DEVILS IN HEAVEN 「Rise」'21
オーストラリア産キーボード入り4人組メロディアスHRバンドが90年代初頭に遺したシングル音源やEP、そして未発音源等がご存じドイツのAOR Heavenレーベルから発掘リマスター&リイシューされコンピレーション・アルバムとして限定再販されたのを即GET! 80年代後半のオーストラリア産HRバンドというだけで珍しく、さらにタスマニア諸島出身のバンドと言う事で一層に珍しい存在である彼等の音源14曲がこうして今回リリースされたのは大変喜ばしいですね。 1986年にタスマニア州ロンセストンの学校でカバー・バンドDINNER TIMEとしてスタートし、幾度かのキーボーディスト・チェンジを経て1989年にタスマニアを去り、北クイーンズランド・ツアーに出ると同時にバンド名をDEVILS IN HEAVENへ改め拠点をシドニーへ移して活動を開始する。 1991年に母国で有名な音楽番組『Star Search』のコンテストで優勝すると、オーストラリアColumbiaと契約を結び翌1992年にシングル『Say A Prayer』をリリースし、本土の東海岸を中心にクラブ・ツアーを精力的に行うなどアルバムデヴューを期待されたものの、92年4月にはNIRVANAをはじめとするグランジ/オルタナ・ブームが音楽界を席巻するなどメジャー・シーンを取り巻く環境は激変し、93年にロサンゼルスのハリウッドでレコーディングしたEP『Liberation』を発表するもチャートアクションは芳しくなく、フル・アルバムを残す事なく同年解散してしまう…orz これまでにも何度か同じ境遇の80年代末期に活躍したメロディアス・バンドを紹介してきましたが、アメリカを遠く離れたオーストラリア・シドニーの地で活動していた彼等も同じような運命を辿ったのが残念でなりません。 如何にもイモ臭いセンス悪いジャケやインナーの田舎者丸出しなメンバーフォトに苦笑してしまいますが、ルックスに反して(フロントマンの David Whitneyはイケメンだ!)シングルのみとは言えメジャー・レーベルと短期間契約出来ただけのポテンシャルは確かに彼等は持っており、華やかなキーボードサウンドをフィーチャーしつつハードエッジなギターも要所で絡み、伸びやかで甘い声質のヴォーカルと分厚いコーラスがフックあるメロディを朗らかに歌い上げる、所謂80年代メジャー・シーン王道のキャッチーでブライトなUSメロディアス・ロック&産業ロック・スタイルな彼等の遺した音源は28年を経た今もその魅力と輝きを失っておらず、時流の悪戯が無ければといつもながらに思わされます…(´д⊂) オーストラリアのバンドと言うとギターメインで豪快なサウンドのイメージがあるのですが、彼等は結成当初からキーボーディストの存在にこだわっていた事からも分るように鍵盤サウンドをかなり重要な楽曲要素として捉えていた模様で、ちょっと80年代UKポップスっポイ音色の使い方やアレンジ、そして叙情感あるユーロロック風のほんのりセンチンメンタルで透明感ある美旋律が聴ける点が、所謂バブリーでドライなサウンドがメインのUS産業ロック勢と毛色の違いを感じさせて実に興味深いですね。 個人的には Matt Shieldの紡ぐメロディアスなベースラインが大変に心地よく、本バンドのオーソドックスなメジャー路線スタイルの楽曲を何倍にも魅力的にしていると感じ、是非にデヴューして音源をメジャーシーンに残して欲しかったなぁ… 80年代風メロディアス・ロック好きな方や80年代発掘音源マニアな方は無論の事、普通に穏やかで華やかなメロディアスHRサウンドがお好きな方にもお薦め出来る上質なサウンドが詰め込まれた一作となっておりますので、ご興味あるようでしたら一度ご自身の耳でチェックしてみてください。 DEVILS IN HEAVEN members: David Whitney (Vocals、Guitar) Matt Shield (Bass Guitar) Nelson Tabe (Keyboards) Phil Crothers (Drums)
by malilion
| 2021-06-27 17:43
| 音楽
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