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北欧スウェーデンのメロディックHRバンドTREATが約3年半ぶりに通算9枚目のスタジオ・アルバムをリリース!

北欧スウェーデンのメロディックHRバンドTREATが約3年半ぶりに通算9枚目のスタジオ・アルバムをリリース!_c0072376_11132943.jpgTREAT 「The Endgame」'22

EUROPEやTNTと同じく80年代から活動する北欧メロディアスHRバンドの先駆者であり、解散、復活を挟んで現在も第一線で活躍するTREATが前作『Tunguska』'18 から約3年半ぶりとなる通算9枚目のスタジオ・アルバムをご紹介。

デヴュー当時はその分厚いバッキングコーラスと北欧バンドらしからぬブライトでポップな音楽性故に“北欧のBON JOVI”と呼ばれる事もあった彼等ですが、解散前には時流に影響されたダークなグランジー系サウンドへ接近するなど長い活動を経てより音楽性の充実や幅を広げる事に成功し、復活以降は解散以前の80年代風な音楽性と今風のモダンなサウンドを巧みに組み合わせ北欧特有な哀愁と叙情香る美旋律満載なアルバムを届けてくれていたが、今回も期待を裏切らぬ、嫌、正直期待した以上の予想を超える素晴らしい出来映えなアルバムを届けてくれました♪(゚∀゚)

前作でチェンジしたベーシストの座が再びチェンジし、再結成作から加入したLAST AUTUMN'S DREAMやTHERIONの活動でその名を知られる名手 Nalley Pahlssonが本作から復帰したのも嬉しいトピックの一つだ。

再結成で蘇ったベテラン・バンドと言うと、プライド故かまだまだ新しい創作が可能でロートルじゃないと証明したいが為か往々にして現在流行っている音楽にばかり注目し勝ちで、過去に自分達が築き上げファンから愛されてきた素晴らしいサウンドから距離を取ろうとするものですが、彼等はその辺りをちゃんと踏まえており以前の音楽性も保ちつつ新しい音楽要素を着実に咀嚼して取り入れ、今回はオールドファン向け要素8割りに今風モダンな音楽要素を2割り程加味する絶妙なさじ加減の如何にも北欧HRバンド作と言う再結成以降の新要素を力んで取り入れようとした気負いが失せた、非常に彼等らしいキャッチーでポップなサウンドに満ち溢れたリラックスした作品に仕上がっており、北欧メロディアス・ロック好きなら方ならば小躍りするのは間違いないだろう。

解散前とは見違えて逞しくなった Robert Ernlundの伸びやかでパワフルなヴォーカルを基軸に、疾走感と透明感ある北欧美旋律、哀愁と叙情香るフックある歌メロ、グルーヴィーで強力なリフ、エモーショナルでコンパクトなソロパート、爽快でキャッチーなビッグコーラス、ドラマチックな楽曲展開が目白押しとオールドファン感涙な華やかなメロディアス・サウンドで、再結成以降に聴けたモダンでダークな音楽性が気に入っていたファンには少しレイドバックし過ぎに思えるかもしれないが、それでも単なるセルフパロに陥る事なくTHE BEATLESっぽいタッチやケルティックなフレーバー、露骨にBON JOVI風(笑)なアリーナロック、壮大な叙事詩作などの前作で聴けなかった試み等にも果敢に挑んで楽曲の表情や音の彩りを増やしアルバムに艶やかさとメリハリを生み出している点などは流石ベテランと唸らされます。

勿論、手堅く安心安定な作りの高品質なプロダクションとサウンドへ比重が傾いているのは紛れもない事実なので、フレッシュな衝撃やダークでヘヴィな今風のアグレッシヴ要素、ロックらしい生々しい感覚には乏しい作風とも言えるのですが、誰も彼もがエネルギッシュでモダンな新世代サウンドを追い求めなきゃ駄目な訳でもありませんし、ベテランらしく安定したソングライティング力を発揮した痒い所に手の届くオールドファンを満足させるアルバムを素直に届けてくれた事にまずは感謝したいですね(*´ω`*)

インパクトという点では些か劣る作風なのは否めませんが、来年で結成40周年を迎えるベテランバンドであるTREATが、そんな事は微塵も感じさぬパワフルで完成度の高い北欧メロディアス・アルバムの傑作をこうしてリリースし活発に創作し続けていてくれるのが唯々嬉しいのです。

EUROPEやTNTのみならず、欧米の同世代バンドで同じく復活を果たしている80年代ビッグネーム達が解散前とは路線の違う作風のアルバムをリリースし続けオールドファンを落胆させる事の多い昨今、自身が残してきた魅力的な音楽を否定する事なく今も聴かせてくれるTREATのさらなる活躍を祈らずにおれません。

Track List:
01. Freudian Slip
02. Rabbit Hole
03. Sinbiosis
04. Home Of The Brave
05. Both Ends Burning
06. My Parade
07. Wake Me When It's Over
08. Jesus From Hollywood
09. Magic
10. Carolina Reaper
11. Dark To Light
12. To The End Of Love
13. Magic (Acoustic Version)

TREAT Line-up:
Robert Ernlund      (Lead Vocals)
Anders "Gary" Wikstrom (Guitars、Backing Vocals)
Patrick Appelgren     (Keyboards、Backing Vocals)
Jamie Borger       (Drums、Percussion)
Nalle Pahlsson      (Bass、Backing Vocals)


by malilion | 2022-04-19 11:14 | 音楽 | Trackback
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