![]() イギリス人マルチ・プレイヤー Steve Newman(Vo、G、Key)率いる英国産メロディアスHRバンドの1年ぶりとなる13th(LiveとBEST含まず)がリリースされたのを、今度こそ日本盤あるかもしれないとちょっと待ってみたけどそんな気配が無い(涙)ので遅れて今頃GET! プログレッシヴHMバンドCOMPASSの立ち上げでNEWMANの方の活動が滞るのかと思ったら全くそんな事もなく、予想以上に早くコンスタントに新譜が届けられてメロハー・ファンな諸兄には嬉しい事でしょう。 製作メンツはいつも通り、今回も06年作からずっとアルバム収録に名を連ねるドラムス Rob McEwenのみ引き続き参加しているだけなワンマン体制に変化はなく、前作にバッキングヴォーカルでゲスト参加していた元PRAYING MANTISのヴォーカルだった Mark Thompson-Smithのクレジットも無い、殆ど Steve Newman独力で制作されたアルバムだ。 前作から幾分AOR風味抑え気味でハードエッジを際立たせた、メロディアスでキャッチーなサウンドに傾きはじめたが本作でもその路線を継承しており、ツボを心得た弾き過ぎぬテクニカルでセンスあるギターをメインに据え、小気味よく煌びやかなキーボードと練られたアレンジ(そこはかとTOTOっポサが匂う)が光る、フックの効いたヴォーカル・メロディを前面に押し出した高品質なメロディアスHRサウンドを届けてくれている。 伸びやかでエモーショナルな Steve Newmanの熱唱とAOR経由でより洗練されたメロディアスなHRサウンドがアルバム全編を彩っており、メロハー・ファンにお馴染みな安心安定の高品質サウンドに仕上がった本作は、斬新な試みや新たな音楽的要素を加える事もなくアル意味で楽曲展開も大抵が予想がつくマンネリ作とも言えるが、同一路線のまま手を変え品を変えよりハイレベルでコンポーズされた楽曲をプロデュースし創作し続けるのは至難の業である事はAOR&メロハー系ファンにならば周知の事実でありますので、彼の作品をこれまで購入し支えて来たファンにとって本作の出来に些かも否定的な評価を下す要因にはならないでしょう。 一聴してNEWMANと分かるキャッチーなコーラス、活気に満ちたフック、そしてブライトなメロディーと、コンパクトなモダン・サウンドへ進化した80年代後期USAロック風な楽曲という定番路線をキープしつつ、シンプルでありながら繊細な美旋律と絶妙のアレンジが施された、より骨っぽくエッジの効いた歯切れの良いサウンドを前面に推し出しながら突き抜ける爽快感と熱い躍動感を巧みに交差させ、ぱっと聴きシンプルでストレートな楽曲ながらその実しっかり隅々まで練り込まれたヒットポテンシャルの高い楽曲がズラリと並ぶ本作は、間違いなくメロハー・ファン歓喜の一作であります(*´ω` *) まぁ、余りにバランスを重視した完成度に重きを置いた創りなので『メロハーの会心作か?』と問われると少々刺激が足りぬアルバムという難癖はつけられるかもしれないし、些か楽曲やサウンドの幅が狭いと感じてしまうかもしれません…やはりワンマン体制ではビックリする斬新な変化というのは難しのかもしれませんね。 とまれ、NEWMANは常に良いキャッチーなメロディアス・ロック作を保証してくれているし、この手の音楽ファンならば盲目的に本作を購入しても、決して失望する事はないと断言できます。 これだけ優れたアルバムをクリエイトしているのにも関わらず国内盤が見送られているのは、やはり97年にデヴューしてからずーっと Steve Newmanのソロ・プロジェクトという本バンドのスタンスやメンバーが固定でない状況が何らかの要因になっているのでしょうか…? メロハーファンならずとも彼等のファンにとっても安心の一作なのは間違いありませんので、ご興味あるようでしたら是非一度チェックしてみて下さい。
by malilion
| 2021-11-14 17:41
| 音楽
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