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80年代中期にアルバム一枚だけ残し消えたUSハードポップ・バンドLIFE BY NIGHTの未発2ndアルバムが初CD化で限定リリース!!

80年代中期にアルバム一枚だけ残し消えたUSハードポップ・バンドLIFE BY NIGHTの未発2ndアルバムが初CD化で限定リリース!!_c0072376_20414363.jpgLIFE BY NIGHT 「Glass Walls」'21

去年、彼等の85年リリースとなる唯一作がリイシューされ80年代USハードポップ・バンド好きを歓喜させたが、本作はその後にCapitol Records傘下のManhattan Recordsとのメジャー契約を失った結果からかメンツを大幅に入れ替え、新たなメジャー契約を得ようと89年に録音されながら未発表だった幻の2ndアルバム用音源がこの度2021年度デジタルリマスターを施され初CD化&ナンバリング1000枚限定(私のは0497でした)で発売されたので即GET!

記念すべきデヴュー作は、RATTの Juan Croucierの実弟 Tom Croucier(Roger Romeo's ROMEO、Bobby Dazzler、Vic Vergat、AIR PAVILION、etc...:Bass、Vocals) とREO Speedwagonのドラマー Bryan Hitt(Stan Bush、Jef Scott、etc...) が中心となり80年代初頭に結成されたツインギター&ツインキーボード5人組編成であったが、メジャーからドロップ(経緯等は前作の紹介をご覧ください)した後の本作は Tom Croucier以外のメンツを総入れ替えし、新たにキーボード入り4人編成バンドとして制作されている。

所々でノイズが聴き取れたり音がヨレたりヴォリュームがフラついたりする所を見るに、本作は正式な2ndアルバムとして録音されたのではなく、あくまで2ndへ向けて各レコード会社へのプロモーションとしてのデモ音源だったのだろう。

デモ音源とは言え、さすがにメジャー契約を一度は交わしていたバンドだけあって楽曲の質は総じて高く、前作の80年代初期の David Bowieに強く影響を受けてロックとニューウェーブを融合させた80年代初期ユーロ・ポップス風な感触のウェットなメロディとデジタリー・サウンドと同一な路線のサウンドなものの、より洗練されアーバンテイストとAOR風味が強まったラジオフレンドリーなハードポップ・サウンドになっており、当時のUSメジャー・シーンを賑わしていたバブリーで華やかなアメリカンHMバンドのサウンド等も考慮してか前作以上にハードエッジでフラッシーなギターとゴージャスで煌びやかなキーボードがフィーチャーされたコンパクトでキャッチーな楽曲へバンドサウンドが幾分か変化している。

メジャーからドロップしてバンド崩壊後に一番初めに Tom Croucierと合流したのがギタリストの Gene Blackだった事もあって、デヴュー作よりギターが大きく楽曲の中での位置を占めているのは、楽曲制作スタート時点でギタリスト主導だった事が伺え、前作との変化がどのようにして起こったのかが分って面白いですね。

また、本作中で80年代USポップチャートの常連だったE.L.Oのちょっとアンニュイな感触のある『Can't Get Her Out Of My Head』をカヴァーしているのだが、オリジナルで聴けたストリングスを廃してハードなギターと煌びやかなシンセ、そしてお洒落なアレンジがなされたセンスあるAOR風な佳曲へお色直しされており、完全に自分達のカラーに染めあげたサウンドは言われなければカヴァーと気が付かない、当時まだ名の無い彼等が既にこの時点でかなりのスキルを有していた事が分かり大変興味深い点と言えるだろう。

とは言え、結局メジャー契約を手にする事が出来なかった事からも分かるように、よりUSメジャー・シーンへ接近した洗練されたサウンドへ路線を修正したせいでか、CHEAP TRICKの Robin ZanderのロートーンとSAGAの Michael Sadlerのロートーン(歌い方もチョイ似てる)を足して二で割ったイメージの Tom Croucierのどうしょうもなくユーロ・ポップなテイストを醸し出す穏やかでセンチメンタルな歌声が、朗らかで能天気なUSハードポップ・サウンドと上手くアジャストせず前作以上に違和感を強く感じさせる結果になってしまったように思えて、どうして彼等が次なるメジャー契約を得る事が出来なかったかの原因が透けて見えるような気がします…

ただ、前作はリズム隊がバンド立ち上げだった為にリズムパートが悪目立ちしていたが、大幅にメンバーチェンジした事もあってかしっかり派手に弾きまくるギターの硬質なサウンドとデジタリーなシンセサウンドをメインに楽曲が展開していくバランスの取れた非常にキャッチーな完成度の高いハードポップ・サウンドになっており、もし本作がメジャー契約を交わしてちゃんとしたプロデューサーの元で録音され、当時の流行りの造り込まれた産業ロック的スタジオワーク増し増しなオーバー・プロデュースと分厚く爽快な80年代USロックお約束なバッキングヴォーカルを加えた加工等が施されていたならば、決してチャートアクション的に悪い結果を残すような駄作にはならかったのではないかと予想出来るなかなかに良い出来の、類型的なUSハードポップ勢の中でも一際目立つ独特なサウンドで聴衆を魅了出来たんではないかと思えるだけに、本音源が幻の2nd音源として長らくお蔵入りしていたのが非常に残念でなりません…

知名度的に低い彼等ではありますが、当時陽の目を見る事がなかった幻の80年代メロディアス・バンドのレア・アイテムが今回こうして限定とはいえ再発されたのは大変喜ばしい事ですので、80年代USメロディアスロック・マニアな方は一度チェックしてご自身の耳でその出来の程を確かめてみて下さい。

Track List:
01. Anything Can Happen
02. Give Me One More Night
03. Catch You In My Dreams
04. Fade To Blue
05. Can't Get Her Out Of My Head
06. Glass Walls
07. I Was That Man
08. Say It
09. Living On The Edge
10. Bridge Of Love
11. I Fall In Love With You
12. This House Is Not A Home

LIFE BY NIGHT Musiciens:
Tom Croucier  (Lead Vocals & Bass)
Mark Nelson   (Drums: ex-DEVICE、Phil Cristian、Randy Hansen、etc...)
Gene Black   (Guitars: ex-DEVICE、ex-BERLIN、Rod Stewart、Tina Turner、Holly Knight、Gowan、Joe Cocker、etc...)
Pat Regan    (Keyboards: ex-EYES、ex-HARLOW、ex-STREAM、etc...)

結果的に本作はリリースされる事なくバンドも短期間で空中分解してしまいましたが、その後元メンバーはセッションやツアー要員、スタジオ・ミュージシャン等で今も各方面で活躍を続けており、各メンバーのプレイや名前を記憶されている方は彼等が若かりし頃に成功を夢見て結成したバンドの音をチェックしてみるのも宜しいのではないでしょうか?

P.S.
Pat Reganが以前在籍していたEYESは Jeff Scott Sotoでお馴染みなあのHMバンドのEYESではありません、念の為。




by malilion | 2022-01-13 20:42 | 音楽 | Trackback
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