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ドイツの白蛇ことWICKED SENSATIONが7年ぶりに新作をリリース!!

ドイツの白蛇ことWICKED SENSATIONが7年ぶりに新作をリリース!!_c0072376_01312900.jpgWICKED SENSATION 「Outbreak」'21

99年結成と結成20年越えの古株ながら、そのアルバムの素晴らしい出来映えと裏腹に長らくマイナーな存在に甘んじて来た6人組ドイツ産メロディアスHRバンドの7年ぶりとなる5thアルバムがリリースされたので即GET!

WHITESNAKEの David CoverdaleやY&Tの Dave Menikettiを彷彿とさせる、そのソウルフルでディープな抜群の歌声と歌唱力を誇るフロントマン Robert Soeterboekの熱いヴォーカルが売りの本バンドであったが、14年リリースの前作『Adrenaline Rush』ではその Robert Soeterboekが体調不良でレコーディングに不参加となり、急遽助っ人でBANGALORE CHOIR(ex:ACCEPT、BONFIRE、etc...)の David Reeceがヴォーカリストとして参加し、彼のそれまでのキャリアでは余り聞かれない Robert Soeterboekを強く意識した Paul Rodgers風のブリティッシュ風味あるポップで伸びやかな歌声を聞かせた訳だが、何がどうしたのかこのインターバルで Robert Soeterboekが脱退し(涙)、代わって代役だった David Reeceが正式にフロントマンとなり、前作からのリズム隊もゴッソリと入れ替わった(リズム隊は当初から安定しないんだよなぁ…)新体制で初となるスタジオ音源となっている。

看板ヴォーカリストの脱退はかなりの痛手ではあるが、本作では David ReeceがWICKED SENSATIONに合わせた渋めなディープ・ヴォイスを駆使した歌唱を聴かせ、歌メロはアメリカンでキャッチーなもののバックの白蛇風味溢れるサウンドと擦り合わせるような工夫をしており、一応これまでのバンドイメージをブチ壊すようなヴォーカル・アプローチはしていないのが救いであります…

そうそう、本作から参加の Alex Hlousek(ex:S.I.N.、FOREVER) のパワフルでソリッドなドラミングがバンドサウンドのアグレッシヴさや華やかさ、そしてスリリングな楽曲のスピード感を際立たせており、今回のリズム隊の変更が功を奏した形となっている、けど…いつまで彼が在籍してくれるのか今から心配だなぁ…orz

Robert Soeterboek脱退は健康面の問題等あって仕方がない結果だったのかもしれませんが、前作から一時脱退していたオリジナル・ギタリストで本バンドの両輪のもう一人である Sang Vongが復帰し、本作でもそのまま在籍して達者なプレイを聴かせてくれているのが救いでありましょうか?

さて、本作のサウンドの方ですが、奇しくも David Reeceがシンガーとなって二枚目のアルバムとなり、前作で彼が持ち込んだだろうソレまでのバンドカラーと少し違うブライトなカラーがバンドサウンドに変化をもたらした結果なのか、前作の80年代白蛇がモダンでちょいダークになったかのようなサウンドから派手でメタリック、そしてキャッチーでコンパクトさが増した楽曲が増えた方向性の延長線上にあるサウンドとなっており、アメリカで大成功を収めた80年代WHITESNAKEサウンドをモダンに進化させ、ちょっとダークでミステリアスなテイストを加えたアメリカンHRサウンドと言える方向性は、最近デヴューした80年代リスペクトな新人メロハー・バンドと同一路線とも言えるが、伊達に長いキャリアを積んでいない彼等の方が隅々まで気を使ったアレンジやコンポーズが成されており、刺激や勢いでは劣るかもしれないが楽曲の完成度やプロダクション具合で断然勝っている、よりハードに骨太に、さらにキャッチーな仕上がりの、80年代白蛇リスペクトな豪快で朗らかな歯切れ良いUSロック・サウンドが心地よい一作だ。

結果的にだがVAN HALENの David Lee Rothと比較される事もあるカラッとした声質でストレートなアメリカンロック風な歌唱を得意とする David Reeceの歌声(アメリカ人だから当然なんだけど)を得た事によって、よりメジャーシーンで大ブレイクを果たした80年代白蛇のゴージャスで華やかなサウンドへ近づく事が可能になった訳で、私のように Robert Soeterboekの歌声に執着している者以外、きっとバンドメンツも今回の交代劇によってさらに自身の望む音楽性へ近づけたと感じているんではないかと思えます…いい出来のアルバムだけど、だけどね…orz

無論、彼等は単なる白蛇フォロワーではなく、PINK CREAM 69やBONFIRE、JADED HEART、VICTORY風な要素もチラリと垣間見えるドイツの所謂メジャー所のメロディアス・ロック要素も加味しつつ、お手本バンドのサウンドをベースに独自の英国HRと米国HRの折衷的なメロディアスHRサウンドを構築しており、奇をてらう事無いシンプルでストレートな楽曲なれど、タイトでソリッドなサウンドで構築されているのは明らかで、本作は一時期本バンドにベーシストとして参加もし、長らくプロデューサーであり友人でもある Dennis Ward(ex:PINK CREAM 69、MAGNUM、etc...)がミキシングとマスタリングを担当しており、そうした長年の協力関係が彼等の独特なケミストリーを生み出す手助けになっているのは明らかだろう。

前々作ではHELLOWEENの Andi Derisがゲストで歌ったのが話題だったが、前作も Mathias Dieth(ex:U.D.O. ex:SINNER)がギターソロを担当し、テクニカルで重厚なプレイを披露した他、Harry Hessのソロ・プロジェク トFIRST SIGNALでリーダーの Michael Kleinがギター・プレイでヘルプした関係でか、バックコーラス全編に Harry Hessが参加したりと毎回注目のゲストプレイヤーが参加する彼等のアルバムですが、本作にはあの Gus G(FIREWIND、ex:Ozzy Band)がゲスト参加して一曲で華麗なギター・プレイを披露しており、久しぶりの新譜に華を添えているので彼のファンは要チェックだ。

所で本作のアルバムジャケのデザインについてだが、コンセプトを含むアートワークのインスピレーションは、銀河系で発生した『Outbreak(集団発生)』に、本作のリードトラックである『Mission Timewalker』で語られているタイムウォーカーが歴史に介入する為に2019年に送り込まれるが、タイムマシンが暴走して…という現在世界中を襲っているパンデミックから着想を得た導入となっており、英国の多くのアーティスト達が陰鬱なコンセプトのダークなサウンドのアルバムをリリースして来たのに対して、ドイツの彼等はSFチックな切り口で現状を創作活動のポジティブなヒントに利用している所に国民性の違いをヒシヒシと感じてしまいますね(゚∀゚)

白蛇風の豪快でキャッチーなモダンHRが好きな方やユーロ・メロハー好きな方にお薦めなのは間違いなく、知名度も低くマイナーながら素晴らしいアルバムをリリースし続けて来た本バンドのサウンドを是非一度ご自身の耳でチェックしてみて欲しいですね。

Track List:
01. Mission Timewalker
02. Starbreaker
03. Child of Sorrows
04. Light in the Dark
05. Satisfy Temptation
06. Breaking Away
07. Face Reality
08. Hide Away
09. Jaded Lady
10. Step Into the Light
11. Tomorrow

WICKED SENSATION Line-up:
David Reece   (Vocals)
Michael Klein  (Guitars)
Sang Vong   (Guitars)
Alex Hlousek   (Drums)
Mitch Zasada   (Bass)
Bernd Spitzner  (Keyboards)




by malilion | 2022-01-03 01:31 | 音楽 | Trackback
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