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東欧ポーランドのシンフォ・バンドQUIDAMのデヴュー作が21年度最新リマスターでリイシュー!!

東欧ポーランドのシンフォ・バンドQUIDAMのデヴュー作が21年度最新リマスターでリイシュー!!_c0072376_23340399.jpegQUIDAM 「Same 2021 Remaster Version」'21

その後に多くの分派バンドを生んだCOLLAGEと並び90年代ポーランド産プログレッシヴ&シンフォ系ロックを代表するバンドの、未だにファンの間で傑作と語られ続ける彼等の96年デヴュー・アルバムがこの度21年度リマスターを施されリイシューされたのを少々遅れてGET!

彼等をデヴュー作から追いかけている忠実なファンの方ならご存じでしょうが、06年にリイシューされたデヴュー作リリース十周年記念盤に続いて本作は今回で二度目の再発盤となっており、私も御多分に漏れず買い直し(涙)が二度目になります…('A`)

以前の十周年記念盤は、オリジナル盤ジャケのミュシャ風の飾りが消え、バンドロゴの一部とジャケのイラストのデザインが一部変更されており、さらに追加でボーナスCDが付いた豪華二枚組仕様となっており、ディスク1はボーナス映像を追加したエンハンスドCD仕様で、ディスク2には未発曲やLIVE音源、CAMELのカヴァーなどを収録している06年度リマスター盤な上に限定紙ジャケット仕様であった事もあり、元々ポーランド盤はプレス数も少ない事もあって即完売したファン泣かせな一品でありました。

入手しそこなったファンの声にやっと応えて08年に通常二枚組プラ・ケース仕様盤がリリースされたものの、その08年盤も今では入手困難になっていただけに今回の21年最新リマスター&リイシューは近年QUIDAMのサウンドの虜になった方には嬉しい一報だった事でしょう。

さて、今21年度リイシュー盤のジャケは06年リリースの十周年記念盤と同じデザインとなっており、ボーナスディスクの類いは付属していないので見ようによっては08年プラケース盤の廉価版の様に見えるが、目玉としてデヴュー・アルバムの中でも人気のリードトラック『Sanktuarium』を、十数年前に惜しくも脱退してしまった抜群のルックスを誇った歌姫 Emila Derkowska嬢を再びフィーチャー(!!)して新録された21年度ヴァージョンとなる最新音源が追加されていますので、当時国内盤もリリースされたオリジナル盤や十周年記念盤をお持ちの方でも見逃せぬリイシュー盤となっておりますのでお見逃しなく!(゚∀゚)

改めて本作に耳を傾けると、長らく90年代東欧シンフォの傑作と評価されて来たのも頷ける東欧系ならではの冷ややかな透明感と憂い漂う寂寞感を備えた味わい深く壊れ物の様に繊細なそのサウンドは、ゆったりと美しい華やかなシンセと叙情的でセンチメンタルなギターワーク、そして少し芝居がかった優し気な美声のポーランド語で歌われ、Steve Hackett在籍時代のGENESISを彷彿とさせる幻想的で優美な雰囲気とほんのり鄙びた物悲しいメロディーが感動的なまでに美しく、そして切ない美旋律の数々が眩く輝いており、本作をQUIDAMの最高作に推すファンも多いのも納得の魅力的な一枚と言えましょう。

随所でフィーチャーされる甘いストリングスや、主役級の大活躍を見せる清らかなフルート、そしてセンチメンタルな音色を終始紡ぎ続けるギターとキーボード、その全てが叙情的で美しい世界を構築しており、それに輪をかけるようにセンシティヴで優し気な Emila Derkowska嬢のヴォーカルがアンビエントに物語を綴っていく姿は、その後 Emila Derkowska嬢が脱退し、男性ヴォーカルを得てよりHR敵なテイストとパワフルさが増していくQUIDAMから失われてしまった多くの要素がしっかりと本作には息づいており、初めて本作を耳にした時の新鮮な喜びが蘇ってくるようで非常にノスタルジックな想いに囚われてしまいました…(*´∀`*)アノコロハヨカッタナァ…

因みに目玉のボーナス曲ですが、基本的にアレンジ等はオリジナルに倣った創りになっているものの、この25年で研鑽を積んだキャリアが随所で活かされたシンフォ・サウンドになっており、スケール感と優美さ、そしてサウンドの艶やかさは21年度新録版の方が勝っているように聴こえます。

まずはリズム隊のパワフルさが上がりサウンドの立体感が増したのが顕著に分る変化なのと、再び招かれその美声を披露する Emila Derkowska嬢も歌唱スキルが上がっているのか、以前より幾分か力みのようなものが抜けた自然体の伸びやかな瑞々しい歌声を聴かせており、以前のちょっと掠れた芝居がかった歌唱アプローチもアリだったけど、今回のコレはコレで実に良く耳に馴染むストレートな歌唱になっているように思えますが、まぁ、その辺りは好みの差といった所でしょうか?

フィメール・ヴォーカルが苦手な自分ではありますが本作が素晴らしい一枚なのを微塵も否定などしません、もし本作を耳にした事が無い方で女性ヴォーカル・シンフォ・ファンな方がいるならば是非に一度本作をチェックして御購入を検討してみて下さい、きっと後悔しないと思いますよ。



by malilion | 2022-01-02 23:34 | 音楽 | Trackback
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