PETRA 「Not Of This World」'83
1972年に結成され、浮き沈みはあるものの長らくCCM系アーテイストとして第一線で活躍し、2005年に惜しまれつつ33年のキャリアに幕を引いたハズなのに近年また再結成(リーダーの Bob Hartmanは、一度は引退したお爺チャン…)したり、元メンバー達が集って別名義バンドで活動したりと未だ関連音源がリリースされ続けているインディアナ州出身の大御所USAクリスチャン・ロックバンドのアルバム5枚(3rd、4th、6th、8th、10th)が、21年度リマスター&限定500枚リイシューされたので即GET! 前回は3作リイシューだったが今回は5作リイシューされており、前回に続き何故か飛び飛びでアルバムがリイシューされている。 折角の再販なのですがボーナストラックの類いは一切追加されておらず、オリジナル盤と同じ曲数でインナーも特に豪華な装丁(歌詞付き8Pブックレット仕様)という訳でもない、限定のトレーディング・カード付きな点だけが今までのリイシューと違うくらいという、オリジナル盤のアナログLPや以前のCD盤をお持ちの方には価格的にもちょっと残念なリイシューなのも前回と同じ…(´д⊂) とは言え、以前のCD盤は軽く25年程前の古いマスタリングの音源なので、新たなリマスターによるクリアーで音圧がアップしたサウンドで彼等の美しくキャッチーな音楽を楽しむ為や懐具合に余裕のある方は、未だに入手が容易でなくプレス数も多くないCCM系バンドのアルバムなので購入しておきましょう。 最初期はフォーク・グループの様な朴訥なアコースティック・サウンドであったが当時からCCM系お約束である売りの美しいコーラスはフィーチャーされており、時代が移り変わるにつれシーンで流行っているサウンドを巧みにバンドサウンドへ取り入れ変化し続け、80年代はキャッチーでフックある産業ロックやAOR風のキーボードと爽快なコーラスが活かされたサウンドへ、John&DinoのElefante兄弟プロデュースが起爆剤となって再度チャートを賑わした90年代初期まではバブリーでゴージャスな分厚いコーラスがタップリとフィーチャーされたギター・メインなヘア・メタル風の派手で煌びやかなアリーナ・ロック、90年代中期からは一転ヌー・メタル風のダークでグランジーな若者向けサウンドへ、とCCM系アーティスト特有の一見無節操に思える音楽的変節を見せつけ一般のロックファンを戸惑わせた彼等だが、今回リイシューされたのはそんな彼等の活動が最も華やかでチャートアクション的にも商業的にも大成功した時代直前のJOURNEY、STYX、KANSAS、FOREIGNER、REO Speedwagon風サウンドを披露していた頃のアルバムだ。 いやー、STAR WARSの影響がモロに感じられるSF風ロゴといい、CG風なデジタル表現を取り入れたイラストといい、来るべき21世紀と未来へ漠然とした希望が持てていた華やかな80年代を意識させる派手な(手書きなのがミソ!)ジャケットアートが懐かし過ぎて涙が出そう(w ギラギラしたジャケのイメージ通り、これでもかとシンセサイザーをバリバリにフィーチャーしたデジタリー感(アナログ・シンセだけど)を押し出した近未来感をイメージさせる壮大なイントロが飛び出して来て俄然期待させられる(笑)ものの、楽曲の方はこれまでと同一路線のオーソドックスなアメリカン・ポップ・ロックで、相変わらずアコースティカルな味わいを残しつつ穏やかで美麗なコーラスを主体にシットリしたメロディアとキャッチーな歌メロが楽しめるコンパクトな楽曲が詰まった安心安定な80年代USロック定番な作風となっている。 前回のリイシュー第一弾の時にも述べた通り、CCM系アーティストは皆そうなのですが音楽形態的にメッセージ性が強い歌詞を歌う事(ココが著しく聴く層を限定している要因でもあるんですケドね…)が殆なものの、美しいコーラスは彼等のようなCCM系バンドの専売特許なので無論のこと、キャッチーでポップ且つコンパクトな楽曲は華やかなキーボードと主張し過ぎないエッジあるギターが織りなす圧巻のページェントとなってクリスチャン・ロックに相応しい荘厳さもシッカリと演出しており、メロディアスなアメリカン・ポップロックがお好きな方にこそ是非に彼等の作品を一度チェックしてみて欲しいですね。 全アルバム通してその時々のメジャー・シーンを意識したサウンドのアルバムを残して来た彼等ではありますが、USバンドに典型的なドライ・サウンドに成り過ぎる事もなく、しっとり叙情感あるメロディもそこはかと感じさせ、初期のフォーク・テイストある楽曲もしっかり後期でも聴かせたりと、さすが伊達に長いキャリアを誇る大御所バンドではない幅広く深味ある音楽性と艶やかで繊細な美旋律の数々には未だに魅了されっぱなしであります。 残すは彼等のバックカタログの中でも最も商業的に成功した、DEF LEPPARDの『Hysteria』をモロに意識したビッグで分厚い華やかなコーラスがフィーチャーされた、正に彼等の黄金期でもありアメリカン・ロックが破竹の勢いで全世界を席捲していた当時のゴージャスでキャッチーなサウンド満載なアルバム『Unseen Power』'91 『Petra en Alabanza』'92『Wake-Up Call』'93がリイシューされるのが今から待ち遠しいくて仕方がありません。 その後の、グランジー時代の旧譜はリイシューされても手を出すか迷いますけどね。リマスター効果が余り効果ないダーティーでシンプルなサウンドだった時代ですし…(汗 とまれ順調にリマスター&リイシュー作業が進んでいるようですので、次なる第三弾が待ち遠しいですね(*´∀`*)
by malilion
| 2022-03-28 23:01
| 音楽
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