![]() 80年代に英国で活躍したポンプ・バンドが再始動し前作『Little Gods』'89 から32年ぶり(!!)に5thアルバムを自主リリースしたのでご紹介。 ポンプ・ムーヴメントの立役者のMARILLIONやPALLAS、PENDRAGONのような80年初期代デヴュー・バンド達と、その穏やかでGENESISとYESをMIXしてCAMELのメロゥさとフォーク・フレーバーをまぶしたようなポップ・サウンドがデヴュー当時は比較される事もあるマニアックなB級ポンプ・バンドでありました。 ポンプ・バンドらしい70年代リスペクトな英国プログレ・サウンドを強く意識したサウンドをベースに、ポップな歌メロと上品なインストゥルメンタル・ブレイクをブレンドした楽曲が収められたデヴュー作『Journey To The East』'84 は国内盤もリリースされた事もあって未だにプログレ&ポンプ・ファンの間ではカルトな人気を誇る一作でありますが、以降の活動は時流の変化や度重なるメンバーチェンジも影響したのかパッとせずに80年代末期には解散するも90年代末期に復活し、以降断続的に活動を続けて過去作の自主CD-R再販やアルバム未収録音源集等のリリースを経て、今回待望の新譜がリリースされたのは非常に喜ばしいですね('(゚∀゚∩ ただ、これだけのインターバルが空き、元々メンバー・チェンジが激しかった事もあって、英国Doncasterの学校の友人であるフロントマンの Mark Holidayとキーボーディストの David Powellの1983年バンド創設の二人はこれまで通りに本作にも在籍しているものの再びガラリとメンバーを変えており、現在のバンドは前記のオリジナル・メンバー二名に加え、デヴュー作『Journey To The East』のミックスとプロデュース(デヴュー作は幾度かジャケを変え、MIXも変えた盤が存在する)を手掛け、近年は Bill Nelsonのソロ諸作で活躍する John Spence(Guitars、Percussion)を迎えた三名が固定メンバーで、その他のパートはフルート&ホイッスルに Angela Gordon(MOSTLY AUTUMN、ODIN DRAGONFLY)をはじめゲストプレイヤーが多数招かれて本作は制作されている。 さて、内容の方はと言うと、デヴュー作以来の持ち味である透明感ある美しいキーボードと柔和で穏やかな甘いヴォーカル、そしてメロウで伸びやかなギターをメインに据え、80年代ポンプ勢が提示したサウンドより一段とポップなヴォーカルパートに比重を置いた淡くソフトな歌物サウンドを展開するのはそのままに、よりモダンな音像でフロイド風味やフォーク風味を加え、しっとり、ゆったりと、メロディアスな叙情をスケール感大きく紡いでいく英国バンドならではの上品さを漂わす円熟味あるモダン・シンフォニック作となっており、このインターバルで彼等のサウンドに変化が訪れたかと危惧していたファンの方はご安心を。 相変わらず David Powellが操るキーボードのたおやかで柔らかな音色が心地よく、BABYSの John WaiteとGENESISの Phil Collins、そしてPENDRAGONの Nick Barrettを足して三で割ったような独特な癖ある Mark Holidayの力む事無い穏やかなヴォーカルに非常に良くマッチしており、当時のポンプ勢がその後によりハードな方向へ進んだり、よりキャッチーでポップな方向へ進んだ事なんて全く知らぬかのように、軽やかなフルートが導く牧歌的な美旋律を悠々と紡ぎゆく彼等のキーボード主導なシンフォ・サウンドを耳にしているとなんとも言えず心癒されてしまいます(*´∀`*) 余りに穏やかなそのサウンドは、ポンプやプログレ、そしてロックというカテゴリーで語っていいのか少々戸惑いますが、聴き込むにつれしっかりと悠然としたシンフォニックなサウンドのそこかしこにプログレの残滓とも言えるタッチや絶妙なアレンジを感じ取れますので、センチメンタルでメランコリックなメロディとポジティヴな雰囲気が交差するこの久々の新作をプログレ&シンフォ系ファンのみならず、穏やかなシンフォ風味なポップスもイケるという方に是非チェックして欲しいですね。 活動再開を期してか、これまでにリリースされて来た旧譜(同梱BOXセットもある)も同時に自主CD-R盤(ジャケがまた変わってる…)ではありますがリイシューされておりますので、アコースティカルなABEL GANZの近作や本作の穏やかな美旋律が気に入った方は一度そちらの方もチェックしてみて下さい。 CASTANARC members: Mark Holiday (Lead Vocals) David Powell (Keyboards、Backing Vocals、Triangle) John Spencegu (Gitars、Percussion) with: Neil Duty (Guitars) Pat Mount (Guitars) Pete Robinson (Bass) Charlie Morgan (Drums) Angela Gordon (Flute、Low Whistle) Steve Beighton (Saxophone)
by malilion
| 2021-07-03 18:35
| 音楽
|
Trackback
|
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 more... お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||