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元TRILLIONの Thom Griffinと有名セッション・ギタリスト Bruce Gaitschらが結成した幻の4人組USバンドTIMのアルバムが初CD化でリリース!!

元TRILLIONの Thom Griffinと有名セッション・ギタリスト Bruce Gaitschらが結成した幻の4人組USバンドTIMのアルバムが初CD化でリリース!!_c0072376_20050344.jpgTIM 「Same」'83

80年代初期にシカゴを拠点に活動したアメリカン・プログレハード・バンドTRILLIONの二代目フロントマンでマルチ・プレーヤー、プロデューサー、エンジニアとしても活躍する多才な Thom Griffinと本作参加時はまだ無名であったが Richard Marxや Peter Ceteraといった数多くの大物アーティスト達のアルバム制作にセッションミュージシャン及びソングライターとして参加し名を馳せ、今もAOR界隈のバンドやセッション参加で忙しいギタリスト Bruce Gaitschを中心にシカゴを拠点に活躍していた売れっ子セッションミュージシャン達4人によって結成され、83年に録音しながらも未発表のままで解散してしまったUSメロディアス・ロック・バンドが遺したお蔵入りとなっていた幻の音源が今回発掘されMelodicRock Classicsレーベルから2021年度リマスター&初CD化で38年の歳月を経て初リリースされたのを即GET!!

Bruce Gaitschと Thom Griffinが語る所によると、当時バンドは『我々はシカゴのTOTOになろうと必死だったんだ!』との事で、そのサウンドはTRILLION + STYX + SURVIVOR × AOR=TIM、といったキャッチーでポップでありながらハイセンスでモダン、ほんのりフュージョン・フレーバーやUSプログレ・ハード臭もそこはかと香る絶妙なバランスで構成された代物で、当時の売れ筋であるTOTOやCHICAGOと同じ80年代のメジャーシーンを賑わす華やかなAOR&産業ロック路線を目指して制作されただけあってサウンドプロダクションが上質なのに加え、Thom Griffinの伸びやかで哀愁漂う絶品な歌唱と分厚く爽快なコーラス、さらに売れっ子セッションミュージシャンだったメンバー全員が作詞、作曲に参加した効果か、小洒落たアレンジの効いたコンパクトな楽曲は総じてハイレベルな、演奏、歌唱、楽曲と全て三拍子揃ったその高い完成度のサウンドはお手本バンドに迫る出色の出来栄えと言え、どうしてこんなに良い出来のアルバムが当時お蔵入りになってしまったのか不可解な驚きの発掘音源だ!('(゚∀゚∩

Bruce Gaitschと Thom Griffinが語る通りだとするなら『TIMのメンバーは個々のセッション活動や家庭の事情で多忙を極め、バンドはそれ以上の音楽活動を続ける事が出来なかった』らしく、Bruce Gaitschだけみても、84年に Barbra Streisand や Stephanie Mills、Evelyn "Champagne" Kingと、立て続けにアルバム制作等に関わっているのでその言葉に嘘は無く、これは偏にメンバー達が腕利きのセッションマンだったからこそ起きた悲劇と言えましょう。

個人的には大好きなTRILLIONの2ndでウェットな歌メロと上から下まで幅広い音域をカヴァーする抜群の歌唱スキルで楽しませてくれた Thom Griffinが、もし83年に本作をリリースし、素晴らしい内容に比例してチャートアクションも良好であったならば、きっと本作に続く良作が黄金の80年代チャートを飾りまだまだアルバムを数枚は届けてくれたハズなのに、と後悔すること頻りで、本作の素晴らしい仕事ぶりを聴くにつけAMBITIONで2006年にカムバックするまでその名をミュージックシーンで見かけられなかったアメリカの厳しく層の厚いショービジネスの現実を垣間見る思いであります(´д⊂)

Thom GriffinのTRILLION時と同じミドルレンジ主体の滑らかで伸びやかなメロディアスなヴォーカルと分厚いSTYX張りな華やかなコーラスが実に耳に心地よく、Bruce Gaitschの弾くギターもそこそこエッジがあって主張はするが、総じてクリアーで伸びやかな美旋律をエモーショナルに紡ぐ事の方が多い楽曲に即したプレイで、如何にも80年代というシンセのデジタリーで煌びやかなサンプルや当時定番なドラムの深いリヴァーブもなにもかもが懐かしく、そのサウンドは全てオートチューンやクオンタイズ、シーケンサーなどを使わずにアナログ録音され、殆どオーバーダブを用いずに制作したと Bruce Gaitschが自慢げに語る通り、今聴いても本作の瑞々しいメロディと艶やかなサウンドが少しも損なわれていないのは、当時から彼等に本当に優れた作曲能力と素晴らしい録音技術があったからに他ならないだろう。

と、何もかも素晴らしい本作なのですが、発掘音源だからなのかマスターの保存状態がよろしくなかったからなのか21年度リマスターが成されているハズなのに、所々でノイズや音のヨレ、ヴォーカルが左へ右へ移動したりと不味い箇所が聴き取れ、文句なく素晴らしい内容なのにそこだけは非常に残念だ…orz

折角こんなに素晴らしい音源なんだから、もうちょい金をかけて修復を含めたリマスター作業をして欲しかったなぁ…

尚、バンド名の由来はMonty Pythonの映画『Holy Grail!』に登場する“魔法使いのティム”からいただいた、とメンバーが語っていますが、折角こんなにハイソでキャッチーな洒落たサウンドの作品なんだからもうちょい恰好つけたバンド名にすればいいのに、と思わないでもありませんね(w

TOTOやCHICAGOをはじめとする80年代のチャートを飾った産業ロックやAORがお好きな方や、TRILLION、STYX、SURVIVOR等のコーラスが美しいキャッチーなサウンドの80年代USバンドがお好みな方にも是非お薦めしたい一枚であります(´∀`)

なんでも1000枚限定リリースとの事なので、お求めの方はお早目にネ!

Track List:
01. Somethings Coming
02. Never Let You Get Away
03. Maybe It's Better
04. Astral Games
05. Think Back
06. Whatcha Gonna Do
07. One Dark Night
08. Victim Of Love
09. Lovers Never Cry
10. Kiss And Tell
11. Mary Anna

TIM Musiciens:
Thom Griffin    (Vocals、Guitar:ex:TRILLION、ex:MECCA、AMBITION、Brian Wilson、Jimi Jamsion、Dennis De Young、PRIDE OF LIONS、etc...)
Bruce Gaitsch   (Guitars:KING OF HEARTS、Richard Marx、Fergie Frederiksen、CHICAGO、Peter Cetera、Agnetha Faltskog[ABBA]、Michael W.Smith、Madonna、Jim Peterik、Kelly Keagy、etc...)
Bob Lizik     (Bass:Brian Wilson、Dennis De Young、PRIDE OF LIONS、SOLEIL MOON、Peterik/Scherer、Jim Peterik & WORLD STAGE、etc...)
Terry Tossing Esq (Keyboards)

with:
Tom Radtke    (Drums:John Prine、Dennis DeYoung、Barbra Streisand、etc...)
Jim Hines     (Drums:Brian Wilson、Cyndi Lauper、etc...)


by malilion | 2021-08-03 20:05 | 音楽 | Trackback
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