![]() 元SPOCK'S BEARD、TRANSATLANTICの Neal Morse率いるバンド名義での4thアルバムが2年ぶりにリリースされたのを、お馴染みの限定盤(2枚組CD&DVD付キ3枚組!)でかなーり遅れてGETしたのでご紹介。 この所ソロもリーダー・バンドも宗教ネタどっぷりなアルバムばかりリリースしていて、ちょっとソロとバンドの意味が薄れて感じられたのを危惧していた訳ですが、久しぶりに届けられたアルバムは2枚組の大作なれど壮大なコンセプト・アルバムではない、デヴュー作の方向性に回帰し各曲が独立したテーマを持っている通常形態のアルバムとなっていて一安心だ。 メンツも変わりなく、Neal Morse(G、key、Vo)、Mike Portnoy(Ds、Vo:ex-DREAM THEATER)、Randy George(B:AJALON)、Bill Hubauer(Key、Vo)、Eric Gillette(G、Vo)の5人による製作で、欧米のロック界やCCM系界隈等の各方面でセッションやゲスト、プロジェクト等に参加し各自が創作活動で多忙な凄腕ミュージシャン集団の彼等が織り成すアンサンブルや演奏スキル、アレンジ等に問題などある訳もなく、ロック、ジャズ、クラシック、スパニッシュ、民族音楽等の様々な要素をテクニカルなプレイで無理なく織り込みつつ、しっかりと今風のモダンなアップデートが成された80年代的USプログレハード・サウンドのフィーリングをベースに、USAバンドらしからぬ叙情感タップリな美旋律も保ちながら、如何にもアメリカンなキャッチーで爽快な歌メロと分厚く複雑に交差するGENTLE GIANT風コーラスやリードヴォーカルを互いに交代したりと往年のプログレ・バンド風な技巧も駆使した、前作のアメリカン・プログレハード寄りサウンドからよりAORやコンテンポラリー寄りサウンドになったカッチリとコンポーズされたブライトでメロディアスな楽曲が目白押しな秀作と言えるだろう。 本作は非コンセプト・アルバムなれど“Innocence”と“Danger”の2つのパートに分けられた形式となっており、CD1の“Innocence”パートには比較的コンパクトな小曲、中曲を収録し、CD2の“Danger”には大曲2曲を収録した如何にもシンフォ系という盛り沢山なアルバム構成となっている。 CD1の“Innocence”パートから既に各人の才能を存分に発揮したテクニカルで無駄無い堅実なプレイやコンパクトな楽曲が実に心地よく、CD2の“Danger”の大曲では如何にもプログレ&シンフォ系というテクニカルなプレイがメインながら互いにバランスを取りつつここぞというポイントで派手なインター・プレイも垣間見せ、世界観の構成を第一にしたアンサンブルや高揚感あるドラマチックなシンフォニック・アレンジが成された開放的で煌びやかなブライト・サウンドはまさに彼等の真骨頂で、押し引きが巧みに図られた楽曲構成と隅々まで行き届いたコンポーズ、そしてエッジあるメタリックでハードな疾走感あるプレイによる畳みかけと重厚で荘厳なシンフォニック・ロックならではの壮大なアレンジによるスケール感は圧巻で、さすがは Neal Morse率いる猛者達が創り上げた一作だと誰もが納得の目の覚めるような素晴らしい仕上がりなのは間違いない(*´ω`*) ウェットなメロディをフィーチャーしたキーボーディスト主導なUSグレ系バンドというとシンセメインで軟弱なサウンドに陥りがちだが、前作でも素晴らしかったメタリックなサウンドが良い意味で本作でもアルバムを引き締めており、前作より少し控え目になったリズム隊ですが未だに楽曲に強烈な起伏とメリハリ、そしてパワフルさを生み出しており、水を得た魚の様に Eric Gilletteがギターを伸び伸びとプレイし、スリリングなソロパートやフィーリングタップリなメランコリックなメロディ、そして攻めのエッジィなリフや、ふっと訪れる繊細なアコースティックギターの調べ等々、前作に引き続き Neal Morseを差し置いて主役級の大活躍を見せ、本作が有名プレイヤーが立ち上げたリーダー・バンドに有りがちなエゴ丸出しのワンマン体制でない純然たるバンド作なのだと再確認させてくれる。 まぁ、正直このメンツが作る作品のサウンドやプレイに問題があるなんてハナから誰も思っていないでしょうし、参加メンツの名前や元居たバンドや他に参加しているバンド名に惹かれた方やプログレ&シンフォ系ファンが本作に興味を持っているのが大半でしょうから、後は各々が気に入る楽曲だったりメロディ、そしてサウンドやプレイが聴けるかどうかで評価が分れるくらいしか思い当たらないハイレベルでしっかりしたプロダクションが成されたアルバムですので、私の戯言なんぞ気にせず後は各自が御自身の耳で確かめて評価していただくのが一番な、そんな素晴らしい出来の充実作であります。ハイ。 そう言えば先頃31年ぶりに新作をリリースしたカナダのCCM系プログレ・ハード・バンドTRYTANの3rdアルバム『Blood of Kings』'21に Eric Gilletteがゲストで招かれ、何故かドラム(!?)で参加しているので、彼の多才ぶりを確認したい方や彼に興味を持たれた方はCCM系繋がりでそっちもチェックしてみると面白いかも(゚∀゚) SPOCK'S BEARD、TRANSATLANTIC、そしてUSAプロハード・ファンは勿論、CCM系と毛嫌いせずに Neal Morseが描き出すテクニカルでシンフォニックなロマンチック・サウンドは、音楽ファンならば一度チェックしてみても損はない、そんな優れた一枚だ。 ボーナスDVDには、本作の制作過程の模様を収録したドキュメンタリーを収録しているので、マニアな方は迷わずこの限定盤を購入しましょう。 THE NEAL MORSE BAND:Line-up Neal Morse (Keyboards、Guitar & Vocals) Mike Portnoy (Drums、Percussion & Vocals) Randy George (Fretted & Fretless Bass)、 Bill Hubauer (Organ、Piano、Synthesizers & Vocals) Eric Gillette (Guitar & Vocals)
by malilion
| 2021-11-16 00:09
| 音楽
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