NARNIA 「Soli Deo Gloria - 25 Years Compilation」'22
北欧スウェーデン産キーボード入り5人組クリスチャンHMバンドがバンド結成25年を記念して、98年リリースのデヴュー作『Awakening』から19年リリースの最新作8thアルバム『From Darkness To Light』までからチョイスした楽曲で構成された二枚組BESTアルバムをリリースしたのでご紹介。 98年デヴュー当時はリーダーの Carl Johan Grimmarkの Yngwieモロパクの早弾きギターと派手なキーボードのインタープレイが飛び交う北欧様式美HMサウンドを奏でていたが、アルバムを重ねる毎によりテクニカルに、さらにヘヴィに、もっとモダンに、と音楽性の成熟度と幅を押し拡げ、一度目の解散前には看板ヴォーカリストにして盟友の Christian Liljegrenと決別し、バンドコンセプトさえかなぐり捨てて00年代型モダン・ヘヴィネス・サウンドまで貪欲にバンドサウンドに取り込んだが看板フロントマンの脱退と音楽性の激変は忠実なファンでさえ戸惑わせてしまい結局解散するハメに…… 暫しの後に初期メンバーを中心に再結成を図るも音楽性は派手さの無い渋く骨太な上に Christian Liljegrenの身上であるクリスチャン要素を色濃くしたモダン・メロディアスHMサウンドを提示して再結成を歓迎した初期からのファンを驚かせたのも記憶に新しい、そんな紆余曲折を経た彼等が自身の歴史を総括するBEST盤をリリースしたので手を出してみました。 これまでに何度もメンバーチェンジを行って来た彼等だが、一応本作リリース時のメンツは8th『From Darkness To Light』リリース時と変化無い模様でファンは一安心だろう。 初期から最新作まで選りすぐりの楽曲をコンパイルした2枚組コンピレーション・アルバムではあるが、長い歴史の中で音楽性がかなり変化しているものの意図的にか比較的現在のソリッドでダークなメロディを主軸に展開する正統派欧州型HMな音楽性に準じた楽曲を収録しており、BEST盤によくあるチグハグな音楽性の楽曲が無神経に羅列されたアルバムではない辺りに彼等の拘りが見て取れますネ。 オリジナル・アルバムをお持ちの方ならご承知の事と思いますが、これまで音楽性の振り幅がかなり大きかったものの Carl Johan Grimmarkの操るメロディアスでテクニカルなギターを主軸に楽曲が展開するポイントだけはデヴュー当時から不変で、逆に近年作の楽曲程にヴォーカルの比重が増しギターは控えめな印象となっており、Carl Johan Grimmarkが楽曲全体のバランスを考慮したコンポーズに重きを置いたギター・プレイを心掛けているのが見て取れる上に、Christian Liljegrenの歌メロもより洗練され説得力を増しているのが分る、彼等の25年に渡る成長の過程をハッキリと再確認出来る一作と言えましょう。 また、この手のアーカイヴ的BESTにお約束な、レア音源である別ヴァージョンやLIVEヴァージョンも多数収録しているので、彼等の事を知らぬ新規ユーザーの為の入門盤としても本作はうってつけだし、彼等の音源を残らず手元に置いておかねば納得出来ないダイハードなファンにもお薦めな一作となっている。 当然、既発音源は全て新たなリマスターが施された21年度リマスター新規音源となっており、さらに本作の目玉音源と言えるのは、19年リリースの2nd『Long Live The King』リリース20周年記念リイシュー盤の目玉でもあった2曲、2nd『Long Live The King』収録曲の『Living Water (2017 Version)』に名手 Jens Johansson(RAINBOW、ex:DIO、ex:Yngwie Malmsteen's RISING FORCE、STRATOVARIUS、etc…)がキーボードで参加した音源を収録している事だろう。 一応述べておくと、19年リリースの2nd『Long Live The King』リリース20周年記念リイシュー盤の目玉は、前述の『Living Water (2017 Version)』と同じく『Long Live The Kin』収録の日本盤ボートラ『Can't Get Enough of You』、そして16年リリースの7th『Narnia』収録の日本盤ボートラ『Miracle』の3曲がボーナストラックとして収録されている訳だが、彼等の音源を国内盤で購入されている方にとっては『Living Water (2017 Version)』のみが国内盤未収録音源という事になるので、本BESTを購入すれば『Long Live The King』20周年記念リイシュー盤を購入しなくても音源的には補完出来る事になります。 うーん、Martin Harenstamには悪いけどやはり名手 Jens Johanssonの華麗な鍵盤捌きはセンス、プレイ、共に文句無く素晴らしく、伊達に Carl Johan Grimmarkのお手本 Yngwieバンドを手始めに今やRAINBOW、STRATOVARIUSで聴衆を魅了して来た訳ではないのがハッキリと分りますねぇ(*´ω`*) LIVEでは近年のアルバムでは控えめになった Carl Johan Grimmarkも伸び伸びとテクニカルで音数の多いフラッシーなプレイを縦横無尽に繰り広げており『コレコレ! やっぱりNARNIAはこうでなくっちゃ~♪』と、嬉しくなってしまいました(w 久しぶりに彼等の旧曲を耳にしたがリマスター効果もあってかボトムが持ち上げられて音の密度が増し、さらにクリアでシャープなサウンドになった懐かしの楽曲の数々が今の時代でも十分試聴に耐えるレベルへブラッシュ・アップされておりますので、ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。 また、フロントマンの Christian Liljegrenは新たなHMバンド FLAMES OF FIREを率いて3月にデヴュー・アルバムをリリースする予定との事で、今後はNARNIAやソロ、そしてTHE WAYNAKER、AUDIOVISIONと平行(もうMODEST ATTRACTIONは復活しないのか…)して活動を行う大忙しな Christian Liljegrenの動向からファンはしばらく目が離せませんね。 Track list:Disc 1 01. A Crack In The Sky 02. You Are The Air That I Breathe 03. Has The River Run Dry? 04. Mnfst 05. The War That Tore The Land 06. Reaching For The Top (Live In Brazil) 07. I Still Believe 08. On The Highest Mountain 09. Thank You 10. Sail Around The World 11. Scared 12. One Way To Freedom 13. Into This Game 14. People Of The Blood Red Cross 15. Another World 16. Enter The Gate 17. Back From Hell (Live In Germany) Track list:Disc 2 01. Inner Sanctum (Live In Brazil) 02. The Witch And The Lion 03. Falling From The Throne 04. Revolution Of Mother Earth 05. Living Water (2017 Version feat. Jens Johansson) 06. Shelter Through The Pain (Live In Brazil) 07. The Mission 08. Dangerous Game 09. Miracle (Japan Bonus Track) 10. Long Live the King (Live In Brazil) 11. Break The Chains 12. No More Shadows From The Past (Live In Brazil) 13. The Awakening (Live In Brazil) NARNIA Line-up: Christian Liljegren (Lead Vocals:1996~2008、2014~Present) Carl Johan Grimmark (Lead Guitars、Bass、Keyboards、Vocals:1996~2010、2014~Present) Martin Harenstam (Keyboards:1997~2003、2010、2014~Present) Andreas“Habo”Johansson (Drums:1997~2010、2014~Present) Jonatan Samuelsson (Bass、Bass Pedal、Vocals:2016~Present) Jakob Persson (Bass:1997~2001) Andreas Olsson(Passmark) (Bass:2001~2010、2014~2016) Fredrik Junhammar (Drums:1997) Linus Kase (Keyboards:1999~2004) German Pascual (Lead Vocals:2008~2010) p.s. 本作は日本盤帯付が発売されてますが、少ない解説の中にも関わらずメンバーの名前を間違えて解説していて一瞬混乱させられました…ご注意を。 内容に関わらないし、そんなに目くじら立てる程のもんでもありませんが、この辺りに国内盤が正式にデュプリ販売されないバンドのマイナー故の扱いを見る思いで…
by malilion
| 2022-03-15 19:22
| 音楽
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