![]() 後に北欧ネオクラHMバンドNARNIAを立ち上げるシンガー Christian Liljegrenと実弟でベーシストの Simeon Liljegren、そしてギタリストの Stephan Mohlinという80年代後半に北欧スウェーデンのクリスチャンHMアンダーグラウンド・シーンで名を馳せたキーボード入り5人組メロディアス・ロックバンドBORDERLINEの元メンバーを中心にLEVITICUSの90年USツアーでヘルプで叩いたドラマー Mick Nordstromを迎えて1991年に結成された4人組70年代レイドバックCCM系HRバンドMODEST ATTRACTIONは、アルバム・デヴュー前にインディ・バンドお約束の『Modest Attraction』'91『Ⅱ』'92 という2本のデモテープをリリースしていたが、そのデモ音源を一枚のCDにまとめR盤で92年にリリースされていたマニア向け音源が最新リマスターを施され、バンド結成30周年記念盤LEGENDS REMASTEREDシリーズの一枚としてUS Retroactive Recordsより今年始めにリリースされていたのを今頃にご紹介。 同時にデヴュー・アルバム『The Truth In Your Face』'94、2nd『Divine Luxury』'96の二枚のオリジナル・アルバムも結成30周年記念盤としてリマスター&リイシューされているので彼等のファンならずともオルガンをフィーチャーしたワイルドな70年代風北欧HRバンド好きな方はお見逃しなく! 因みに今回リイシューされたデヴュー作から1曲収録数が減って『Get Ready』の方へ減らされた楽曲は収録されており、彼等的には1stリリース時にボーナストラックのつもりで追加したデモ曲だったのかもしれませんね。 また、2ndはアルバムジャケのデザインが一部変更されて額縁の様な枠が追加され、バンドロゴの位置と大きさが変更されていますが、収録曲数に変化はありません。 今回のデジタル・リマスター作業は、MODEST ATTRACTION末期にバンドへ加入し、後にNARNIAを立ち上げるギタリスト C.J. Grimmarkが手掛けており、リマスター効果で『The Truth In Your Face』、『Divine Luxury』、『Get Ready』全てがクリアでシャープな今の時代にも十分通用するパワフルなサウンドへブラッシュアップされた、かつてない程プロフェッショナルな仕上がり(2ndは完全自主制作だったから…)になっていますので、オリジナル盤をお持ちの方も是非一度本リマスター盤をチェックしてみてください。 デヴュー・アルバムのリリース前にEP『Blizzful Zample』を93年にリリースしていますがEPの楽曲は全てデヴュー作に収録されているので、今回の『Get Ready』がこうしてリマスター&リイシューされ、これまで長らく廃盤だったMODEST ATTRACTIONの音源の殆どが容易に入手出来るようになったのは大変喜ばしいですね(*´ω`*) 残るレア音源はデヴュー作をリリースした94年末にリリースされた4曲入りクリスマス・ソング集『Modest Christmas』のみと言う事になりますが、まぁアルバム未収録曲を含むとは言え『MODEST ATTRACTIONのダイハードなファンならば絶対に入手せねばならん!』と気色ばむ程の音源でもないので(因みにデヴュー作と同じViva Recordsからリリースされたマキシシングル)音源収集に熱心な方以外は無視しても大丈夫でしょう。 まぁ、確かに面白い音源だし、先行リリースされたものの結局2ndに収録されなかった新曲もありますので、マニアな方は頑張って緑のジャケのマキシシングル盤を探してネ(w デヴュー作、2ndアルバム共に鍵盤奏者を招いており、1stには元バンドメイトの Richard Eriksson(ex:BORDERLINE)がハモンド・オルガンで、Stefan Selvanderがアコースティック・ギターで、2ndでは Niklas Johnsson(ex:XT)がハモンド・オルガン、ローズ・エレクトリック・ピアノで客演し、重厚且つ華麗なサウンドでアルバムに強烈なアクセントと華を添えるだけでなく、ある意味でレイドバックした70年代風HRというバンドカラーを決定付けるサウンド要素を奏でた準メンバーと言える存在だろう。 どうせなら専任キーボーディストをメンバーに迎えて活動して欲しかった所ですが、まぁ時代的に90年代はキーボーディストはお呼びじゃないってな感じなシーンの流れだったし、ゲストで十分とバンドは考えていたのかもしれませんね。ちょっと悲しいけど… さて、本作についてだが、アルバム・デヴュー前のバンド・コンセプトがまだまだ定まり切っていない時期のデモ音源と言う事もあってか、その後のアルバムで聴かれる、QUEEN、DEEP PURPLE、RAINBOW、URIAH HEEP、THE SWEET等の70年代レジェンドHRバンド達からの強い影響を感じさせる70年代風レトロ・サウンドをベースに、分厚いファルセット・コーラスとキャッチーに疾走する楽曲、アルバムの随所でフィーチャーされるハモンド・オルガンの重厚で歪なサウンド・アクセントといった彼等の特色が感じられないだけでなく、強く打ち出していたレイドバックした雰囲気も薄めだし、その後のアルバムで常に感じられたダークな雰囲気やメロディ、そしてウネる様な骨太なグルーヴも弱く、ファンク、ブルース、プログレッシブロック、ドゥーム的な要素が組み込まれた細やかな楽曲展開や絶妙のアレンジ等が聴けない、逆にこの後のアルバムでは影を潜めてしまうシンプルでストレートな縦ノリ風の朗らかで生々しいロックンロール・テイストが強く感じられる非常に新鮮で面白いサウンドが全編に渡って展開されており、後に聴けるワイルドで図太いリズムが暴れ回るHRサウンドを思うと実に興味深い一枚と言えましょう。 まぁ、デモの時点でそもそもバンドに専任キーボーディストが在籍して居ないのだし、ドラマーの Mick Nordstromがキーボードをちょっと弾く程度のバンド構成だったのだから、ゲストに元バンドメイトの Richard Erikssonを迎えてのデヴュー作のサウンドとかなり音像に差があってもおかしくはないが、もし重厚なオルガンをフィーチャーしたHEEPばりなファルセット・コーラスが無かったならば果たして自分は本バンドのアルバムに手を出していたかと考えてしまう、それ程に音楽性や向かう方向性の違うサウンドを鳴らしている本作は、資料として当然大変貴重だし、その方向へ発展しバンドが進まなくて良かったと思える音源でもあります。 QUEEN、DEEP PURPLE、RAINBOW、URIAH HEEP、THE SWEET等のファンな方は勿論、ハモンド・オルガンとワウ・ギターがアグレッシヴにファンキーに絡み合いながらプログレッシヴに展開する楽曲と、レイドバックした雰囲気をタップリと漂わせつつ仄かな北欧ハードポップのキャッチーさとHEEPばりのファルセット・コーラスを伴ってグイグイ疾走する70年代風HRサウンドがお好きな方は是非本バンドのアルバムをチェックしてみて下さい、絶対に損はしませんよ!(゚∀゚) 尚、初回限定盤でアナログLP盤もリリースされているだけでなく、さらに限定カラー・ヴァイナル盤もリリースされているので、LPマニアの方はそちらのチェックもお忘れなく。 Track list: 01. Action 02. King Of Rock'n'roll 03. Get Ready 04. Come On 05. Unfailing Love 06. Be Your Child 07. Love Shot Me Down 08. Calm Before The Storm 09. Shake The World 10. Down On My Knees MODEST ATTRACTION Line-up: Christian Liljegren (Lead Vocals) Simeon Liljegren (Bass & Backing Vocal) Stephan Mohlin (Guitars) Mick Nordstrom (Drums、Keyboards & Backing Vocal)
by malilion
| 2022-03-28 00:14
| 音楽
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