旋律と自身のエモーショナルな歌声を主軸に据えたメロディアス・ハード作を届けてくれた。

Peter Alpenborgはギターやキーボード以外にもタブラ等の打楽器やチェロ、フルートまで奏でるドイツとアメリカを行き来する音大卒の多芸なインテリ・ミュージシャンで、Kevin KottはMASTERPLANやFREEDAM CALL、そして Herman Frankのアルバムニセッション参加している Rick Altziと顔馴染みなドイツ人ドラマー、そして Nalle Pahlssonは80年代から活動する北欧スウェーデンHMバンドTREATやスウェディッシュ・メロディアス・ロックバンドLAST AUTUMN'S DREAM、スウェーデン・シンフォHMの雄THERIONにも在籍するベーシストと、主にゲスト陣も含めて同郷ミュージシャン達でバックが構成されており、初のソロアルバムは気心の知れた仲間達と制作したいと思ったのか、そんな環境も影響したのかHMバンドのフロントマンとして常に披露している強靭な喉を轟かせるスタイルとは少々赴きを変えたリラックスして力みの抜けた深みあるスムースな歌声を聴かせるなど、彼の新たな一面を垣間見せてくれる良作だ。

さて、そのサウンドはと言うと、適度にキラキラしたキャッチーなキーボードとハードなギターでメタリックなエッジを適度に保ちながらもフックある美旋律が交差する上を、Rick Altziの水を得た魚の様に伸びやかな歌メロが舞い踊っており、如何にも北欧スウェーデン人シンガーのソロ作というウェットでメロディアスなサウンドが心地よいメロハー作で、通常のシンガーのソロ作よりもギターサウンド等がしっかりとフィーチャーされたバンド・スタイルに近いハードな作風に驚かされるが、所属していたHMバンド等では決して聴く事の叶わぬポップで華やかなフィメール・バックコーラスを従え上から下まで良く伸びる歌唱力を遺憾なく披露している所などは、リード・プレイヤーのサウンドに押しやられてしまいがちなバンドのフロントマンという立場から解放され最初から最後まで自身の歌声だけを満足いくまでフィーチャー出来るソロ・アルバムならではと言えるだろう。

もう少し“引き”の叙情的な演奏や歌パート、そしてリズム・アプローチに幅があればアルバムにもっとメリハリや深みが生まれたと思うのですが、まぁ初のリーダー作ですし仲間とワイワイやってる内についつい突っ走り過ぎたり歌い過ぎてしまったのかもしれませんね(´∀`)

インフォではALTZIと言うバンド、という記載も見かけたのでソロ・バンドのデヴュー作という位置づけなのかもしれませんが、彼が在籍していたバンドを現在脱退しているのか掛け持ちするのかどうかは不明だ(汗

元が苦り声で力むと如何にも轟音轟くHMサウンドにピッタリという渋味ある図太い歌声(ちょっと David Reeceっポイ?)だし、お世辞にも様々な音楽性にマッチする歌声を披露出来る器用なタイプではないが、彼のバックボーンにあるポップなメロディアス・ロックという如何にも北欧ミュージシャンらしい音楽要素(チラつく露骨なUSAブレイク時代の白蛇風なシャウトやリフはご愛敬w)が今回こうしてハッキリと示され、その如何にもHMシンガー然とした風貌から予想しずらいキャッチーなメロハー・サウンドが満載な本作は、フック満載な80年代北欧HMや80年代メロディアスHMリスペクトなメロハー・バンド等がお好きな方ならきっと気に入るに違いない、そんな懐かしくも新鮮な感覚のアルバムであります。

なにやら自主制作アルバムな為にプレス数が限られている上に流通が悪い盤な模様なので、北欧メロハー・ファンな方々は売り切れ前に素早く入手しておきましょう。

Tracks Listing:
01. Point Of No Return
02. Crash And Fall
03. Into The Fire
04. Run To You
05. Legacy
06. You Don't Believe In Love
07. Strangers In The Real World
08. Desire
09. Hurting Kind
10. Motherless Child
11. Wind & The Rain
12. Tossin' And Turnin'
13. Final Warning
14. Where Dreams Never Die

Musicians Line-Up:
Rick Altzi       (Lead Vocals)
Nalle Pahlsson    (Bass)
Peter Alpenborg   (Guitars、Keyboards)
Kevin Kott      (Drums)

Special Guest Musician on track 03
Morgan Jensen   Guitar
Magnus Berglund  Guitar
Ken Sandin      Bass



by malilion | 2022-04-23 18:39 | 音楽 | Trackback
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