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英国メロハー・バンドNITRATEがART NATIONの Alexander Strandellをニューシンガーに迎え新作をリリース!!

英国メロハー・バンドNITRATEがART NATIONの Alexander Strandellをニューシンガーに迎え新作をリリース!!_c0072376_20082570.jpgNITRATE 「Renegade」'21

イングランドはノッティンガム出身の Nick Hogg(Bass & Keyboards)が立ち上げ2015年に結成されたキーボード入りツインギター6人組メロハー・バンドが、前作『Open Wide』から約2年ぶりに3rdアルバムをリリースしたので即GTE!

デヴュー作でフロントマンに元ZINATRAで現在は自身のリーダーバンドMENNENを率いるオランダ人シンガー Joss Mennenを迎えていたが、再びフロントマンをチェンジしてスウェーデン産メロディアスロック・プロジェクトFIND MEのギタリストでもあるスウェーデン人 Philip Lindstrand(EAST TEMPLE AVENUE、FIND ME)をシンガーに迎え良作メロハー作である2ndアルバムを19年にリリースしていた彼等だが、待望の新作である本3rdアルバムでもまたまたフロントマンがチェンジしており、再びスウェーデン人シンガー Alexander Strandell(ART NATION、ex:DIAMOND DAWN)がその伸びやかで透明感ある素晴らしい美声を披露している。

そもそも本バンドの創設者でありリーダーである Nick Hoggは、2000年代前半に英国から米国を股にかけて幾つかのバンドを渡り歩いた後、グランジー・ブームでアメリカのミュージック・シーンが鈍色に塗り潰されていた間は音楽シーンから遠ざかっていたが、近年になると再び音楽活動を再開させ、DEF LEPPARD、EUROPE、MOTLEY CRUE、BON JOVI等の80年代メジャー・ロックシーンを彩ったバンド達にインスパイアされたゴージャス且つキャッチーなメロディアス・ハード・バンド結成を目論み、アメリカから地元ノッティンガムに戻ると同じ音楽的影響を受けていたソングライターで英国人ミュージシャンであるTIGERTAILZのフロントマン Rob Wylde(MIDNITE CITY、TIGERTAILZ、TEENAGE CASKET COMPANY)に助力を求めて共同で作詞作曲を行いデモ制作を進め、シンガーに前述の Joss Mennenを迎え、ドラマーに Pete Newdeck(MIDNITE CITY、ex:EDEN’S CURSE、ex:BLOOD RED SAINTS、ex:NEWMAN)というベテラン揃いな顔触れによるキャッチーなサウンドが好評なデビュー・アルバムを18年にリリースした、までは良かったのだが以降本作に至るまで一度として同じメンツや編成でのアルバム制作になっておらず、どうにもメンツが不安定なのはやはり Nick Hogg以外のメンバーが他のバンドとの掛け持ちで活動している為か、それとも元々 Nick Hoggのプロジェクト・バンド的なスタンスでの創作だからなんしょうかねぇ…(汗

そういう流れだからか本作にはデヴュー作以来ドラマー(2ndはミキシングも担当な上、歌えるドラマーだったのに…)だった Pete Newdeckの姿も無く、前作から参加だったVEGAのギタリスト Marcus Thurstonも消え、さらに双頭バンドと思っていた立ち上げメンツである Rob Wyldeの姿も無い代わりに、新たに英国メロディアスHRバンドVEGA在籍の Tom & JamesのMartin兄弟とラップバンドやジャズ、クロスオーバー・エレクトロ・ポップなど無数のセッションやプロジェクトに参加してきた英国人マルチ・インストゥルメンタリストの Mikey Wilson(KIMBER、ex:COOL DOWN ZONE、ex:DUST JUNKYS、ex:THE OWL ENSEMBLE、ex:SWING OUT SISTER、ex:52nd STREET、etc...)をドラマーに迎え、リード・ギターはまだ無名に近い Dario Nikzad(HEL TO PLAY)が担当と、Nick Hogg以外総入れ替えでメロハー・ファン垂涎の強力体制となって制作された本作は、そのメロディアスなサウンドの方向性を変化させた注目作だ!

前作『Open Wide』は80年代ヘア・メタルをはじめアメリカンHRや80年代産業ロックの影響大なキャッチーでフックあるサウンドが4割りで、残り6割りを欧州らしい哀愁感と透明感を湛えたウェットなメロディや英国バンドらしい叙情感あるアレンジ等の要素が上手くMIXされた、ブリティッシュ・バンドらしいエッジも保ちつつ派手さ抑え目の聴き心地良いメロハー・サウンドであったが、続く本作ではリードヴォーカルの Alexander Strandellが持ち込む北欧風のウェットで透明感と爽快感あるフックあるヴォーカルメロディや Tom Martinが洒落たリズムギターを演奏し、James MartinもHR的な刻む鍵盤捌きでなくスムースでアーバンテイスト香るツボを心得たキーボード・プレイに徹した為か、前作までの英国HR風味が大きく減退し、アメリカン要素もバブリーな80年代ヘアメタル・テイストからより大衆向けのコンテンポラリー・サウンドに接近したモダンでポップなサンドへと、ロック的なエッジとパワーも薄れてデジタリーな香りを纏ったAORフィーリングが強い、かなりソフトケイスされた上品な耳障りのメロディアス・サウンドへ様変わりしているのに驚かされました。

この新作はDEF LEPPARDの『Hysteria』を意識した作風とのインフォだったので、北欧のLEPSコピーバンドGRAND DESIGNみたいな(笑)分厚い人工合成甘味料風なコーラスで攻めて来るのかと思いきや、どうやら彼等の解釈するDEF LEPPARD要素とはサウンドのモダンさや細かで手の込んだアレンジについて大きく影響を受けただけでサウンドそのものはモロな影響(線の細いギターが紡ぐメロディアスなプレイにだけLEPS風味が強い?)を伺わせる三流バンドのような下世話さは無く、さすが誇り高き英国バンドだなと納得しきりであります(´∀`)

まぁ、本作のプロデュースを Tom & JamesのMartin兄弟と Mikey Wilsonが手掛けている(Nick Hoggは前作でもプロデュースやミックスに関わってないけど、自身の作品なのに興味ないのだろうか…)だけでなくキーボードやギターもプレイしミックスも Mikey Wilsonが手掛けているので、その辺りの事情が本作のサウンドが一気にモダンでスムースになった要因の一つだろうが、新加入の猛者達が持ち込んだ音楽的要素や優れたプレイスキルによって前作を凌ぐ磨き抜かれた美旋律の数々が所狭しとアルバムに響き渡っている最大の要因なのは間違いない。

キャリアは長いとは言え長らく英国のマイナー・シーンでしか活躍出来ていない Rob Wyldeが脱退し、アメリカでも一時期活動していた Nick Hoggのメジャー嗜好なサウンドの好みがより色濃くバンドサウンドへ反映されたとも言えるかもしれませんが、ゴージャス且つキャッチーなメロディアス・ハードというデヴュー以来のバンドコンセプトを保ちつつ、米国産業ロックと英国HR風をMIXしたサウンドへの接近や、よりモダン化したサウンドとAORフィーリングが濃厚なシャレオツなメロディアス・サウンドへと装いを変えながら音楽性の幅を広げた今回の意欲的な挑戦作は、頑なに80年代だけにこだわっている訳ではなく現在のメロディアス・ロックシーンへもしっかりと今後はアプローチするつもりだとの Nick Hoggの意思表示のようにも思えます。

しかし、フロントマンをチェンジするとこうもサウンドが変わるのかという程に Alexander Strandellの伸びやかなハイトーン・ヴォーカルが振り撒く北欧風味が実に良い塩梅に本作のモダン・サウンドに叙情感と透明感を加える役目を果たしており、余り彼自身のバンドではフィーチャーされない深みあるロートーンの歌声などはちょっと聴き同じ北欧シンガーのビッグネームである Goran Edmanッポい豊かで味わい深い叙情香る歌声に聴こえたりして、今回彼を起用した Nick Hoggの選択眼には賞賛の言葉しかありませんネ('(゚∀゚∩

また、新ギタリストの Dario Nikzadは本隊バンドでのゴリゴリにヘヴィでメタリックなギター・プレイではなく、バンドサウンドに即した抑えめながらツボを心得たフィーリング重視のプレイを心掛けており、ここぞと言う所で短いソロで斬り込んだりと唯一HM的なプレイを聴かせて甘々になりがちなサウンドを引き締める縁の下の力持ち的な役割を担っている点も見逃せないポイントだ。

そうそう本作はFrontiers Recordsを中心に表に裏にと八面六臂の活躍をしているワーカホリック・イタ公(笑) Alessandro Del Vecchioによるマスタリングな関係でか、バッキングヴォーカルに全面的に彼が参加しており、自身のバンドやアホ程の数のメロディアス・バンドやプロジェクト、そして企画モノや新人バンドのプロデュース等々を手掛けているのに本当に彼は一体いつ寝ているのか驚かされっぱなしであります( ゚д゚)

前作のようなHR風味が強いサウンドがお好きな方には本作は少々軽めであっさりしたポップス要素が多目でお気に召さないかもしれませんが、キャッチーでフックあるメロディアス・サウンドの品質は折り紙付きでありますので、あと一歩でA級に迫る勢いな彼等の新作のサウンドを是非一度ご自身の耳で確かめてみてください。

Track List:
01. Danger Zone
02. Renegade
03. You Think You've Got It
04. Big City Lights
05. Why Can't You Feel My Love
06. Children of the Lost Brigade
07. Addicted
08. Alibi
09. Lay Down Your Arms
10. Edge of Surrender
11. Take Me Back

NITRATE Musiciens:
Nick Hogg       (Bass Guitar)
Alexander Strandell   (Lead Vocals)
Tom Martin       (Rhythm Guitars)
James Martin      (Keyboards)
Dario Nikzad      (Lead Guitars)
Mikey Wilson      (Drums、Additional Guitars & Keyboards)

with:
Alessandro Del Vecchio (Backing Vocals)

Produced by Tom & James Martin & Mikey Wilson
Mixed by Mikey Wilson

PS.
1st、2nd共に国内盤がリリースされた彼等ですが、1stは日本盤ボートラだけでなく Rob Wyldeが歌った4曲のDEMOトラックを追加した20年度リイシュー作や、2ndは国内盤とAOR Heaven盤ではボートラが違い、AOR Heaven盤は1st収録曲を2ndのシンガー Philip Lindstrandが歌った新ヴァージョンを収録と、彼等のファンは国内盤を購入しただけじゃ安心は出来ませんゾ(汗

PS.
本作も無事国内盤がボートラ入りで発売される事となりました。
慌てて輸入盤を購入される事のないように。
まぁ、DL購入する人には関係ない話だけど。

by malilion | 2021-08-01 20:08 | 音楽 | Trackback
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