![]() 華やかな80年代に登場したメロディアス・ロックバンド達が残した素晴らしい遺品がまた一つ発掘再販されました! 当時の西海岸サンセット・ストリップで人気を博した84年結成のUSカリフォルニア産4人組メロディアスHMバンドが86年に自主リリースした唯一作であるEPが待望のオフィシャル初CD化&リマスターでリイシュー! 以前Retrospect Recordsからチープな作りの怪しい海賊盤やTrue Hard RecordsのR製海賊盤が出回っていましたが、やっと今回リマスターされ正規盤がリイシューされました。 LAメタル勃興の勢いを感じさせる84年に結成されただけあって初期LAメタル・サウンドがベーススタイルながら、後のLAメタル定番なグラム・テイストやアメリカンHR的な能天気さや勢い重視なパワー圧し、そしてメタリック・サウンドのドライさが本バンドには薄く、むしろユーロ・ロック的な翳りのあるメロディが実に日本人好みで、如何にもUSAバンドという爽快感あるキャッチーさとウェットな美旋律が交差し、分厚いフィメール・バッキングコーラスを伴ってシンプルでストレートなHMサウンドを終始展開する、カリフォルニア産バンドとしては当時ちょっと珍しいスタイルの既に洗練された産業ロック&AORに近いサウンドを聴かせるバンドでありました。 いきなり哀愁のバラードから始まるEPの構成に驚かされますが、サウンドをもっと大雑把に言うとDOKKENとGREAT WHITEを足して二で割り、70年代後期ユーロ・ロック的テイストを足した感じでしょうか? DOKKENのウェットなメロディやキャッチーなポップさが気に入っている方なら、当時のメジャー・シーンを彩っていた本バンドの80年代メロディアスHMサウンドもスンナリ気に入る事と思われます。 今回追加されたボーナス・トラックはバンド創設前のバンド名がまだSEXISTであった頃に残した音源や、まだSEXISTであった83年のデモ音源等で、フロントマンが Robert Sykes加入前の Dan Mateikな為に彼のパワフルな苦り声を活かしたよりストレートでスピーディな所謂アメリカンHR的な能天気さが滲むサウンドで、EPサウンドよりキャッチーさや洗練さで大きく劣るものの70年代後期のアンダーグラウンド臭あるUSA産バンドらしいマッチョなパワフル・サウンドを楽しませてくれる。 正直、EPのウェットなメロディとスマートでポップなキャッチー・サウンドとかなり隔たりがあるのでボートラ目当てで本作のオリジナル盤をお持ちの方(元が自主盤なのもあってかリマスターされても絶大に音が良くなっている訳ではありません)が購入されるとガッカリされるかもしれないので要注意だ。 では、簡単なバンドの歴史をマトメておきます。 1982年に Dougと TommyのPittam兄弟によってSEXISTの名でバンドは結成され、一時は Gilby Clarke(ex:GUNS N' ROSES) や Jake E. Lee(ex:OZZY OSBOURNE)も在籍していたが、Doug Pittam(Gitarres、後にLOVE/HATE、Paul Shortino、Gilby Clarke Band)、Mike Zaputil(Bass、後にAGENT STEEL)、と元ENERGYのメンバーである Mark Andersen(Gitarres)、Dan Mateik(Vocals)、Robbie Blackmore(Drums)というラインナップでデモをリリースする。 このラインナップは長くは続かず、幾度かのメンバーチェンジが原因でSEXISTは崩壊し、84年にバンド名をLETCHEN GREYに改めた。 新たに Robert Sykes(Vocals)、Mark Andersen(Guitars)、Robbie Blackmore(Drums)、Mike Zaputil(Bass)というラインナップでバンドは活動を続行し、サンセット・ストリップのクラブや、The TroubadourやThe Roxy、ResedaのThe Country ClubやSan PedroのDancing Waters Club等で演奏し好評を博す。 L.A.のラジオ局KNACが彼等に注目し、GREAT WHITE、POISON、HURRICANE、CONEY HATCHなどと共演も果たすなどメンバー・チェンジ等を経ても活動は順調で、1985年の夏にデモ・レコーディングを行う。 GUNS N' ROSESとGREAT WHITEのマネージャーとして後に有名になる Alan Nivenの目に止まり、本作の洒落た美しいジャケット・アイディアなど多くの手助けを得て86年に唯一作であるEPをリリース。 しかし、何かが足りなかったのかバンドはブレイクを果たせず、メジャー契約も得る事が叶わず、結局EPをリリースして間もなく解散してしまう。 Robert Sykesの甘いハイトーンヴォーカルが当時のUSAメタル的にはパワー不足に感じられたのがマイナスだったのでしょうか? しかし、産業ロック的なヘア・メタル・バンド群に彼以下の歌唱力や声質のバンドが当時メジャー契約を得てゴマンと存在していたのだし、それだけが原因とも思えません。 バンド・パフォーマンス的な事で何かマイナス要因があったのか、ルックス的な問題(有るように思えないけど)なのか、当時良く聞いたレコード会社内でのバンドとは一切関係ない人事問題等の煽りをくらったのか、今となってはどしょうもありませんけど… バンド崩壊後、Robert SykesはJEKYLLで88年に、BROKEN TOYZで01年にアルバムをリリースしているが、その後の活動は不明です。 09年に Mark Andersen主導で一度再結成した模様だが、その後音源リリース等もなく現在は既にバンドは存在していない模様だ。 どの曲も80年代USA産バンドらしいキャッチーなメロディーが印象的で、この1枚で消えてしまうには実に惜しいバンドでありました。 例によって例の如く今回のリイシューは500枚限定リリースのポルトガル盤ですので、お求めの方はお早目に! LETCHEN GREY members: Robert Sykes (Lead Vocals)、 Mark Andersen (Guitars、Backing Vocals)、 Robbie Blackmore (Drums) Ric Asevo (Bass、Backing Vocals)
by malilion
| 2021-06-04 11:47
| 音楽
|
Trackback
|
カレンダー
カテゴリ
以前の記事
2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 more... お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||