![]() 元THIN LIZZYの Darren Wharton率いるUK産ツイン・キーボード5人組AORバンドによる10thアルバムが、前作のアニバーサリー再録アルバム『Out Of The Silence II』より4年ぶりに自身のレーベルLegend RecordsからリリースされたのをGET! 前再録記念盤はオリジナル盤のサウンドに遠く及ばないキャッチーさもイマサンでフックも無い穏やか過ぎる平凡で退屈なアルバムであったが、なんと各国のクラシック・ロック・チャートで1位を獲得(!?)したらしく、その前の二作のアルバムもイギリス、ドイツ、イタリア、スペインなど4カ国のAmazonクラシック・ロック・チャートで1位を獲得しているとの事で日本の輸入盤ロック・チャートでも1位を獲得(!?)したと公式発表されている。 ウーン、ちょっとなんか色々と怪しくなってきた(汗)けど、まぁ、AOR好きな人なら好むだろう穏やかな大人向けサウンドではありましたから…クラシック・ロック・チャートってのがどんなカテゴライズで語られているのかイマイチ不明なんですけど『最悪なアルバム!』と、吐き捨てる程の事も無いし、ムーディーでケルティックな雰囲気のアダルトなサウンドが好評だったのかもな、と納得する事にしておきます… メンツは『Out Of The Silence II』'18から変わりなく『Sacred Ground』'16 から加わったセカンド・キーボーディスト Marc Robertsを除けば12年頃からバンド編成は安定しており、音楽的にも大きな変化も無い彼等は流行に左右される事無く妙に気負う事も無く地道に着実に自主制作ベースとは言え活動の場を広げ、各国での実績を築いてきたと言えましょう。 思えば当時元THIN LIZZYと鳴り物入りだった Darren Wharton(Lead Vocals、Keyboards)とギタリスト Vinny Burns(ex:ULTRAVOX、ex:ASIA、TEN)を中心にバンドは1985年に結成され、88年に『Out Of The Silence』でアルバム・デヴューを果たし、91年に続く『Blood From Stone』をリリースするとキーボードとギターを主軸に据えたキャッチーなユーロHMサウンドがチャートでもここ日本でも好評を博し世界中のファンベースを拡大させたものの、これからと言う所でグランジーブームの闇に飲まれバンドはメジャーからドロップして空中分解(幻の3rd音源がホントにメロハー作として良い出来なんですよねぇ…)してしまい、Vinny BurnsはTEN結成へ走る訳ですね。 残された Darren Whartonを中心に新たに編成されたバンドは既にメジャー活動時の音楽性と全く違う穏やかなAORバンドへと様変わりしており、基本的にオリジナル・ギタリストで盟友の Vinny Burnsが戻った今現在でもその路線は変わっておらず、音域が狭いがムーディーで味わい深い歌声と Darren Whartonの出身地であるアイルランドの影響色濃いケルティックなフレーバーを漂わす雄大なキーボード・サウンドが中心の穏やかで柔和なAORサウンドで長らく活動してきた訳だ。 そんな Darren Whartonが語る所によると、本作はこれまでのアルバムが各国で好評だった事を踏まえつつLIVEを想定して楽曲を書いたとの事で、トレードマークであるケルティックでムーディーな雰囲気はそのままに、ツアーで披露するのを念頭にエネルギッシュでパワフルなフィーリングを加えたよりハード・ロック的サウンドアプローチを試みている、らしい。 まぁ、確かに Vinny Burnsのハードエッジでエモーショナルなギターワークの活躍する場面が増えているのは確なものの、ミックスは抑え気味でハードに弾きまくっているという印象も刺激も薄く、以前と変わらず殆どが柔和で雄大なキーボード・サウンドとフックの乏しい穏やかなヴォーカルで占められているのも変わりないが、それでもここ数作の退屈極まりない内容よりも幾分か爽快さが増してメロディアスでキャッチーなのは聴き取れ、初期作程の刺激もハードさも無いけれど退屈なAOR作からは脱出する事は出来たのではなかろうか。 なんて言うか前のアルバムに本作の曲が入っていても少しも違和感が無い、下手をするともう二、三枚前のアルバムでも問題なく馴染むだろう、それくらい変化の乏しいサウンドで、もうちょい音楽的な新しい試みに挑んでも良いと思うんですが、まぁ冒険ばかりするのが良い事でもありませんし、自身のポリシーとしてこのマッタリ退屈気味なAORサウンドを自主制作でリリースしているのでしょうし、外野がとやかく言った所で何が変わる訳でもないんでしょうけどね…(汗 音域も狭いし歌メロに何か捻りや斬新な試みでもされていれば少しは耳にメロディが残るんだろうに、いつものように何の変化もなく滔々と流れて消えていくだけの穏やかなメロディなのが辛い…しかも、そのヴォーカルがメインなAORという音楽形態なのが輪をかけて辛さを増さすんですわ…orz 海外のアルバム批評サイトで本作『エデンへの道』は、美しい音楽の道を安全に走る、暖かい夏の日に夕方の風に髪をなびかせながら日没に向かって走る為のアルバムである、と記されていて『あー、正にそんな感じの物悲しく寂し気で色褪せた雰囲気が漂うアルバムだわー』と納得してしまいました。 AORだからソレでいのかもしれないけれど、やっぱり80年代末期のゴージャスでバブリーなHM全盛期の残り香を纏った初期のハード&キャッチーなサウンドを知っていると、せめて夏の燦燦と輝き昇る朝日に向かって駆け出す、そんな瑞々しく朗らか爽快なイメージを与えて欲しいのに、と無いものネダリをしたくなるのです…(´д⊂) とまれ穏やかなAOR作が好きな方やケルトフレーバー漂うアダルトな歌モノ作などがお好きな方なら気に入るだろう落ちついた作品ではありますので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。 Tracklisting: 01. Born In The Storm 02. Cradle To The Grave 03. Fire Never Fades 04. Road To Eden 05. Lovers And Friends 06. Only The Good Die Young 07. I Always Will 08. Grace 09. The Devil Rides Tonight 10. Thy Kingdom Come DARE Line-Up: Darren Wharton (Lead Vocals、Keyboards) Vinny Burns (Guitars) Nigel Clutterbuck (Bass) Kev Whitehead (Drums) Marc Roberts (Live Keyboards)
by malilion
| 2022-04-20 02:15
| 音楽
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