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モダン・UKシンフォの先頭を疾走するインテリジェンス・バンドFROST*が約5年振りに4thアルバムをリリース!!

モダン・UKシンフォの先頭を疾走するインテリジェンス・バンドFROST*が約5年振りに4thアルバムをリリース!!_c0072376_22381650.jpgFROST* 「Day And Age - Deluxe Edition-」'21

英国音楽プロデューサー、キーボーディスト、ソングライターの Jem Godfrey率いるUKモダン・シンフォニック・バンドの最右翼 FROST*が約5年振りに4作目のアルバムをリリースしたのをちょい遅れてGET!

去年8枚組のアーカイヴ作『13 Winters』がリリースされたのでそんなに間が空いている気がしなかったが、前作『Falling Satellites』'16 以来久しぶりとなる作品だ。

残念な事にまたメンツ変動があった模様で、Jem Godfrey(Keyboards、Vocals)、ARENA&IT BITESでお馴染みの John Mitchell(Guitars、Vocals)、LEVEL42&IT BITESの Nathan King(Bass、Vocals)、までは不動の三名なものの、David Cross Bandでも活動し、長らくバンドのリズム隊の要であった Craig Blundell(Drums)が2019年にSteve Hackett Bandの正式ドラマーに就任した為にFROST*を脱退してしまう。

本作では三名のドラマーがゲストとして招かれており、ソロ活動やセッション、ドラムクリニックで有名で、USA歌手 Josh Groanとのワールド・ツアーをしたりと多忙な Kaz Rodriguez、THE DARKNESSの Justin Hawkinsが新たに結成したバンドHOT LEGやジャズ・ファンク・バンドPROTECT THE BEAT、最近リリースされたFAIR WARNINGの Tommy Heartと元EUROPEの Kee Marcelloが立ち上げたメロディアスHMバンドOUT OF THIS WORLDのデヴュー作でも叩いていた Darby Todd、そして産業ロックの Mr.MISTERやプログレ系ファンならご存じな近年のKING CRIMSON、その他にもXTC、THE REMBRANDTSとジャンルに拘らず多岐に渡って活動する Pat Mastelottoと、何れもキャリア十分な名うての実力派ドラマー達で、Craig Blundellが抜けて正式ドラマー不在なのを感じさせぬ抜群な仕事ぶりを見せている。

で、本作の内容ですが、前作までに推し進めていたデジタリーなエレクトロ風味は幾分か減退し、代わってダークなグルーヴが渦巻くソリッドでヘヴィなロック的パワフル・サウンドに驚かされるものの、依然としてダンサンブルな要素や80年代的キャッチーなメロディやコーラスも垣間見え、才人 Jem Godfreyの面目躍如たる極めてクオリティの高いプロダクションが成された、いつものように洗練されたタイトで隙無い冷ややかなモダン・サウンドで貫かれており、凡そ古典的なサウンドを好むプログレ勢が手を出さぬだろう要素を見事に自分のモノとして楽曲要素に組み入れデジタルサウンドとプログレサウンドを融合させた前衛的で革新的なアイデアが詰まった、まさに21世紀型シンフォの最先端バンドの呼び名に相応しいFROST節が随所で炸裂していてモダン・シンフォ・ファンなら大満足間違いなしな一作だ!(゚∀゚)

一聴するとパワー圧しなダーク・サウンドばかり耳に飛び込んでくるが、その実、緻密なアレンジが成された、変拍子も用いたテクニカルな怒涛の展開とスリリングなキレあるプレイで畳みかける中、不意にウェットで英国叙情薫る気品あるメロディが顔を見せたりとベテランらしい緩急の使いどころが素晴らしく、ちょっとした楽曲構成やSEやナレーション等の巧な使い方で一際にインテリジェンス溢れるサウンドと歌詞に奥行と深みを持たせるその手法は流石の一言でしょう。

また、本作は John Mitchellのヴォーカル・パートが以前のアルバムより増えているので、彼のハートフルなヴォーカル・ファンには嬉しい変化とも言えるだろう。

余りに纏まりが良く、無駄ないコンパクトな楽曲がたった8曲だけ収録されたアルバムなので、アッという間に聴き終えてしまい、なんとも言い難い喪失感だけが残るのが本作に対する唯一の不満でしょうか(´∀`)

ユーロ・グロプレに優美さや叙情感を求める向きにはモダン過ぎるきらいがあるかもしれませんが、ハイクオリティで洗練された音楽と言うのは、つまらん文句などネジ伏せてしまえる程に素晴らしいのです♪

彼等のアルバムは全てハイクオリティなサウンドが貫かれており、モダン・シンフォ好きな方ならばきっと気に入る事請け合いですので、是非ご興味あるようでしたら一度チェックしてみて下さい。

尚、初回限定の海外デラックス盤は、ボーナス・ディスク付きの2枚組3面デジパック仕様となっていて、本編のヴォーカルレスなインスト・ヴァージョンを収録しており、国内盤はBSCD2の1枚組仕様ながら日本盤のみのボーナス・トラックを1曲収録しておりますので、音源マニアな方は是非両方とも入手しておきましょう。


FROST* members:
Jem Godfrey   (Keyboards、Railboard、Vocals)
John Mitchell   (Guitars、Bass、Vocals)
Nathan King   (Bass、Keyboards、Vocals)

with:
Kaz Rodriguez  (Drums)
Darby Todd    (Drums)
Pat Mastelotto  (Drums)



by malilion | 2021-06-06 22:38 | 音楽 | Trackback
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