![]() 1978年に結成され、80年に名作と今も呼ばれるセルフタイトルのデヴュー作をリリースしたニューヨーク出身のキーボード入り4人組TOUCHがオリジナル・メンバー(!!)で再結成して待望の2ndアルバムを40年ぶりにリリースしたのをちょい遅れてGET!! USプログレ・バンドAMERICAN TEARSの元鍵盤奏者 Mark Mangold(Michael Bolton BAND、DRIVE, SHE SAID、THE SIGN、MYSTIC HEALER、FLESH + BLOOD、etc…)率いるUSプログレ・ハード・バンドTOUCHのデヴュー作は、98年にエイベックス系レーベルから幻の2nd用お蔵入り音源を追加収録した2枚組仕様で一度リイシューされているので彼等のアルバムを所有されているメロハー・ファンな諸兄も多数おられると思うが、今回は全くの新しい近年作曲された楽曲を収録した正真正銘正式な2ndアルバムのリリースとなっている。 これだけの年月を経てオリジナル・メンバーでのリユニオンというだけで胸熱なのですが、届けられたアルバムのサウンドはキャッチーでフック満載な楽曲に分厚い爽快コーラスとユーロ・ロック的ウェットな美旋律が実に艶やかで眩く輝く“アノ”TOUCHサウンドそのまんまで二度ビックリだ♪('(゚∀゚∩ 意図的になんでしょうけど、ちょっとレトロなサンプリングのキーボードサウンドといい、1stの後にリリースされたならきっとこんなサウンドだったろう、という想定内の美旋律が強烈にノスタルジックな感傷を刺激しつつ、今の時代を反映したモダンなテイストもしっかり取り入れたベテラン・ミュージシャンならではの隙無いハイクオリティな楽曲が詰め込まれたアルバムで、彼等のデヴュー作のファンであった方々を絶対に裏切らぬ往年のUSA産業ロック&古風で尊大なUSAプログ・ロックを彷彿とさせる80年代風USプログレ・ハード作に仕上がっていて、もう大興奮であります(*´∀`*) まぁ、さすがに経年のせいか Craig Brooksの伸びやかだったハイトーン・ヴォーカルは幾分かキーが下がっているものの、反面以前にはなかった味わい深い渋さと歌心を感じさせるヴォーカル・パフォーマンスへと変化しているが、それ以外は Mark Mangoldが巧みに操る華やかでスケール感あるキーボード・サウンドも、テクニカルで立体的なリズム隊のプレイも、デヴュー作と変わりない、そして以前以上に洗練されたメロディ運び、多彩なアレンジ、巧みで分厚いコーラス・ハーモニーが活かされ、ソリッドで完成度の高い楽曲に様々な表情を生み出している。 本作のサウンドがデヴュー作以上に多様で深みあるのは、やはりTOUCHが不遇の中で解散を迎えた後に Mark Mangoldが、Michael Bolton、Cher、Fiona、Jordin Sparks、Paul Rogers,、Jennifer Rush、Laura Braniganといったアーティスト達の楽曲を手がけ、優れたソングライターとしての地位を確立しただけでなく、プログ・ハードバンドTHE SIGNをシンガー Terry Brock(ex:STRANGEWAYS、ex:LE ROUX)と立ち上げたり、穏やかなAOR風サウンドのプロジェクト・バンドMYSTIC HEALERでアルバムをリリースしたり、TYKETTOのシンガー Danny VaughnとFLESH + BLOODを立ち上げたりと断続的にではあるもののバンド活動も継続させていた事も大きく関係しているのだろう。 無論、Mark Mangold以外のメンバー Craig Brooksも Roger Glover(ex:RAINBOW、DEEP PURPLE)と一緒に Michael Boltonのサポートもしていたし、Doug Howardもメロハー・バンドSTUN LEERやソロ活動等で音楽業界に居続けてキャリアを重ねて来た成果が本作に活かされているのは間違いない。 ただ、楽曲のコンパクトさやブライトなキャッチー・サウンドの質という点ではあのバブリーで華やかな時代だったからこそクリエイト出来た名作であるデヴュー作に今一歩及ばぬ出来に思え、それはベテラン故にこれまでの豊富な音楽活動と経験がデヴュー作のようなフレッシュでストレートな感覚を阻害した為か少々楽曲にまとまりが欠けるように思える時があるのと、プログ・ハードバンドというスタンスにこだわったせいでかちょっとソロ・パートが長過ぎに感じる瞬間もあったりで、いくつかの楽曲は文句なく素晴らしいのですが、期待が大き過ぎたのかせいもあってか総合的にはデヴュー作を越える大傑作アルバム、という訳にはいかなかったようだ… デヴュー作のようなブライトで瑞々しくキャッチーなポップ・メロディは少し後退した感じはあるが、替わってベテランらしい落ち着きと、デヴュー作にあった軽薄さが消えてAOR風な深い味わいがメロディから感じられ、個人的にはまんまデヴュー作のセルフパロ的なサウンドを今の時代に提示されても面食らってしまうのは間違いなかったので、これはこれで彼等の経過してきた歴史の重みを感じさせ悪くない変化だとは思っとります。 最近デヴューした新人メロハー・バンドのアルバムでは太刀打ち出来ぬ職人芸とベテランの経験が活かされた優れたメロディアス・ロック・アルバムなのは間違いありませんので、デヴュー作を聴いて妙な先入観と期待を膨らませた私のようなファンではない全く彼等の作品を知らぬ最近のメロハー・ファンな方ならばなんの問題もない素晴らしい一枚に思える事でしょう。 80年代プログレ・ハード・サウンド好きな方や産業ロック・ファンな方、そしてNEW ENGLAND等のUSバンドだけどユーロ圏のロックバンドのようにウェットな美旋律と美しいコーラスを聴かせる技巧派バンドがお好みな方なら是非本作をチェックして欲しいですね! TOUCH Members: Mark Mangold :Keyboards、Lead & Backing Vocals (ex:DRIVE, SHE SAID、ex:AMERICAN TEARS、ex:Michael Bolton BAND、ex:THE SIGN、ex;MYSTIC HEALER、ex:FLESH + BLOOD、etc…) Craig Brooks :Lead & Backing Vocals、Guitars (ex:AMERICAN TEARS、ex:Michael Bolton BAND、etc…) Doug Howard :Bass、Lead & Backing Vocals (ex:STUN LEER、etc…) Glenn Kithcart :Drums & Backing Vocals (ex:AMERICAN TEARS) 願わくば本作を記念的なリユニオン作で終わらせず継続的にバンド活動を続け、来る新作を早く届けて欲しいものであります。
by malilion
| 2021-05-03 21:04
| 音楽
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