![]() 北欧ノルウェーのトロンヘイム出身のマルチ・インストゥルメンタリスト Erik Wintherが結成したプロジェクト・バンドがデヴュー作をリリースしたので即GET! NIGHTFOXは Erik Wintherのソロ・プロジェクトで、曲作りからレコーディングまで全て自らの手で行い、全ての楽器とプログラミングを担当する Erik Wintherと、チリ人メタル・シンガーの Felipe del Valle Briecenoのみで構成されている。 そもそも本バンドは2012年にシンセウェイブ・プロジェクトとして設立されており、最初全曲がインストゥルメンタルで作曲されたが初期段階でシンセウェイブの一要素である80年代風ロック・サウンドのカラーが色濃く楽曲から感じられる事からヴォーカルが入った方がより良い楽曲に仕上がると Erik Wintherは考え、2018年にシンセウェイブのEPをリリースする当初の予定を中止し、2017年頃から『NIGHTFOX』をシンセウェイブ・プロジェクトからHRサウンド・プロジェクトへと転向させた、ちょっと変わり種なソロ・プロジェクトだ。 HRプロジェクト転身に合わせ、2019年から2020年にかけて新曲が作られ、古い楽曲もリメイクされて歌詞が書かれ、チリのHMバンドを数多く渡り歩き、現在はチリのHMバンドDOLEZALLやDRAKEでフロントマンを務めているシンガーの Felipe del Valle Briecenoが雇われてレコーディングが開始され、当初は曲が完成する毎に1曲ずつシングル・リリースする計画であったが、最初のシングル『Ride The Sky Tonight』を2020年3月初旬にリリースすると、その直後にデンマークに拠点を置くメロディックHRレーベル Lions Pride Musicから契約の申し出を受け、これを機に連続シングル・リリース計画は白紙に戻されフルアルバム制作へと舵が切られる事に。 ここまで予定が二転三転して来た『NIGHTFOX』プロジェクトだが、21年夏頃にLions Pride Musicからリリース予定であったフルアルバムは、全世界を襲ったパンデミックの影響もあったのかリリースデーが遅れに遅れ、紆余曲折を経て21年年末ギリギリに間に合いやっとリリースされたのが本作となっている。 余談だが、北欧 Lion Musicの主催者でHMバンドLARS ERIC MATTSSON Eternityを率いていた Lars Eric Mattssonとデンマークの Lions Pride Musicの主催者 Carsten Nielsenが良くごっちゃになります(汗) だってメチャ似てるレーベル名なんだもん…orz さて、本作のサウンドだがシンセウェイブ・プロジェクトが出発点とは思えぬザクザクしたハードエッジで硬質なギター・サウンドが全面的にフィーチャーされており、シンセ主導で柔和でノスタルジックなサウンドが特徴のシンセウェイブの面影が随所で伺えるものの、80年代中期、具体的に言うと84年頃を彷彿とさせるキャッチーでメロディアスなアメリカンHRとウェットで叙情感ある美旋律が日本人の心の琴線をくすぐり続ける80年代北欧HMの折衷メロハー・サウンドを聴かせており、意図的なのだろうが Erik Wintherが弾くドライでフラッシーなギター・プレイ(George Lynchのファンなんだろうか?)が初期DOKKENやKEEL、そしてBLACK N'BLUEを強く思い起こさせる80年代ディテールが施されたフック満載のハード・サウンドは、80年代ベースな北欧メロハー・ファンやメロディアスなアメリカンHR/HM・ファンな方には堪らぬデヴュー作だろう(*´∀`*) シンセウェイブ・ミュージシャンは総じてそうだが Erik Wintherも80年代のサウンド、特にメロディアスなHRに傾倒しているのが見て取れ、その影響は本作を貫くキャッチーな美旋律の数々、力強く伸びやかなヴォーカル、フックある爽快なコーラス、印象的でワイルドなギターリフと独創的なソロ、そして軽やかで煌びやかなシンセサイザーの派手なソロと刻むバッキングの数々に否応なく現れている。 幾多のHMバンドで培ってきた強靭な喉から繰り出される少しザラついた苦りのある Felipe del Valle Briecenoのパワフルなヴォーカルやエネルギッシュな歌メロにはBON JOVIやDEF LEPPARDっポイ雰囲気が感じられ、バックのサウンドは煌びやかなシンセが随所で聴けるものの、ドライでハードエッジなギターが主役で、終始メロディーを失うことなく、デヴュー作に相応しく疾走するHRサウンドにはSHYやDOKKEN、TNT、KEEL等の欧米のHMバンドからの影響が色濃く滲み、さらに本作のプロダクションにはレトロなタッチが意図的に加えられており、最近欧米でデヴューしている80年代リスペクトな新世代メロハー・バンド達のサウンドと少し毛色が違って感じられるのは、そういった仕掛け以外にもやはり本バンドの出発点がシンセウェイブ・プロジェクトであった事が大きな原因なのかもしれません。 たった8つの楽曲はコンパクトに纏められておりアッと言う間にアルバムが終ってしまい、マイナーなインディ・レーベル・リリースなので仕方がないが音質やプロダクションはお世辞にも上質とは言えず、楽曲の幅も狭くサウンドのスケールもワンマン・バンドな為か些かこぢんまりとしており、オリジナリティという点でもまだまだなのは否めないが、80年代の輝かしきHRサウンドを現代に甦らせたかのようなキャッチーでワイルドなメロディアスHRサウンドは、その筋のマニアの心を鷲掴みにして放さぬ一作になるのは間違いないだろう。 Track list: 01. Dream Come True 02. Resurrection 03. Ride The Sky Tonight 04. White Cobra 05. Your Broken Heart 06. Phoenix 07. Storm Fighter 08. What Matters In The End NIGHTFOX Musicians: Erik Winther (All Instruments & Programming) Felipe del Valle Brieceno (Vocals)
by malilion
| 2021-12-02 20:25
| 音楽
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