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80年代初頭に短命に消えたドイツのメロディアスHRバンドREBELの唯一作がデジタル・リマスターでリイシュー!!

80年代初頭に短命に消えたドイツのメロディアスHRバンドREBELの唯一作がデジタル・リマスターでリイシュー!!_c0072376_02163909.jpgREBEL 「Stargazer」'82

URIAH HEEPの二代目フロントマンにしてLUCIFER'S FRIENDの現フロントマンである John Lawtonが後にドイツのメロディアスHMバンド ZARで共演する英国人ギタリスト Tommy Claussと80年代初頭に極短期間だけ活動して解散したキーボード入り5人組ジャーマンHRバンドの唯一作が500枚限定のデジパック仕様でリマスター&リイシューされたので即GET!

以前、本作とZARの90年リリース作をカップリングした2in1盤や、CD-R製の劣悪なブートが出回っていたが今回は単品で初となる20年度リマスター&リイシューとなっている。

ZARファンにとっては前身バンドとして名が知れていたし、URIAH HEEPから続く John Lawton個人のファンにもマイナー・バンド(当時、フランス盤LPもリリースされクレジットがフランス語の珍盤も存在する)ながらその存在を知られていたマニアックなバンドであります。

なんでも John Lawtonは当初はプロデュースのみを担当する予定だったらしいが、若いヴォーカリストの指導をするうちに本人がマイクを握ってしまった、という顛末らしい(w

まぁ、あのヴォーカリスト選眼では定評の Ritchie BlackmoreからRAINBOWに誘われたと言う John Lawton程上手くパワフルに歌えるロックシンガーなんてそうザラに居ないでしょうから、もし指導を施された無名の新人シンガーの歌声で本作が録音されていたならば、恐らくこうして39年の時を経てリイシューされる事もなく、無名のドマイナーなインディ・バンドの一作として歴史の闇へ消えたままだった事でしょう。

さて、待望のリイシューが成された本作の内容についてですが、ユーロ圏バンド特有のウェットなメロディとHRバンドらしいスピード感、そして程々のポップ感覚がミックスされた80年代当時らしいオーソドックスなユーロHRに加え、キーボードのちょっとシャレオツで華やかな使われ方にニューウェイヴの影響が窺えるサウンドで、ぶっちゃけ楽曲展開にもアレンジにも特に強烈な個性が感じられる訳でもない短命に終ったのも納得なアルバムですが、なんといっても本作の売りはHEEP二代目フロントマンであった John Lawtonの Klaus Meineや Ronnie James Dioにも決して引けを取らぬ上から下までカヴァーする幅広い音域とHEEPでお馴染みの突き抜けるハイトーン・ヴォイスや抜群のパワフルさを誇る絶妙な歌唱力で、稀代の名シンガー John Lawtonのファン達はこうして貴重な本音源がリマスターで限定とはいえ正式にリリースされ大変喜んでいる事でしょう。

斯く言う私も本作のインフォを見て即飛びついたクチであります(*´ω`*)

CDも以前の古ボケたサウンドのプロデュースでしかリリースされていないので、こうしてデジタル・リマスターによってクリアで図太くパワフルに磨かれお色直しされたサウンドの本作を入手出来て大変満足しております。ハイ。

欲を言えば蔵出し音源の類、当時のLIVE音源やDemo音源や未発曲なんてのがボーナストラックで追加されてたらこの上もなく嬉しかったんですが、まぁ余りに短命過ぎてその手の音源は見当たらなかったんですかねぇ…

キャリア的に John Lawtonばかり注目されてしまうだろう本作ではありますが、一応もう一人の主人公 Tommy Claussもリフにソロに頑張ってギターをプレイ(ちょっと Michael Schenkerっポイ所アルよね?)しておりますが如何せん楽曲のメロディの質が総じてB級クラスなのは否めませんね…

ニューウェーブ風やプログレ風味、そして様式美HR風のキーボードサウンドをサラリと聴かせる Albert Stublerの鍵盤捌き自体にも問題は無く、むしろ本バンドのオーソドックスなユーロHR風なサウンドカラーを特徴付けている(アレンジ等でオリジナリティを出してる、一応)とも言えるのですが、Tommy Claussに遠慮してなのか終始控えめで地味なプレイだし、サウンドを古臭く聴こえさせる一因にもなっているように思えるのが残念です。

その辺りに気づいてかプレイや作曲面の助力に不満があったのか Tommy ClaussはZARでは彼を起用せず、新たなキーボーディスト Jerry Schaeferを招いている訳だが、ZARは各パートのメンバーの出入りが激しすぎるバンドだったので、仮に Albert StublerがそのままZARへスライド参加していたとしても余り長続き(Jerry SchaeferはZARに一番長居したメンツではありますが…)しなかった可能性は高かったでしょうけどね。

もし本作をチェックしてサウンドが気に入った方がいらっしゃるならば90年から16年までに5枚のアルバムをリリースしている Tommy Clauss率いるZARのアルバムの方もチェックしてもいいかもしれません。

John Lawtonファンは勿論、ドイツのマイナーなメロディアスHR作もチェックを怠らない熱心なメタルヘッドなコレクターの諸兄にもお薦めしたい本作であります。

REBEL Line-up:
Tommy Clauss  (Guitars)
John Lawton    (Vocals)
Albert Stubler   (Keyboards)
Peter Weber    (Bass)
Peter Garratoni  (Drums)


by malilion | 2021-04-11 02:16 | 音楽 | Trackback
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