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北欧メロディアスHRバンドの古豪、M.ILL.IONがアルバム・デヴュー30周年記念盤BESTを10年ぶりに復活リリース!!

北欧メロディアスHRバンドの古豪、M.ILL.IONがアルバム・デヴュー30周年記念盤BESTを10年ぶりに復活リリース!!_c0072376_19202744.jpgM.ILL.ION 「Back On Track」'21

90年代の昔、今は亡きゼロコーから国内盤アルバムがリリースされていた B.J Laneby(Bass)率いるキーボード入りツインギター6人組の北欧スウェーデン産メロディアスHRバンドM.ILL.IONの、前作『Sane & Insanity』'11 以来約10年ぶりとなる再始動第一弾アルバムをちょい遅れてGET!

89年にバンドを結成し、デヴュー・アルバムを92年にリリースとすっかりベテランの域な彼等ですが、どうも前作リリース後に再びバンドに危機が訪れ、この長い長いインターバルの間は活動停止状態であった模様だ。

これまで幾度もレーベルを移籍しているバンドは、その都度にBEST盤や新曲と旧曲のアコースティツク・ヴァージョンによるEP等、リリース済みの音源に未発曲やヴァージョン違い等を追加し装いを変えてアルバムをリイシューしたり企画盤をリリースしてきたが、今回の再始動にあたって、三曲の新曲と、二曲のデヴュー・アルバム収録曲のリ・レコーディング&リ・アレンジ、さらに日本盤2ndのボーナストラックだった楽曲や、最初の3枚のアルバム『No.1』『We、Ourselves & Us』『Electric』の楽曲をリミックス&リマスターを施した音源を含む、デヴュー・アルバム・リリース30周年記念企画2021年度BEST盤をドイツの有名レーベルAOR Heavenと契約し、ユーロ圏でいち早くリリースしたのが本作となっている。

注目なのは、89年のバンド結成以来常にメンバーが流動的であった彼等だが、唯一のオリジナル・メンバーでボスある B.J Laneby(Bass)を中心に再始動にあたって再びメンバーチェンジが行われており、Hans Dalzon(Vocals)、CT Rohdell(Guitars)、Marcus Berglund(Keyboards)、B.J Laneby(Bass)というオリジナルメンバー4人が再集結し、そこに新顔である Henrik Andersson(Guitars)、Magnus Rohdell(Drums) の2人が加わった新6人組編成で本作は制作されており、初期M.ILL.IONファンにとっては見逃せない情報だろう。

前作『Sane & Insanity』で新たに加わったメンツの姿やメロディアス・ロック不遇の90年代から00年代のバンドを支えたメンツの姿が無いのが少々残念ではあるが、フロントマンも含めて総取り換えでリユニオンを B.J Lanebyが画策したと思われるし、この長いインターバルをバンドの為にじっと待っている訳にも行かなかっただろうから、これは仕方がないですよね…

さて、待望の新曲の方はと言うと、わざわざオリジナルメンツを含む新編成で制作されたファンの望む通りなサウンドと言え、彼等が初期に披露していたDEEP PURPLEやRAINBOW、WHITESNAKEなどのオーセンティックでオールド・スタイルなHRサウンドをベースに北欧的なエッセンスをまぶしつつ、今のバンドらしいモダンな感触も付け加えられたハードドライヴィンなメロディアスHRサウンドで、時代を考慮してか幾分かヘヴィでメタリックなハード・サウンドに寄せているが、お約束の重く歪んだオルガン・サウンドがウネって大活躍し、彼等お得意の分厚く爽快なコーラスやギターとキーボードのユニゾンもしっかりフィーチャーされており、新メンバーである Henrik Anderssonの弾く初期RAINBOW風なミステリアスなフレーズや、URIAH HEEPを彷彿とさせる粘っこいギター・サウンドが実にいい味を出していて、如何にも80年代北欧風なそのウェットなメロディアスHRサウンドが実に堪りませんデス♪(*´∀`*)ハイ

新曲はちょっと聴き90年代にユーロ路線へ回帰しだした当時のURIAH HEEPっポク聴こえ(Hans Dalzonのヴォーカルが経年の為か以前にも増して Bernie Shawっポク聴こえるんだよなぁ)たりして、HEEPファンでもある自分としては是非このモダンでキャッチーな方向性で次なる正式な再始動アルバムを制作して欲しいと願ってしまいました('(゚∀゚∩

1stの再録曲の方はオリジナルとの違いが顕著に表れており、最も違って聴こえるのはヴォーカルの Hans Dalzonがオリジナルで聴けたような溌剌としたハイトーン・ヴォールで歌っておらず、バンドも彼のキーの下がったヴォーカルに合わせてダウンチューニングしたサウンド(煌びやかなシンセも消えてる…)を鳴らしており、今風のヘヴィで図太いサウンド・アプローチとも受け取れるが、オリジナルの如何にも洗練されていない青臭く不器用で朴訥な歌やサウンドより断然今回の再録の方がサウンドもプレイもレベルは上なものの、個人的には今回の再録曲の仕上がりは爽快感のあったオリジナルに及ばないイマイチな出来だと思えます…

既発曲のリミックス&リマスターの仕上がりの方は、いずれも高い評価を得ているアルバムからチョイスされただけあって耳を惹くメロディやアレンジ、そして売りの分厚いコーラスがちょっと強調されている風に聴こえ、アップデートされて今風にヘヴィなエッジとボトムを増した骨太サウンドも相まって、まさに不遇の90年代を生き抜いたクラシック・メロディックHRサウンドの輝きに満ちており、彼等を知らぬ今の若いHRファンに本作の80年代から脈々と受け継がれてきた北欧HRサウンドを是非聴いて欲しいものだ。

今風なリミックスやリマスターを施した為か、当時は余り感じなかった彼等の持つメランコリックな北欧バンドらしいウェットで叙情感あるメロディや、小洒落たアレンジがより一層に引き立って新鮮な感動をもたらしてくれ、彼等のオリジナル・アルバムをお持ちの方も是非に本作のクリアーでソリッドに生まれ変わったサウンドを一度チェックして頂きたいものであります(゚∀゚)

Track List:
01. Back On Track     (New Song)
02. Rising           (New Song)
03. Circle Of Trust     (New Song)
04. 90-60-90        (2021 Re Recording Track)
05. Sign Of Victory     (2021 Re Recording Track)
06. Judgement Day     (Remastered 2021)
07. Eye Of The Storm    (Remastered 2021)
08. Narrow Mind Land   (Remastered 2021)
09. Lovely Eyes       (Remastered 2021 -Only Japan Bonus Track at The Time )
10. Burn In Hell      (Remastered 2021)
11. Doctor Loov      (Remastered 2021)
12. Mother Earth      (Remastered 2021)
13. Get Down To Biz    (Remastered 2021)
14. Tear Down The Walls  (Remastered 2021)
15. Candyman       (Remastered 2021)

M.ILL.ION Line-Up:
B.J“Berra”Laneby    (Bass Guitar)
Hans Dalzon     (Lead Vocals)
CT Rohdell       (Rhythm Guitars、Backing Vocals)、
Marcus Berglund   (Keyboards)
Henrik Andersson   (Lead Guitars、Backing Vocals)
Magnus Rohdell    (Drums、Percussion、Backing Vocals)

P.S.
所でフロントマンの Hasse Johanssonだが、現在のバイオグラフィーでは Hans Dalzonという名前となっており当時と何故名が違うのか理由は不明だ。



by malilion | 2021-10-11 19:20 | 音楽 | Trackback
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