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90年代初頭に英国HRの復権を期待され、その夢を叶えられず解散した若手バンドJAGGED EDGEのアルバムがリイシュー!

90年代初頭に英国HRの復権を期待され、その夢を叶えられず解散した若手バンドJAGGED EDGEのアルバムがリイシュー!_c0072376_00283365.jpegJAGGED EDGE 「Fuel For Your Soul + Trouble + 10」'21

1986年英国ロンドンで若き天才ギタリストと言われた Myke Grayを中心に結成された4人組ブリティッシュHRバンドがPolydor Recordsと契約して残した、デヴューEP『Trouble』'90、続いてリリースしたフルアルバム『Fuel For Your Soul』'90、そしてバンドとして最後の公式音源であるマキシシングル『Hell Ain't A Long Way』'91 収録のLIVE音源が2CDに収録されフランスのBad Reputationレーベルからリマスター&オフィシャル・リイシューされたのをちょい遅れてGET!

Myke Grayは、ギタリストの Bernie Torme(GILLAN、Ozzy Osbourne Band、ATOMIC ROOSTER、etc...)の前座に12歳でステージに立ち、以降活動を続け実力をつけながら18歳でJAGGED EDGEを結成するが、御多分に漏れず彼等も結成からしばらくはバンドメンツが入れ替わり立ち替わりし、スウェーデン人ヴォーカリスト Matti Alfonzetti(ex:BAM BAM BOYS)が加入してラインナップは安定をみせ、ベーシストに Andy Robbins(ex:GENGHIS KHAN、ex:TOKYO BLADE、ex:KILLER、ex:SHOGUN)、そしてイタリア人ドラマー Fabio Del Rio(後に Bruce Dickinson Band、STONEへ参加)という布陣でEP制作へ取り掛かる事に。

低迷を続けていた英国HRの復権を期待されていた若手バンドでありましたが、90年代~00年代はモダン・ヘヴィネスやグランジーなヌー・メタルがメジャー・シーンを席捲していた状況にあっては彼等の活躍の場は少なく、Ozzy Osbourneの全英ツアーのオープニングアクトなども務めたもののバンドを取り巻く状況やシーンは好転せず、結局フルアルバム・リリースの翌年に Matti Alfonzettiがバンドを脱退し、JAGGED EDGEも敢え無く解散してしまう…

Myke Grayはその後、SKINなるちょいモダン・アプローチの入ったブリティッシュHRバンドを結成するもののブレイクは叶わず、Matti Alfonzettiは北欧スウェーデンでモダン・ヘヴィネス・バンドSKINTRADEを結成し、デヴュー作は好評だったものの結局バンドは停滞し解散、そしてその後は紆余曲折を経てメロハー界隈で活躍するシンガーになるのですがそれについては再結成SKINTRADEのアルバム紹介の所で語っているのでここでは割愛させて頂きます。

個人的にその活動を追いかけているスウェーデン人シンガー Matti Alfonzettiが初めてメジャー・シーンにその名を表したバンドだけあって彼等のデヴュー作を私も期待を込めて当時購入した記憶がありますが、今聴いてもWHITESNAKE系譜のブルーズ風味タップリなブリティッシュHRサウンドを継承する80年代USメジャー・メインストリームを意識したキャッチーなサウンドを保ちつつも英国らしいウェットなメロディと骨太で渋い奇をてらわぬドストレードなロック・サウンド、そして David Coverdaleを彷彿とさせる Matti Alfonzettiのソウルフルでディープなセクシー・ヴォイスが堪能出来る英国産メロディアスHRサウンドな一作であります♪('(゚∀゚∩

まぁ、当時はこんなに伸びやかにパワフルに熱唱する Matti Alfonzettiは殆ど注目されず、新世代スター・ギタリストと目されていた Myke Grayのエモーショナルで音数の多いテクニカルなプレイばかり注目されていた訳ですが、その後の活躍で明暗クッキリ分れてしまった事を思うとなんとも言えぬ運命の悪戯を感じてしまいます…

英国バンドらしいアコースティカルなテイストやポップで軟弱になりがちなサウンドをピリリと引き締めるエッジの立ったヘヴィで伸びやかなギター・サウンドや堅実なリズム隊のプレイとアンサンブルが実に心地よく、こんなに良い出来のブリティッシュHR作が当時売れなかったなんて、本当に90年代から00年代にかけてはメロディアスHR好きにとって辛く悲しい暗黒の時代でありましたネ…(´д⊂)

元々メジャーからのリリースでしたから、リマスター効果でさらにクリア、そしてファットになったボトムが心地よい、今の時代に即した高品質HRサウンドに仕上がっておりますので、オリジナル盤をお持ちの方でも今一度購入しても決して損にはならない今回の2in1リイシュー作ですので気になる方はチェックお忘れなく(*´∀`*)

また、本作には日本盤ボートラやマキシシングル『Hell Ain't A Long Way』収録の『Hell Ain't A Long Way』のLIVEヴァージョン・トラックだけ外し、他の3曲のLIVEトラック(内1曲『Life In The Fast Lane』はアルバム未収録曲)をボーナストラックとして収録するだけでなく、さらに1曲デヴュー・フルアルバムに収録の『Out In The Cold』のLIVEヴァージョン・トラックを追加で収録しているので、彼等のファンは要チェックだ。

アメリカで大成功を収める直前のWHITESNAKEサウンドや80年代ブリティッシュHR作がフェヴァリットな方々にお薦めしたい、そんな本作であります。

因みにアメリカに同名バンドが居た為、EPリリース後に混乱を避ける為かバンド名をJAGGED EDGE U.K.へと変更していますが、もう今さらな話ですよね(汗



by malilion | 2021-09-14 00:31 | 音楽 | Trackback
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