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80年代北欧メロハーの代表的バンドTNTのヒットアルバムがリマスターされリイシュー!!

80年代北欧メロハーの代表的バンドTNTのヒットアルバムがリマスターされリイシュー!!_c0072376_20031864.jpgTNT 「Intuition」'89

我が国でも80年代中期から絶大な人気を誇っていた説明不要の北欧ノルウェー産4人組メロハー・バンドの4thアルバムが3rdアルバムと同時に英国ROCK CANDY RECORDSよりSpecial Deluxe Collector's EditionのREMASTERED & RELOADEDシリーズとして2021年度リマスター&リイシューされたのを即GET!

ギタリスト Ronni Le Tekroを中心に82年に結成され83年リリースのデヴュー作『TNT』はまだノルウェー語で歌われておりドメスティックな活動が主であったが、84年リリースの2nd『Knights Of The New Thunder』から米国のマネジメントと契約し、フロントマンをアメリカ人シンガー Tony Harnell(最初は Tony Hansen名義)とベーシストを Morty Blackを加入させ活動範囲を広げ、87年リリースの3rd『Tell No Tales』で本国ノルウェーや日本で人気が爆発し米国進出の足がかりも得るなどした後に、満を持して89年にリリースされたのが4thアルバムである本作『Intuition』だ。

Ronni Le Tekroのクラッシックの影響を感じさせる音数が多くテクニカルでユニークなフレーズを奏でるギターと、どこまでも真っすぐに突き抜ける Tony Harnellのハイトーン・ヴォーカルを基軸に展開する彼等のキャッチーでメロディアスなフック満載の北欧HMサウンドについて今更どうこう解説する必要もないくらいメジャーなバンドでありますが、メランコリックでセンチメンタルなバックのメロディとアメリカンでドライなヴォーカル・メロディが絶妙にMIXされた美旋律の数々は久しぶりに耳を傾けても相変わらず唸らされるくらい完成度が高く、正に黄金の80年代の終焉に相応しい華やかで洗練された透明感と爽快感あるキャッチーなメロディアス・サウンドは今も変わらず燦然と輝く宝石のようであります(*´∀`*)

本作制作前にドラマーがバンドの名づけ主でオリジナル・ドラマーであった Diesel Dahlから Kenneth Odiinh(ノルウェーの3ピース・バンドSTAGE DOLLSの元ドラマーで Morten Skogstad名義で叩いていた)へチェンジしているが、その後に常に不安定でメンツがコロコロ変わるドラマー遍歴の始まりとなるとは、その時には彼等もファンも思わなかった事だろう…(汗

因みに再々結成後の00年から初代ドラマー Diesel Dahlがバンドに復帰し、以降は現在に至るまでドラマーの座は安定しているのがファンにとってはなによりの朗報でしょうネ。

本作リリース後、ドラムスを再び米国人ドラマー John Macaluso(後にARK、Yngwie Malmsteen Band等、etc…)へチェンジしてAtlantic Recordに移籍(アルバムは好セールスなのにポリグラムがバンドに興味を失った為、ユーロ市場を捨てて米国市場開拓を狙ったが時期が最悪だった…)したのを契機に80年風の造り込まれた作風を終了させ、より Tony Harnellが望む音楽性であるナチュラルでストレートなアメリカンHR風サウンドの『Realized Fantasies』を92年にリリースするもののグランジー・ブームの煽りを受けて売り上げは低迷し、さらに Ronni Le Tekroと Tony Harnellの確執が表面化してバンドは呆気なく解散してしまうのでした…

その後、96年に再結成したが初期の音楽性を捨てて時代に融合したモダン・ヘヴィネスな作風の再結成作の数々は結局旧来からのファンにソッポを向かれ、新しいファンも獲得出来ず、挙句に Tony Harnellが脱退、再加入、再脱退を繰り返すというトンデモ事態で活動もままならずバンドの人気はドン底へ転がり落ち、再び解散、とその辺りの仔細については彼等の熱烈なファン・サイト等でお確かめ下さい('A`)

しかし、本作を聴くにつけ思い出すのが、実は大ヒットした本作のタイトル・チューン“Intuition”を歌うのは余り好きでなかった、ヒットしたから仕方が無く歌っていた、という後に明かされた Tony Harnellのインタヴューの内容(でもIntuitionはTonyのアイディアで名付けられた曲なんスけどネ…)でありまして、思えばあの当時から既に Ronni Le Tekroと Tony Harnellの関係は修復し難かったのだなぁ、と…最終的に18年にTNTが4代目フロントマンとして無名のスペイン人シンガー Baol Bardot Bulsaraを迎えた今となっては感慨深いものがありますね…

さて本リマスター作ですが、残念ながら3rd、4th共にボーナストラックの類いは追加されておらずオリジナルと同じ曲数のリイシューとなっており少々残念な再発モノではありますが、新たにアートワークを強化した16ページのフルカラー・ブックレット内には未発表フォトや Ronni Le Tekroと Tony Harnellによる回顧録的インタヴューが記載されており、元々良い音だった彼等のアルバムが今回のリマスター効果でボトムがググッとアップして骨太なヘヴィさが増し、さらにクリアでクリスプな素晴らしいサウンドへ見事にブラッシュアップされておりますので、オリジナル盤をお持ちの方も80年代末期の古いマスタリングでは聴き取れなかったシャープな響きや細かなサウンドの機微を味わえる本リマスター盤を是非一度チェックしてみて下さい!!(゚∀゚)

Track List:
01. A Nation Free (Intro)
02. Caught Between the Tigers
03. Tonight I'm Falling
04. End of the Line
05. Intuition
06. Forever Shine On
07. Learn to Love
08. Ordinary Lover
09. Take Me Down (Fallen Angel)
10. Wisdom

TNT Line-up:
Tony Harnell   (Lead & Harmony Vocals)
Ronni Le Tekro  (All Guitars、1/4 Stepper Guitar)
Morty Black    (Bass、Pedal Synthesizer)
Kenneth Odiinh  (Drums、Percussion)



by malilion | 2022-03-07 20:04 | 音楽 | Trackback
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